ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

「国民投票に行くな」と言い出した!

2012-07-24 | ルーマニア・ブカレストの日常

 
ルーマニアは、大統領と首相がいる国。首相を支えるのは国会(議会)。権限は、大統領のほうが上。1989年の革命を経てからは民主主義の国なので、重要なことは議会で討論して議決されます。現在の大統領はトライアン・バセスク氏(政党はPDL=ペデレ)、首相はポンタ氏(野党連合である社会自由連合=USL)。

大統領と首相が同じ政党だったら仲良く出来ていいのですが、今年2月にボック政権が倒れ、その次のウングレアーヌ政権も「バセスクの人形」と揶揄されるほどのバセスク寄り、このかたも野党連合からの内閣不信任決議を受けて5月に総辞職、そして現在のポンタ首相(野党連合であるUSL=ウセレ)。
 
大統領と首相が与党と野党を分け合っているのですから、これは確執が大きくなるばかり。博士論文に盗用疑惑が持ち上がったポンタ首相、そんなスキャンダルはものともせず、バセスク大統領に対し首相権限を無視する行為は職権乱用にあたるとして憲法裁判所に訴えていました。

そして今月8日、ついにバセスク大統領の弾劾決議案を可決、今月29日に、バセスク大統領を罷免するかどうかの国民投票が行われることになったのです。このときの議会は、256票対114票という大差。国会の様子が中継され、みんな夢中で見ていました~「やった、大統領が引き摺り下ろされようとしている!」
 
弾劾議決された日から国民投票が行われるまで大統領権限の執行が一時停止していて、その間の大統領業務は、野党連合であるUSLのクリン・アントネスク上院議員が暫定大統領として務めています。「バセスクがだめになったら、次の大統領は、誰になるの?」~「もちろん、USL代表のアントネスクさ。」とみんなに周知されているアントネスク氏です。
 


政治の混乱が続くルーマニア。でもEU(欧州連合)の加盟国なので、行政執行機関であるEC(欧州委員会)が様子を見張っています。この欧州委員会は、ポンタ首相が自国の憲法裁判所の判断(=バセスク大統領が憲法に違反した決定は行っていないとして支持している)を無視して、バセスク大統領の弾劾決議案を可決させたのは問題だとして、ポンタ首相を欧州委員会本部に呼んで、事情聴取しています。 

おまけに、ルーマニアはIMF(国際通貨基金)やEC(欧州委員会)から多額の融資を受けていて、これからも継続的な援助が必要。こういったECのルーマニアに対する政治介入やルーマニアの司法制度が適切に機能していないことがあきらかになり、大きく信頼を損なっているルーマニア。

これを見れば明らか~昨今のルーマニア通貨RONの下落ぶりといったら・・・(1RON=4.6ユーロを超えました!日本円に対しても、ついに20円台に突入→日本人の皆さん、ルーマニアに旅行するには円高チャンスです♪)。

IMF(国際通貨基金)の融資の実施をめぐるルーマニア訪問も大統領弾劾の国民投票後に延期になり、訪問が延期になればそれだけ融資の実行も延期になるということ。
 


さてその国民投票、大統領の弾劾と言う重要課題なので、有権者の過半数の投票が必要。投票率50%を超えるべし。先の6月の地方議会選挙では平均して56%の投票率だったというから、国民も熱心です。
 
が、いまはバカンスのシーズン。夏になるとどこへ遊びに行くかが最重要課題のルーマニア人、海へ、山へと出かけ、投票日に居住地にいない人も多そう(日本でいうところの不在者投票というシステムはありません)。さらに国外に出稼ぎに行っている人は、その国の在外公館で投票が出来ますが、みんなわざわざ出かけて行くだろうか??

在外公館での投票は、特に登録していなくても、ルーマニアのIDカードを持っていくだけでオッケー。マイダーリンも4年前はバセスク・ファン、大統領決選投票となったとき、ポルトガルにいましたが(=出稼ぎではなくリスボンマラソンを走るため)、リスボンのルーマニア大使館で投票。私もくっついていって、在リスボンのルーマニア大使館の中まで入れてもらいました♪
 
今回、この時期の国民投票について、マイダーリンは「こんなとき、ルーマニア人は怠惰だからね、心配だよ。過半数の投票率を集められるだろうか。」、ブカレストの街中には、「大統領弾劾」の横断幕があちこちに。みんな投票に行くのかなあ?
 
さて、追い詰められてきたバセスク大統領、毎日のようにテレビに出演していますが、昨日、ついに「国民投票に行くな」と言い出しました。「これが唯一の生き残りの手段だからね。投票自体を成立させなくすると、弾劾も成立しないのさ。」って、成り立ちはわかるけれど、そんな発言って、あるかなあ??


バセスク大統領の発言:
こんなことを言っていたときもありました、「職を失ったものは、外国へ働きに行け。」、経済危機で企業の倒産が相次ぎ、仕事を失った人に対して、または人減らしされた人に対して、その対策もせず、自国の産業を起こそうともせず、外国で働いて給料を稼いで来い、と。所得税はその国のもの、でも、残りを家族のためにもって帰ってきて、ルーマニアで消費せよ、と。これにも驚かされたけれど・・・。

 
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