青みかんと準惑星

小ネタ乗せようかと思ってます。
時々二次系の下書き・・・

10年目の嵐 34

2007-06-30 17:35:12 | 二次系
僕は生まれた子供の父親になるつもりだった。だから悠理が生む一月前に婚姻届を提出した。悠理はこのことを知らない。偶然ばれてしまった姉に秘密を共有と言う響きで騙し、義兄には共犯者として証人にサインしてもらう。
出生届も僕の子供として提出した。これでこの子は僕の子供だ。そう思うと安堵する。魅録の子供には法律上はならない。
区役所に出生届を提出し、僕は悠理の好きなプリンを買うために駅に向かっていた。ここから2駅先にそのプリンの店があった。車で行ってもよかったのだが、車を出すのが面倒だった。
駅に着いて目的の店まで歩いて行く。駅から5分くらいだった。
店に入ろうとして足を止めた。
魅録…。
魅録が若い女性と仲良くプリンを買っていたが、僕は魅録がその店にいたというだけで、複雑な感情が胸を占めていた。
そのプリンが悠理と魅録の仲を表しているような気がしたのだ。同棲していた間にここに買いにきて、一緒に…。
僕は踵を返し元来た駅に向かう。
僕は自分で妄想し、嫉妬していた。悠理と魅録の仲は終わっているが、それでも子供が生まれた以上、何かが起こるかもしれない。それが怖かった。
電車に乗り、駅に着いてカフェに入る。少し落ち着いてから帰ろう、そう思い、アイスコーヒーを頼む。
ふと一息ついて、先程の店でのことを思い出す。
あの女性は…?
魅録が一緒にいた若い女性は剣菱のメイドだ。メイド服は来ていなかったが。従業員にわりと人気があったので覚えている。魅録があのメイドとデート?どういう繋がりで?
野梨子は?
悠理の妊娠を告げたときに野梨子を愛してると言っていたが、一年も経たないうちに、違う女性という訳か。
冷静に考えれば、魅録はすでに悠理を離れているのだ。魅録と悠理の関係に嫉妬してしまったのが馬鹿らしくなった。
少し気が楽になり、違う店でプリンを購入し家に帰った。

家に帰ると悠理は子供を見ていた。ふと僕に向かって、「この子は誰に似てるんだろう?」と言う。
「えっ…。」
突然の問いに僕は戸惑った。まだ誰に似ているかと判別出来る状態ではないのだが。
「どうして突然そんなことを。」
「全然魅録に似てない気がするんだ…。」
何故?
僕は魅録に似ていないという悠理の言葉に不快な気分になり、冷やかな口調で「魅録に似て欲しいんですか?」と言う。
悠理はバツの悪そうな表情をして、首を横に振った。
「ううん…。似ていないほうがいい。」
そう言いながらも何か解せないような顔で子供を見ている。
少し気まずい雰囲気になる。
僕は手に持っていたプリンを思い出した。
「そうそう、プリン買ってきたんですよ…。いつものプリンじゃありませんが。」
「ありがとう。」
悠理は嬉しそうに僕を見る。
「ここのプリン…。安いわりにおいしいんだよな。」
悠理は箱から取り出し、付属のスプーンの袋を破る。
「でもあそこのプリンが、一番好きなんでしょ?」
思い入れの強さを知りたかった。やっぱり魅録に若干嫉妬している。
強張った表情で尋ねると悠理は笑った。
「あそこのプリンはここから近いから買ってたんだ。ここのプリンは駅までいかなければならないだろ?」
えっ…。
意外な回答に僕は戸惑った。
「ここの近くにあったんですか?」
「うん、あるよ。二、三年くらい前かな?できたんだ。チェーン店だからわりとどこでもあるよ」
ニコニコしながら悠理は言った。
「クックックッ」
笑いがこみあげてくる。
「どうしたの?」
「なんでもないんです。」
わざわざ本店まで足を運んで買いに行っていた。
しかもあの店に魅録がいただけで、魅録と二人で生活していたときに食べていた思い出のものだと勝手に妄想していた。悠理の口ぶりから、魅録との思い出を引きずって食べていたとは思えない。
「変な清四郎。」
不思議そうな顔で悠理は僕を一瞥した。

