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気が向いたら書く

Cinderella /"Heartbreak Station"

2019-05-30 19:12:32 | 音楽
手持ちのCDを全てNASに取り込んで、iphoneでストリーミング再生できる環境を作っているのですが、その過程で最近聴くことのなかった音源をよく聴いています。(結局ストリーミングでなく、ipodなんですがw)

やはり手が伸びるのは、過去に飽きるほど聴いていたような盤で、これもその一つ。ヘアメタルバンド(と言っても良かろう)、シンデレラの3rdアルバムです。



このアルバムとの出会いは、大学1年くらいの時だと思うのですが、バンドメンバーが練習スタジオで拾ったカセットテープなんですね。たぶん、前に入ったバンドが忘れていったものなんですが、アーティストやアルバム名が一切分からない状態で。聞いてみたらアーシーなサウンドが気に入って、ヴォーカルはクセがあるけどカッコいいなあと、結構愛聴していました。

その後、しばらくして大学のサークル仲間に「これ何だか分かる?」と聴かせたら、「ああ、このヴォーカルはシンデレラじゃん」と一発で判明しました。すぐにCD買いに行きましたね(笑)

遡って2nd"Long Cold Winter"も聴いたのですが、こっちはまだメタル臭があって、あまり聴きませんでした。

"Heartbreak Station"はヴォーカル/ギターのトム・キーファーの趣味全開で、全編ブルージーでスワンピーなアメリカンロックです。
90年の発表ですから、レニー・クラヴィッツの1stやブラッククロウズの1stあたりと近い時期で、そういうアルバムが出せる環境はあったのでしょう。バンドの勢いもあり、相当売れたみたいですが、その内容には旧来からのファンは戸惑ったでしょうね。加えて、渋好みのリスナーからすれば「シンデレラ?ヘアメタルでしょ」って感じで、フラットに受け入れられなかったんじゃないでしょうか。今より情報が少ない時代ですし。

トム・キーファー自身もこの後、喉の手術とかして、バンドが動いてない感じでした。94年に4thアルバムを出したのですが、雑誌などのレビューでは1stの頃の感じに戻った、みたいに書いてあったので、聴くことはありませんでしたね。今更感もありましたし。実際売れずに、バンドはメジャー契約切られてます。

そういう訳で、今となっては特に取り沙汰されることもない、半ば埋もれたアルバムですが、ぼくは大好きでした。今の耳で聴くとリズムが軽い感じはありますが、キーファーの声質と、たぶんファイヤーバードと思われるトレブリーなスライドギターなどとの相性を考えると、これでいい気もします。

トム・キーファーは2013年に、構想から20年のブランクを経てソロアルバム"The Life Way Goes"を発表しています。こちらもギターの音が素晴らしい、ブルージーなロックアルバムに仕上がってます。
名盤との呼び声も高いのですが、日本ではやはり「シンデレラのトム・キーファー」という文脈でしか語られていない感じで、勿体ないなーと思います。

ブランクの間は、シンデレラの再結成だのを断続的にしてたみたいですけど、もっと他のジャムバンド系のミュージシャンと繋がっていたら、ソロアルバムの受け入れられ方も違ったんじゃないかなあ。まあ、そういうタイプのミュージシャンではないんでしょうね。

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