ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

”知らなかった”から始めた伴走

2012-03-05 | 日本でランニング
わたしが視覚障害者ランナーに初めて出会ったのは、少なくとも12年以上前。自分のランニングのホームグラウンドとしている大坂城で、ロープを手に取り合い走っているペアというのが、伴走者と視覚障害ランナーでした。

同じ公園で何度か見かけるうちに言葉をかけて話をするようになり、そのランナーは男性のMさんという方で、偶然にも私の実家から3キロ圏内。「家も近いし、一緒に走ってよ。」と誘われるままにロープを握って走るようになったのです。
 
最初は、私自身の無知から視覚障害者が走れることをとても驚いたけれど、よく考えると、運動機能に問題がなければ視覚の部分さえ誰かが手助けすれば走れるのです。その手助けとは、約1mのロープ等を輪状にしたもの。これをお互いが握りあうことにより離れず、適切にコース案内をすれば安全に走ることができます。
 
当時のMさんはスピードランナー、わたしと一緒ではペースを上げて走ることは出来なかったけれど、スロージョグの部分を一緒に練習していました。誰かと一緒におしゃべりしながらの方が距離を稼ぐことができるし、練習の約束をしていたらさぼる理由もなくなるし、などと、助けてもらう部分が大きかったです。
 
その後、女性ランナーのSもっとさんと出会い、「大会参加目指して走りましょう!」と意気込んだはいいけれど、走り始めたら脚が合いません、あれ??~このとき初めて、視覚障害ランナーと伴走者は『二人三脚』状態で走るべし、というのを知ったのです。つまり、ロープでつながっているのは腕だけれど、脚さばきを『二人三脚』で合わせることにより、ペアの身体の動きがスムーズになるのです。
 
じゃあ、なぜMさんと走るときは、何の問題もなくうまく行っていたの?~Mさん曰く、「僕がいつも君にあわせていたんだよ。」、「え=、それならそうと言ってくれれば私からも合わせるようにしたのに==。」、おまけに男性のMさんとはもともとストライドも合わないので、Mさんはわたしの歩幅にも合わせてくれていたそうです。ストライドというのは、小さく刻むことは出来ても、大きくするのはなかなか難しいものだから。
 
そんなかんなで、なにも知らないままにMさんと走り始め、次にSさんと走るようになって初めて知った伴走の方法。なにも知らないままよく走っていたものだ、と、自分の無謀を改めて恥いる次第。でも、この無知があったから、視覚障害の人と走るにも何の垣根もなかったのかも。 
 
そして、今でもSもっとさんに教えてもらうことの方が多いです、伴走の方法もさることながら、しっかりと前を向いて進んでいく日々のことを。



視覚障害者京都マラソン大会にて、応援に駆け付けた女子プロ野球チーム『京都アストドリームス』のマスコットに出会って、その大きさと顔だちに、手で触れてみるSもっとさん。片目ウィンクの表情が楽しかったみたいです~こんな無邪気さのある方なのです、Sもっとさん♪



この日のナンバーカードは、ランナーの名前入り。子供たちにも応援しやすいように、とひらがな書き≪実際のゼッケンは本名のひらがな書き≫、おかげでた~くさんの声援をいただきました。白ゼッケンは伴走者用。記念にポーチに早変わり、ゼッケン再利用のペア・ポーチ、最新作♪もちろん紫ポーチはSもっとさんにプレゼント!

ブラインドランナーのSもっとさん、関連記事:
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