---
清四郎編です。魅録がメイドと付き合ってます。
次回は清×悠です。悠理ほとんど清四郎ちょっと。

その次は魅録予定・・・。気が変わらなければ。
野梨子の展開は、頭の中で構想中・・。

脳内メーカーやってみました

2007-06-29 21:25:08 | Weblog

くららさんのサイトにあった脳内メーカー、やってみました。


 こんな結果で、食い気・・・ですかね。
ちょっと笑えます。
ちなみに本名は・・・。
空白いれたのといれないのでは結果が異なります。
どっちもどっちです・・・。
結果として面白かったのは、遊が真ん中にあって、それを悪が取り囲む空白無しパターンでしょうか。


10年目の嵐 33

2007-06-26 22:18:43 | 二次系
倒れて一ヶ月ほど入院したが、身体に気をつけて生活をし、その後平穏に暮らしていた。あたしたちが同棲していることは兄貴と義姉以外誰も知らない。義姉、和子姉ちゃんには入院先の病院でばれてしまった。あたしの入院していた病院で特殊な病例の執刀があり、その見学に来ていて、清四郎とばったり会ったのだ。病室に来られた時には心底驚いた。
あたしのわがままで、あたしたちは籍をいれていなかった。書類上まで、魅録の子供の父親を清四郎にするわけには行かなかった。清四郎はわかりましたとあっさり承諾し、なんだか拍子抜けだった。
あと一月で予定日と言うある日、清四郎が婚姻届を持ってきた。
「あたし、生まれるまでは籍を入れないって言ったじゃん。」
「書くだけですよ、生まれたらすぐに出しに行きますから。」
ニコニコしながら清四郎は言った。
「生まれてから書けばいいじゃん。」
「悠理の気が変わって僕と結婚しないと言い始めたら困りますから。」
「気なんて変わらないよ。」
「もちろんです。わかってます。でも万が一があると困りますからね。」
かなり強引に書かせられた。

超安産で出産した。男の子だった。産後、清四郎と和子姉ちゃんがあたしの面倒を見てくれた。一週間で退院し、清四郎とあたしの家に戻ってきた。赤ちゃんの部屋が準備されていた。ベッドやベビーカー、おもちゃなどが揃っていた。
「どうしたの?これ。」
「姉が準備してくれたんです。」
困ったような笑みを浮かべる。
「ありがとう…。」
「親に内緒ごとをしてるのが楽しいらしく、本人はこの状況を楽しんでましたけどね。」
清四郎が和子姉ちゃんに何処まで話したのかわからないけど、和子姉ちゃんは子供を可愛がってくれた。
生まれてきたばかりで魅録の子供だとわからないからだと思うけど。
「ところで。」
赤ちゃんをベッドに乗せながら清四郎が切り出す。
「名前は決めたんですか、悠理。」
「あっ…。」
赤ちゃんのことは自分の中で仮に”ぴーちゃん”と名付けていたからすっかり忘れていた。なぜぴーちゃんかというのは、特に理由はない。
「もし名付けてなかったら、僕がつけてもいいですか。」
「えっ…。」
予想外の申し出に驚いた。
「蓮という名前を考えていてね。」
清四郎は紙とペンを持ち出し、書いた。
「蓮…、どうして?」
清四郎は苦笑いした。
「字画がよかったんですよ。怜と迷ったんですけどね。」
あたしが今から考えるより全然いい。
清四郎はニコニコと微笑んだ。
「じゃあ、これで出生届出してきますよ。」
「うん、お願い…って、それ、あたしが書かないと駄目だろ?あたしが親だし。」
「悠理は蓮が寝てる間に少し休んでて下さい。ベビーシッターはあさってから来る予定です。それまでは頑張って貰わないとなりませんからね」
「わかった。」
あたしは大人しく蓮の隣に布団を敷いて貰って寝た。
真人の時も優しかったが今も凄く優しかった。
この子が清四郎の子供であればどんなにいいか、と心の中で思っていた。
疲れていたらしく、すぐに寝入ってしまった。

子供の泣き声で目を覚ます。紙おむつをかえて、再び寝入る子供を見ていた。
似ていない…。
魅録に似ていない気がする。口元はあたしに似ているが眉は違う。魅録とも眉が違う気がする。
まだ生まれて間もないからかもしれないけど…。
この子を妊娠したと思われる期間は魅録としか、寝ていないはず…。
でも…。
「ただいま、悠理。」
清四郎が帰ってきた。思わずあたしは清四郎に向かって言ってしまう。
「この子は誰に似てるんだろう…。」

---
生まれてみたら、魅録に似ていない気がすると思う悠理でした。
さて、蓮ですが。
http://seimeiweb.tatujin.org/namejudge.html
結構字画はいいみたいです。
怜と颯と迷ったんですけどね。。。
次は清四郎です。来週かな?
野梨子はしばしお待ちを(苦笑)

