映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

シッコ

2009-01-18 00:14:46 | ★★★★☆☆☆☆☆☆
監督 マイケル・ムーア
出演 マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントン
2007年 アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー

【あらすじ】
国民健康保険が存在しない米国では、民間の保険に加入することがベストだと思われているが、実際は保険会社は利益重視で、いざ保険金となると、過去の病歴をあげ、手術を実験的だと判断し…と、できるだけ保険金がおりないように画策する。そして何人もの人間が命を落としていく。入院費用が支払えないからと病院を道に捨てることもある!と、驚くような米国の医療問題を悪質な医療制度の被害者の取材から、ムーアは切り込んでいく。

【感想】
(最初は8点をつけましたが、後にアメリカ人の多くが国民皆医療保険を望んでいないという事実が明らかになったため、信憑性に大きな疑問あり。悲劇を演出しただけの可能性があるので点数下げます以下は当時のレビューをそのまま)

ドキュメンタリーにもかかわらず最初から最後まで全く目が離せなかったです。

この国は金持ちには天国だが、そうでない人間には吸い取られるだけの場所だと実感。本来は医療費もろくに払えない人間が大多数を占めているにも関わらず、彼らの希望が反映されることもなく何十年も放置され続けているのは民主主義がそのもの機能しておらず、強引に歪めている団体に対してなす術がないのでしょう。政党を超えて全ての議員に献金送れば、どこが政権を取ろうが誰も改革する人はいないでしょうね。凄い発想です。日本もあまり他国のことは言えないでしょうが。

前作「華氏911」がマイケル・ムーアのブッシュに対する個人的な感情が表に出すぎていたために、偏った取材ではないかと思われても仕方がない部分があった(もちろん私もブッシュは嫌いだが)のですが、本作については実際に保険が受けられない被害者の叫びを中心に置いているので説得力がありました。

良い例として取り上げていたフランス、カナダ、キューバ、イギリス、ドイツあたりも当然良いことばかりではなく、無駄が多いし、絶望しない代わりにやる気のない人間が街に溢れたりするのでしょうが(事実、そのような国ほど失業率は高い)、9.11事件でボランティアとして参加した喘息を患った人間に対して、一切の援助もでないというのは酷い。良いことをした人間が報われない社会はいけない。やはり医療についてはセーフティネットが必要であるという考えには賛成です。

それから最後にユーモアを織り交ぜていたのも評価が高いです。反マイケル・ムーアのHPの運用している人物が家族の病気の治療費負担のためにHPを続けられなくなったことに対して、「そんなことで言論の自由が妨げられてはいけない」とマイケル・ムーア自らが匿名で1万ドルを寄付したという話です。こんなことまで自分の映画のネタにしてしまう厚かましさが、優れたドキュメンタリーを生み出せるパワーになっているのでしょう。

同監督の他作品と比べ日本人にもテーマが身近で他人事ではないので、我々日本人には本作が興味を持てる内容であると思われます。

お薦め度:★★★★☆☆☆☆☆☆

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