ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

異国で見る「広島&長崎展」

2009-09-08 | ルーマニア・ブカレストの日常

 
ルーマニア歴史博物館はウニリ広場からヴィクトリア通りに入ってすぐのところにある国立の博物館。旧市街にあってその概観も見事な重厚さ。常設展示は地下階に、いにしえから近代までの宝飾品。時代を追って展示されているので金属が製造され武器として使われるようになったころから、精巧な黄金の飾りものとして発展していく様子がよくわかります。
 


そのルーマニア歴史博物館のロビーの一角で、この夏「広島&長崎原爆展」が開催されていました。ブカレストの友人全部にお知らせメールを送って、「僕は子供と見に行ったよ。」「原爆は本当に恐ろしいこと。」と、何人かが見に行ってくれています。
 
私は最終日にすべりこみ見学。冷たい雨の降る日曜日でしたが、ぽつりぽつりと訪れる人もいて、熱心に見入っている様子。
 


写真を掲載したポスターが20枚余り、原爆ドームのミニチュア模型などの立体展示物が二つ、そして30分ほどのDVD。思っていたよりも規模の小さい特別展でしたが、写真も選りすぐりのものばかり。
 


投下後の広島、長崎、焼け野原以上に何もありません。ところどころコンクリート作りの建物が瓦礫のようになって残っているだけ。爆心地近くで被爆した人の身体の焼ただれた写真、日本でも見たことがあるけれど、外国で見ると余計に強いインパクト。



それに、投下直後の様子を描いたイラスト。こちらも余りにも凄惨な様子を良く伝えていて、実際はもっともっと地獄絵図さながらだったのだろうと見入ってしまいました。



最後のほうの展示、広島&長崎の復興の部分では、「海外からの援助」という表記もあり、日本人も復興に頑張ったけれど助けてもらった部分もある、というのも再認識です。
 


DVDのコーナーで、もっと釘付けに。被爆で焼けただれた身体を手当てしている様子、あまりにものただれ方に、目を向けていられません。多くの人が肉親を失って泣き崩れている~涙がじわっと込み上げてきてしまいます。広島の原爆資料館を訪ねたときも、やっぱり半泣きになってしまったっけ・・・
 
プログラム途中から見たDVD、終わりまで見ましたが立ち上がることできません。最初からもう一度、きちんと見たいのです。私のほかにもう一人、年配のルーマニア男性がDVDコーナーにいました。彼も同じ思いだったようで、DVDが終わっても立ち上がりません~DVDを最初から見ることができるよう操作してくれた係員に「ムルツメスク」と言って、席に座ったまま。二人して顔を見合わせ、大きくため息をつきました。
 
ルーマニアでは日本という国に対する評価はたいへん高いです。まずその理由は、「日本は第二次世界大戦でこてんぱんに負けたけれど、その後の努力で見事に復興し、世界に誇る経済大国になった。僕たちは戦勝国だけれど、その後社会主義になり、経済は滞るようになり、いつしかヨーロッパ諸国からも取り残されてしまった。」というのが主な見方。
 
そんな日本が世界大戦で受けていた傷、原爆を実体験したのは日本だけ。未来に向かって永遠に私達の発信すべきことは大きいのです。

ルーマニア歴史博物館の常設展:
ルーマニア王国(1881~1947)のものも多く収蔵されていて、なかでもイギリスからルーマニアにお嫁に来たマリア王女の王冠の前では足が止まりました。きらびやかな発展を遂げたイギリスから、はるか東欧の果て~地図で見てもルーマニアとイギリスはヨーロッパの対角線上。風土も文化も異なるこの国に来て、マリア王女は幸せだったのかなあ、といつも思ってしまうのです。
 
マリア王女が英語で書かれた童話(『わしといたずらキルディーン』)の記事はこちらから。昨夏日本でも2度目の和訳本が出版され、美智子皇后陛下も絶賛のものです。

ルーマニア歴史博物館情報:
Muzeul Naţional de Istorie a României
住所:Calea Victoriei 12
時間:9時~17時(入館は16時まで)
休日:月曜日
料金:7レイ(2009年6月現在、特別展は入場無料のことも多い)
お得情報:毎月最終金曜日は入場無料

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