10年目の嵐31

2007-06-13 23:29:22 | 二次系
それから3,4日に1度のペースで魅録の家に行くようになった。家では料理を作れないので、魅録の家で魅録に作ってあげるのは楽しかった。一ヶ月もするとだいぶ男前になった。食べ物だけを買い置き、通うペースは週に一回に落とすことにした。
わたしが通い始めて二ヶ月もすると、かなり元気を取り戻していた。いつの間にか湯飲みも消えていた。わたしたちはこの頃から食事の際にお酒を飲むようになっていた。その際、大抵わたしは魅録に説教をした。このままじゃいけない、もっと素敵な女性は他にいる、と。魅録は黙って聞いていた。まだ、野梨子のことは忘れられないようだった。

通い始めて三ヶ月が近いある日、少しお酒を飲みすぎてしまった。トイレから居間に戻ってきた際に、私は転びそうになった。
「危ない!」
魅録が駆け寄り、わたしを支える。わたしを支える腕が熱かった。
視線が絡み合い、引き寄せられるように口付けた。
これは浮気だわ!
わたしは"浮気"というスリリングな響きに酔い、口付けを深くする。
美童の言ってたエクスタシーと言う言葉が頭の中にこだまする。夫では得られなかったそれを得られるかもしれない。キスをしながらそう思っていた。
キス自体はそんなにいいものではなかったので、その行為自体には、酔ってはいなかった。言葉と酒には酔っていたが。
服をぬがされ、胸を触られる。
が、一向に気持ちよくならない。
なんだろう。
触診でもされている気分だった。
乳首を口に含まれる。
わたしはなんとも変な気分がした。自分の体がなんとなく拒絶している。
そこへ魅録が自分のものをいれようとした。
「ちょっと待った!」
わたしは騒ぎ、魅録の体を押しやった。
魅録は訳がわからない、という顔でわたしを見た。
ああ…、合点がいったわ。
わかった気がした。
魅録は下手なのだ。女性の体を理解していない。わたしの身体が反応していないのに、濡れてもいないのにいれようとした。多分、こういうのもあって野梨子は離れたのだ。美童が少なくとも身体は僕を選んでいるというのはこういうことだったのだ。わたしも夫のほうがずっとましだと思った。
とりあえず、これじゃ・・・。
童●でもあるまいし・・・。
「ごめん…、魅録。あんたとは出来ないわ。」
わたしは脱がされた下着をさっさとつけながら言った。もう、する気なんて起きない。
「旦那がいるからか?」
とさびしそうにわたしに聞く。
わたしは首を振る。
はっきり言ったほうがいいだろう、これは。
「全然気持ちよくないの。わたしの身体が乾いてるのに、あんたはいれようとする。それじゃあ、わたしが傷ついてしまうわ。」
魅録はハッとした顔をして、うつむいて考えこんでしまった。ちょっと気になったが、わたしは続けた。
「少し、女性がどうしたら気持ちよくなるか考えたほうが…、いいと思うの。」
「すまない…。」
魅録はうなだれた。
「いいのよ。…今回のことは忘れましょう。あんたもわたしもお互いに好きな訳ではないんだし。なんとなく・・・でしょ。今回は。」
あいまいに魅録はうなずく。どうせそんなことでしょうよ。
でも。
「魅録に好きな人が出来たときに、その人がどうしたら気持ちよくなるかっていうのを考えて、こういうことをすればいいのよ。」
わたしは服を着ながら魅録に言った。服を着て魅録の肩に手を乗せると、魅録はわたしのほうを向いた。
「やっぱり…、わたしも浮気する訳にもいかないし、今度うちのメイドを一緒に連れてくるわ。わたしに迫るくらい元気になったんだもの。たまには違う女の子と会話してみて。」
元気のない魅録の肩をわたしはポンッと小気味良く叩き、「また来るわ」と言って魅録の部屋を出た。
好きだっただけの男とは、あとから寝るもんじゃないわ。
こんなことで・・・さらに幻滅するのか、と思った。
野梨子が美童に傾いた気持ちがわからなくもなかった。

その日、わたしは自分から夫を求めた。
夫が帰ってくると、布団に入り込み、夫に口付けた。
最初は驚いていたが、わたしの情熱的?なキスに夫の口付けも深くなる。
体がしびれるような感覚がする。
夫にネグリジェを脱がされ、体に触れられる。
自然と声があがる。
エクスタシーがどんなものかわからないが、夫に触れられていたほうが数倍気持ちがよかった。

