青みかんと準惑星

小ネタ乗せようかと思ってます。
時々二次系の下書き・・・

10年目の嵐 47

2007-10-10 23:47:22 | 二次系
萌々子と男女の関係になったのは萌々子が25歳の時だった。大学生を卒業し、俺の会社の系列に勤めた。クライアントと喧嘩し、ふて腐れていた時に一緒に飲みに行った時だった。
俺は彼女を抱くつもりはなかった。野梨子の容姿をしているが、明らかに野梨子ではない。
野梨子が美童とよりを戻しストックホルムにいるという話も萌々子から聞いたが、何も思わなかった。野梨子のことだから、息子のことを考えてのことだろうと思っていた。
仕方ないことだ、と思った。野梨子と俺が相思相愛だとしても、しがらみには勝てない。野梨子の家はそういう家だ。
俺は彌緑を残してくれたことに、感謝すらしていた。それは今でも変わらない。
俺は萌々子をよく食事に誘い、恋愛相談もした。いい小父さん、のつもりだった。
実際、その気もなかった。
あっけらかんと自分の男性経験を語る萌々子に、その気が起きるはずがなかった。
野梨子の妊娠中に美童と寝た、ということまで話していた。
それを聞いたときには、呆れて言葉を無くした。
そんな萌々子にその気を起こすはずがなかった。

そして、あの日。
萌々子は不規則な時間帯の仕事のため、野梨子の実家からそれほど遠くないところにマンションを借りていた。俺は泥酔した萌々子を送るために、一緒にタクシー乗った。タクシーの中で激しくキスをされる。
そのキスは、野梨子にされているような錯覚に陥った。
タクシーを下りた後、萌々子の部屋に彼女を抱えて連れて行く。
既に俺はその気になっていた。
野梨子と一緒にいるような錯覚に陥っていたのだから。
考えてみれば、この時、俺も酔っていたのだと思う。
萌々子の部屋の玄関に入るとすぐに、壁に押し付けながらキスの続きをする。俺の中でスイッチが入り萌々子をベッドに運ぶと服もちゃんと脱がさないままに抱いた。
萌々子は乱れた服装のまま、だらしない格好で、終わるや否や、眠りにつく。
俺はそれを見ながら、何故か嬉しく感じていた。
萌々子を犯したいという願望があったわけではないが、野梨子を犯して、汚したように思えた。
野梨子を恨んでいたはずはないのに、何故かそうすることに、喜びを感じた。
俺は萌々子の隣に体を横たえ、眠りについた。

夜中に体に感じる刺激で目を覚ますと萌々子が全裸で、俺の服を半分脱がして、俺の上で喘いでいた。
結局、俺は萌々子に犯されていた。
野梨子に最初に犯された時を思いだす。
やっぱり、親子だと思った。

朝起きた時に萌々子は俺にキスをしながらあっけらかんと「魅録さんとこういう関係になれて嬉しいわ。」と喜んだ。
「でもお前には彼氏いるしな…。別れる気はないんだろ?」
俺も付き合う気はなかった。
相手は萌々子だ。
そして萌々子の彼氏はとある財閥の御曹司だ。俺もよく知っている。
「ん…、そうね。別れる気はないわ。でも魅録さんさえOKなら、こんな関係もありじゃない?」
俺は苦笑した。
母娘揃って…。
俺は二番目か。
今後も萌々子に本気になることはないな、とこの時思った。

萌々子とはたびたび関係を持ったが、もちろん、周りには内緒だった。周りからすれば今までと変わらないように見えていたはずだ。親代わりの小父さん、それ以上ではなかった。恋愛感情はなかったのだから。むしろ、萌々子との体の関係はスポーツを愉しむことに似ていた。

一年半程前、グループの記念行事でソリストのリサイタルを行うことになった。
企画が決定し、人選も済んみ、各ソリスト達のプロフィールを書いたものが紙で俺の元に届けられた。バイオリン、チェロ、ビオラ、フルート、オーボエの5人と伴奏のピアニストのプロフィールだった。余りクラシックは興味がないため、何となく眺めていた。一枚目をめくり、二枚目のプロフィールを見て、思考が止まった。
服装や髪型が異なるがそこにいたのは紛れも無く野梨子だった。若かりし日の野梨子がそこにいる、そう思った。
まだ、穢れていないころの、野梨子が。
意思の強そうな目をして、まっすぐに、こちらを見つめていた。
その写真の表情に、甘酸っぱい思いが胸を締め付ける。
俺はたまらずお茶を口にした。
心臓が高鳴っていた。
この場に誰もいなくてよかったと心から思った。
誰かに見られていたら、何かを悟られてしまいそうだった。

---
萌々子とは結局関係をもってしまいましたが、おかしな関係です。
そして菜々子登場。。。