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『青空の卵』 by 坂木司

2007年09月17日 16時38分10秒 | Book Review
香港旅行の飛行機の中で読んでいました。

『青空の卵』 by 坂木司


文庫の帯には「名探偵は引きこもり」とかいてあり、新しい展開やなと思って買ってきました。

正直、この本では、名探偵ぶりとはちょっといえませんね。そもそも、ミステリーという類ではなさげ。

そして、ココが一番好き嫌いが別れるところです。本作には2人のメインキャストがいます。一人は主人公でストーリーテラーであり、ものすごくお人よしの坂木という青年と、もう一人は坂木の友達であり、世間との交流を閉ざしていて、思ったことを直球で投げてくる鳥井という青年です。彼らは中学、高校の同級生であるわけですが、彼らの関係がちょっと微妙です。仲がよい友人というくくりを超えてしまっている感じがするんですね。といっても、同性愛的な関係があるではなく、相互補完的というか、お互いがお互いの不安要素を埋めあっている感じなんです。2人がそういう微妙な関係である理由は作品中に述べられているので割愛しますが。

いろんな人の書評をみてると、この関係性が気持ち悪いと感じる人もいるので、そうするとこの作品は読めなくなっちゃいますね。確かに絵的に想像すると気持ちがいいものではないんですけど。逆に気にしなければ、というか、気にならないと僕は思うんですけど、そうすれば作品は普通に読めます。で、普通に読んだ結論として、感想を書きます。

ミステリーという作品よりかは、すごく人間愛を感じさせるような作品として感じられます。作中、同性間の愛や外国人との愛、親子の愛、もちろん、男女の愛など、いろんなカタチの愛情が表現されて出てくるので、そういう部分がフィーチャーされている感じです。

殺伐とした人間関係のこの世の中に、ココまで人間臭い物語が存在するとは思わないのだけれど、自分の冷めた感情がちょっとあったかくなる感じがしますね。

それにしても、作者は男の人なのかな?もしかすると女の人かもしれないね。

(2007/09/15 読了)

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