翌日、義母に魅録の世話をさせるためにメイドを一人つけて貰うよう頼んだ。
若くてかわいい感じの料理上手な美那という女の子だった。魅録は相変わらず元気がなかったが美那の愛らしさに癒されたようで、まんざらでもなさそうな顔をしていた。その後、翌日だけ付き添って、わたしはしばらく魅録の元へは訪れるのはやめた。
あれ以来、やはりなんとなく頻繁には行きづらい。
夫との夜の生活は復活したが・・・。

一月ほど経ち、魅録から仕事に復帰するということと、美那と付き合い始めたと連絡があった。
わたしは少し安堵する。

---
ということでプチ浮気をする可憐でした。
とうとう、魅録は可憐に下手だと言われてしまいました。
でも、魅録には無事彼女が出来ました。それが本気かどうかはまた別の話ですけど・・・。
ふふふ(笑)←意味ありげ。

10年目の嵐 30

2007-06-13 23:09:45 | 二次系
わたしは義母と二人で、ホテルのスパに来ていた。
プレオープンで招待されたのだ。
プールそばの広いジャクジーに入る。ローズの香りが漂い、なかなかゴージャスな気分になれる。
わたしたちが入っていると、そこに千秋さんが現れた。
「あら…、百合子さんに可憐ちゃん。」
「久しぶりね。」
「ほんとだわ。久しぶりです。」
千秋さんはわたしたちのそばにきた。
相変わらず若く、40代後半と言われても信用しそうなくらい若く美しかった。
義母も歳よりは若く見えるが千秋さん程ではない。
たわいのない会話を2、3したあと、珍しく千秋さんがため息をついた。
「どうしたんです?」
「可憐ちゃん…、最近魅録に会った?」
「いいえ。しばらく会ってません。」
千秋さんは浮かない顔をしたまま、濡れた髪を手で一つに束ね、ギュッと水を絞った。
「そう…。魅録の様子を知ってれば教えて欲しいと思ったんだけど…。会ってないんじゃ知らないわね。」
かなり深刻そうな感じだった。
「どうしたんですか?魅録。」
野梨子が美童のところに行ったと美童から聞いたけど、それと関係してるのかしら。
…結局野梨子は美童を選んだ。僕の言ったとおりでしょ、と美童は面白そうに電話をくれた。
確かに言ったとおりだったけど。
千秋さんは困惑気味に微笑んだ。
「引きこもってるのよ。会社も辞めて…。いや、一応休職扱いにしたんだけどさ。会いに行っても私だとわかると、部屋から出て来ないし…。」
「いつから?」
「もう三ヶ月になるかしら。」
野梨子と別れたのもそんな時期だったかもしれない。
やっぱり関係してるかも…。
「もし…迷惑じゃなかったら、可憐ちゃん見てきて貰えないかな。魅録のこと…。」
しばらく会ってないと言ったわたしに頼むなんて余程深刻なんだろう。
でも、今更、どんな顔をして会えばいいんだろう。時間が空きすぎている気がする。
わたしがためらっていると、義母が「可憐ちゃん、いってあげなさいよ。」とわたしに言った。
「ええ…。」
「可憐ちゃん、ありがとう!」
わたしはとりあえず頷き、あとから魅録の連絡先を聞いた。

