秀鳳は清四郎がやってきて、少し面白くなさそうな表情をした。
悠理と二人で、観測を楽しんでいたのに…と。
清四郎は我関せずという様子で、二人の間に入っていった。
星が降ってきそうなくらい、きらめいていた。
「学校じゃなく、もっと山の綺麗な空気のところで、本当は剣菱さんと二人で、星を眺めたかったな…。」
さらさら髪の秀鳳は女の子が好きそうな爽やかな笑顔で、悠理に言った。
「まぁな~。おにぎりつきだったら、尚、良しなんだけどな…。」
望遠鏡を覗きながら悠理は答えた。
清四郎が苦笑し、秀鳳がそんな清四郎にムッとする。
(悠理に愛とか恋とか期待するのは間違いですよ。)
ほんとはおかしくて仕方ない。
30分ほどした頃だった。
「ねぇ、秀鳳くん。そろそろ、こっちと交換しない?」と女の子が2,3人やってきた。
本当は清四郎目当てである。
「ああ、いいよ。じゃあ、向こうで、木星、みましょうか。」
悠理を連れて、ドーム内に入る。
清四郎はというと、女の子たちに掴まってしまった。
10分もしないうちに、「何やってんだよ。」と悠理が呼びにくる。
(助かった…。)
女の子たちがベタベタしてきて、うざかった。
「木星って、綺麗なんだよ。清四郎も、早くみてみろよ。」
ドームに入る手前で、悠理はそういうと、ニコッと微笑んだ。
多分、普通の友人の1人として、そう言っているだけなのだが、清四郎はなぜかとても嬉しかった。
秀鳳に代わってもらって、清四郎は、木星を見た。
赤茶色と灰かかった白い縞々模様の球体が目に飛び込んできた。
「なかなか綺麗だよな。」
悠理が興奮気味に清四郎に話す。
「ええ、そうですね…。」
ちょっと滲んだ感はあったが、ほんとに、綺麗だった。
「あたし、星をこんな風にみたことなかったから、結構、感動したよ。」
悠理は、秀鳳に話しかけた。
秀鳳は嬉しそうに微笑んだ。
なんとなく、嫌な気配を察知して、清四郎が望遠鏡から顔を離す。
「なんだ、もう、見ないのかよ?」
「いや、そういう訳でもないですが…。」
秀鳳と目が合う。
なんで邪魔するんだよ、という顔で、清四郎を見てる。
(お前こそ、なんで…。)
と思って、清四郎はハタと気がついた。
どうして、こんな風に、悠理のことを思っている秀鳳に嫌な感じを覚えるのか。
(僕は、悠理が…。)
内心苦笑する。
微妙なライバルが現れるまで、気づかなかったとは…。
「そろそろ、僕たちと交換してよ。」
男子学生が入ってきた。
その中には石鎚もいる。
「あ、秀鳳、わりい。お前、石鎚と写真撮ってくれないかな?」
部長の栗駒が、声をかけた。
悠理と清四郎はドームから出て、皆から離れた屋上のフェンスのほうへ向かった。
「木星観測も、結構、面白いものだな。」
フェンスによりかかりながら、悠理は言った。
「そうですね。意外なこともありましたし。」
「意外なこと?木星に赤い斑点が見えたことか?」
清四郎は悠理に微笑んだ。
「内緒です。今は…。」
そう、今は話すべきではない。
いつか、もう少し、彼女が大人になったら…。
---
完了~♪
勿論ジュピターは、惑星からですよ。。
悠理と二人で、観測を楽しんでいたのに…と。
清四郎は我関せずという様子で、二人の間に入っていった。
星が降ってきそうなくらい、きらめいていた。
「学校じゃなく、もっと山の綺麗な空気のところで、本当は剣菱さんと二人で、星を眺めたかったな…。」
さらさら髪の秀鳳は女の子が好きそうな爽やかな笑顔で、悠理に言った。
「まぁな~。おにぎりつきだったら、尚、良しなんだけどな…。」
望遠鏡を覗きながら悠理は答えた。
清四郎が苦笑し、秀鳳がそんな清四郎にムッとする。
(悠理に愛とか恋とか期待するのは間違いですよ。)
ほんとはおかしくて仕方ない。
30分ほどした頃だった。
「ねぇ、秀鳳くん。そろそろ、こっちと交換しない?」と女の子が2,3人やってきた。
本当は清四郎目当てである。
「ああ、いいよ。じゃあ、向こうで、木星、みましょうか。」
悠理を連れて、ドーム内に入る。
清四郎はというと、女の子たちに掴まってしまった。
10分もしないうちに、「何やってんだよ。」と悠理が呼びにくる。
(助かった…。)
女の子たちがベタベタしてきて、うざかった。
「木星って、綺麗なんだよ。清四郎も、早くみてみろよ。」
ドームに入る手前で、悠理はそういうと、ニコッと微笑んだ。
多分、普通の友人の1人として、そう言っているだけなのだが、清四郎はなぜかとても嬉しかった。
秀鳳に代わってもらって、清四郎は、木星を見た。
赤茶色と灰かかった白い縞々模様の球体が目に飛び込んできた。
「なかなか綺麗だよな。」
悠理が興奮気味に清四郎に話す。
「ええ、そうですね…。」
ちょっと滲んだ感はあったが、ほんとに、綺麗だった。
「あたし、星をこんな風にみたことなかったから、結構、感動したよ。」
悠理は、秀鳳に話しかけた。
秀鳳は嬉しそうに微笑んだ。
なんとなく、嫌な気配を察知して、清四郎が望遠鏡から顔を離す。
「なんだ、もう、見ないのかよ?」
「いや、そういう訳でもないですが…。」
秀鳳と目が合う。
なんで邪魔するんだよ、という顔で、清四郎を見てる。
(お前こそ、なんで…。)
と思って、清四郎はハタと気がついた。
どうして、こんな風に、悠理のことを思っている秀鳳に嫌な感じを覚えるのか。
(僕は、悠理が…。)
内心苦笑する。
微妙なライバルが現れるまで、気づかなかったとは…。
「そろそろ、僕たちと交換してよ。」
男子学生が入ってきた。
その中には石鎚もいる。
「あ、秀鳳、わりい。お前、石鎚と写真撮ってくれないかな?」
部長の栗駒が、声をかけた。
悠理と清四郎はドームから出て、皆から離れた屋上のフェンスのほうへ向かった。
「木星観測も、結構、面白いものだな。」
フェンスによりかかりながら、悠理は言った。
「そうですね。意外なこともありましたし。」
「意外なこと?木星に赤い斑点が見えたことか?」
清四郎は悠理に微笑んだ。
「内緒です。今は…。」
そう、今は話すべきではない。
いつか、もう少し、彼女が大人になったら…。
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完了~♪
勿論ジュピターは、惑星からですよ。。