Risk Taking

大禹嶺烏龍茶 《台灣百參年　冬茶》 ( Formosa Tea Connection )

世界一の半導体メーカー、インテルの普遍的価値観を表した Six Values （社是の代わりにあたるもの）の中に「リスク・テイク（Risk Taking）」が掲げれています。マーケット関係者には説明不要の概念ですが、「危険を承知で臨み、機会（チャンス）を得ようとする行為」とでも意訳できましょうか。

春摘み新茶まだ入荷していないので昨年の冬茶（10月摘み）です。台湾高山烏龍茶の中でも、とりわけ過酷な環境に位置し、茶樹が育ち得る臨界点付近の海抜2,600メートルの茶園で製茶されたものです。

台湾烏龍茶の一大産地、凍頂山が海抜800メートル前後。其の3倍以上の海抜の環境で敢えて製茶に挑むのは、「リスク・テイク」以外の何ものでもないように映ります。

リスク・テイクで此のお茶が得たもの、低海抜の産地では表現し得ない、清冽さと滋味の深さでしょうか。高原の冷気のように清らかである一方、味わいが薄いのではなく重低音のようにじわじわと身体に響いてきます。時折、顔を覗かせる南水梨のような瑞々しい甘味が実に心地好いです

Classic

杉林溪烏龍茶　《台灣九十七年　冬茶》　( Formosa Tea Connection )

火入れの浅く仕上げらたものが殆どの高山茶にあって、杉林溪は伝統的な中火で仕上げられたものが少なからず見受けられるように思います。

製茶後1年以上が経過しており、焙煎の風合が落ち着いてきていて、実に良い塩梅です。余韻として、mangosteen のような上品な甘味がやわらかに漂います

Windy

武陵烏龍茶　《台灣九十八年　春茶》　( Formosa Tea Connection )

茶葉は粒子が大きく、色も超高山らしい澄んだ碧をしています。Herb 系のやわらかな清涼感を内包しつつ、瑞々しい和ナシの甘味が還りで漂います。

一分火

新佳陽烏龍茶　《台灣九十七年　春茶》　( Formosa Tea Connection )

極々微かな火入れがなされているため、心なしか生茶より味わいが奥深いように感じます。トウモロコシを想わせる素朴なコクを感じた後、malty な風合が漂います。還りでやわらかに漂う、和梨のような甘味が心地好いです。

Secret Garden

秘密之茶園烏龍茶　《台灣九十七年　春茶》　( Formosa Tea Connection )

南投縣の超高山と云う事以外は非公表の産地のお茶です。

森林のような静けさ、落ち着きを感じる飲み口をしています。豆乳のようなコクを感じた後、生の blue berry を想わせる甘味が広がります。

Acacia

特等　東方美人　《台灣九十七年　夏茶》　(海風號)

非常に多くの silver tips を含み美しい茶葉をしています。東方美人にしては後発型の茶葉です。さながら泉に映る満月のようで、陰性でありながら神秘的な魅力に溢れています。

清冽とした印象から、煎を重ねる毎、徐々に蜜味が深くなり色付いて行くかのようです。煎を重ねた後に現れる、アカシアの蜂蜜を彷彿とさせる甘くたおやかな還りが実に心地好いです。

喧騒を忘れて、此の泉の畔に永遠に佇んでいたいような…。

冬味 Special

凍頂山烏龍茶 SP　《台灣九十六年　冬茶》　( Formosa Tea Connection )

頭等奨比賽茶と同 lot の裏 packin' です （＾＾A。

三分火との事ですが、丁寧に焙煎されているためか幾分軽やかに感じます。福与かな口当たり、nuts 系のコクを感じた後、清らかに果蜜の甘味が広がります。

炭焙凍頂山

凍頂山炭焙烏龍茶　《台灣九十六年　冬茶》　( Formosa Tea Connection )

以前に梨山烏龍茶の炭焙を飲んだ事はありましたが、凍頂山烏龍茶 ver. は初めてです （＾＾A。

飲み始めは大豆のようなコクと、しっかりとした焙煎から来る spicy な風合を感じます。煎を重ねる毎に余韻の甘味が深くなり、果蜜のように心地好く漂います。

Flower

華崗烏龍茶 SP　《台灣九十五年　春茶》　( Formosa Tea Connection )

製茶から1年半以上経っていますが、全く色褪せている感じはしません。超高山茶では珍しく、四分火と火入れの強い type です。

超高山茶らしい清冽さと焙煎による果実系の甘味の調和が実に素晴らしいです。余韻の甘味は柘榴を想わせ、何とも言えず心地好いです。

梨山野生茶

梨山野生茶　《台灣九十五年　冬茶》　( Formosa Tea Connection )

S/F、野生茶、岩茶と言った類のお茶が殊更心地好く感じられる陽気が続いています。

野生茶にしては若干火入れの軽い type なのですが、梨山らしい清らかさを反映して、実に私が好きな個性のお茶です。時間を経てあたりがやわらかくなっており、余韻として加熱したリンゴを想わせる甘味が漂います。