それから3日後、義母に「行ったのか」と何度も言われたこともあり、時間を作って、一人で魅録の家を訪ねた。
本当は悠理にでもきてほしいくらいだったが、頼みづらく、一人できてしまった。
相当しつこくインターホンを鳴らし、ドアを叩いたら、やっと魅録が顔を出した。
「何の用だ?」
そう言った魅録の顔は痩せこけて骸骨のようだった。不精髭も生やしている。一体何日剃ってないんだろう。髪もボサボサだ。
まるで別人。
その言葉がぴったりだった。
「千秋さんが、…心配してたわよ。」
そう言い終わるか終わらないかのうちに魅録はドアを閉めようとしたので、バッグを挟んで、無理矢理こじ開けて素早く中に入る。
部屋の中は、思ったより片付いていた。けれどもそこにいることが堪えられないくらい煙草臭い。まだ昼過ぎたばかりだと言うのにカーテンをしめ切って、電気をつけている。
こんな生活してるから、駄目なのよ。
わたしは中に入り込みカーテンと窓を開けて、電気を消した。魅録は再度カーテンを閉めようとする。
わたしは魅録を平手で殴った。
「何やってんのよ!こんなことしてるから、野梨子が去ってしまうのよ!」
仁王立ちになり、怒鳴り付ける。
魅録はポカンとした顔でわたしを見た。
「俺と…、野梨子のことを知ってたのか。」
うっ…、まずいわ。
「え、ええちょっとね。それよりこんなに痩せちゃって、ちゃんと食べてないんでしょ。」
「ああ…。」
「駄目よ、こんなんじゃ、いい男が台なしだわ。ほら…、綺麗に髭を剃って。」
わたしは強制的に風呂場に魅録をほうり込んだ。
ドアを閉めて、ため息をつく。
野梨子を失った虚脱感がこんな風にさせてしまうなんて。
若い頃はいつもおしゃれだったのに。
居間に戻ってふとテーブルを見ると湯飲み茶碗がぽつんと置かれてた。手にとろうとして、やめた。
口紅がついていたのだ。すっかり乾いていたが。
まさか…。
三ヶ月も、ここに?
ある意味魅録が怖いと思った。野梨子もここまでのめり込ませるなんて、あっぱれだった。
わたしは…、こうして会って見るとたいして魅録に魅力を感じてなかった。
時間が解決するものだとつくづく思った。

---

魅録、やっぱりだめ男くんです。
引きこもってました。
千秋さん、息子を心配してます。もう、子供じゃないのに・・・。

そして、プチ浮気は次回(笑)

10年目の嵐 32

2007-06-10 23:19:36 | 二次系
私は今ストックホルムで暮らしていた。美童とは籍を入れていなかったが家族として一緒に暮らしていた。
魅録と別れてから数カ月が経っていた。
萌々子は私が引越してきた際に、『美童にはやっぱり母さまが必要だったのね』と諦めたような笑みを浮かべた。
『僕には野梨子が必要なのさ。』
魅録はそういって、私にウィンクをした。そして、私の腰に手を回し、屋敷内に入る。

美童が言ってたことは本当で、この決断をしてよかったと思う。
菜々子は今年、音楽学校を受験する。魅録に言ったことは半分は嘘で半分は本当だ。
妊娠がわかったあの日に私は別れを決断し美童に連絡をとった。母さまにも話し、美童の子を妊娠したかもしれないと伝えると、早々にこちらに来る準備をしてくれた。
多分、この子は美童の子ではない。私はわかっていたがおろすつもりはなかった。美童にも話している。美童は苦笑しながらも籍を入れないことを了承した。ただし、籍を入れない間は美童が浮気をするのを許すことが条件だった。マスコミに追われる訳でもないので、私は了承した。

予定日まで1ヶ月もなく、私は出産が近づき、美童の別荘に一人で移動した。ここにいるのは、そこで雇った家政婦くらいだった。美童が時折家族を連れて訪れた。その時間だけが幸せだった。
予定日まであと10日となったその日、美童は知り合いの産科医を呼んできた。彼女は近くの病院で勤務していたが、2週間ほど仕事を休んでここに来た。金髪の背の高い美しい女性だった。初めてみた瞬間に美童の彼女だとわかった。彼女の美童を見つめる目が物語っていた。美童は一応独身だし、私は美童を愛していないから平気だった。
美童は私を友人の妻だと紹介した。私もこれからのことを考えるとその方が都合よかった。
松竹梅野々子と名乗った。
彼女は私と同じ別荘内に泊まることになっていた。
彼女が来た日の夜、私は夕食を終えると早々に部屋に戻った。夜、9時頃にお手洗いに行きたくなり、部屋を出た。美童と彼女がまぐわっている声が聞こえた。テレビを見ていたから気付かなかった。
やっぱりここでするんですのね…。
そう思いながら彼女の部屋の前を通り過ぎようとした際に部屋が少し開いていたことに気付いた。見るつもりはなかったが覗いてしまう。彼女はベッドに伏せった感じでドアとは逆向きに顔を向けていた。その彼女に美童が後ろから挿れていた。
身体の芯が熱くなるのを感じた。私も美童に抱かれたいと強く感じる。
美童がふとドアの方を見る。私と目が合うとにやりと笑った。私は足早にその場を立ち去った。
悶々としたままソファに座ってテレビを見ていた。
あの姿を見てしまうと美童が与えてくれる快楽が欲しくてたまらなくなっていた。

一時間ほどして、美童が私の部屋に水を持ってやってきた。私の隣に座る。
「野梨子。さっき見てたでしょ。」
耳元で囁き首筋に口づける。
「駄目ですわ…、美童。」
美童の首筋への口づけを避けようと首へ手を回すと唇に唇を押し付けて来た。
下半身が蕩けそうなくらい激しい口づけをする。
身体は美童を欲していて、妊娠中のこの身体がもどかしかった。
それを見越したように美童が囁いた。
「早く生んでしまいなよ。そうすればいくらでも出来るよ」
その言葉に私は頷いていた。
美童はにっこり微笑み、再度唇に口づけると部屋を出て行った。
それから子供を生むまでの3日間、毎日美童は彼女と愉しんでいた。彼女の喘ぎ声が聞こえてくるたびに私は自分の身体を持て余した。
予定より一週間早く、彼女の勤める病院で出産した。生まれたのは黒々とした髪の男の子だった。

---

ということで、後回しにしていた野梨子編です。
野梨子は美童が浮気をすること自体は平気ですが、自分の体をもてあましているという状態です。
野梨子が美童にいってしまった理由は明白・・・(汗)。

生まれた子供はもちろん、彼の子です・・・。

10年目の嵐 29

2007-06-09 09:40:18 | 二次系
いつものように部屋で待ち合わせ、前戯をしたあと、野梨子に挿れようとすると、野梨子は後ろから立ったまま洋服も脱がすに挿れることを要求した。
足をあまり開かないので、深く入らない。
ここ二週間は…といっても、そのうち野梨子が来たのは3回だが、この体勢ばかりだった。違う体位でしようとするとやめると言い出すので強く言えなかった。余り深く入らないし疲れるので不満だった。
しかも、避妊まで要求していた。だから、俺のものは、避妊具の中で、ベトベトの状態になっていた。
今日もこの疲れる体勢で行ったあと、野梨子のいれたお茶を飲む。
この体勢を要求するということは、俺と野梨子が結婚していないことが原因だろうか、と思う。
結婚していないから、やはり、避妊が必要だと…。
やはり、今日こそは返事を貰わなければならないだろう。あれからだいぶ時間も経過している。
「なあ、野梨子。そろそろ返事を聞かせてくれないか?」
俺が切り出すと、野梨子はお茶を飲む手を止めた。そして、一瞬顔が曇る。
少し嫌な予感がした。
しばらく俺の顔を見たあと、野梨子は切り出した。
「私は魅録のことを愛してるおりましたわ。でも、私には子供がおりますの。」
それは知ってる。今、野梨子と一緒に暮らしているのは美童との間の子だ。けれども。
「俺は…、野梨子の子供も俺の子供と同じように接する自信があるぜ。」
「そういうことでは、ありませんのよ。」
ぴしゃりと野梨子は言う。
「私には留学している二人の娘がおりますのよ。一人はチェロ奏者になるために、もう一人は留学先で思春期の悩みを抱えておりますの。親として、二人のそばにいってあげたいんですのよ。」
そういえば双子が何処かに留学していると言ってたな。興味がなかったから覚えていないが。
「一時的に行くだけじゃないのか?留学だろ?」
「チェロ奏者を目指してる娘が音楽学校を卒業するまで…いるつもりですわ。ですから、今日は魅録にお別れをいいに来ましたの。」
別れ?
一瞬、耳を疑った。息が止まるかと思った。
「本気…なのか?」
「ええ…。」
悲しそうな微笑を浮かべた。
「俺は野梨子と、別れたくない…、愛してるんだ。待てと言うのなら、何年でも待つ…!。」
野梨子の右腕を掴んだ。俺の左手に野梨子は右手を重ねた。
「私も…魅録のことは愛しておりますわ。でもわかって下さいな。娘たちと触れ合う時間は今しかありませんのよ。」
「俺とも、今しかないと思わないか、野梨子。」
野梨子は悲しそうな顔で俺を見つめ、俺に重ねた右手に力を込めて、やがてポロリと涙を流した。
「無理をおっしゃらないで下さいな…。」
野梨子の手が、俺から離れる。野梨子は立ち上がった。
「さようなら、魅録…。愛していましたわ。」
手で顔を被いながら足早に出て言った。俺はあまりの突然の出来事に追い掛ける気力もなく、呆然とその場に座りこみ、これは夢に違いない、と思い込もうとしていた。
野梨子の湯飲み茶碗だけが、野梨子がいまここに存在していたことを証明していた。

---

魅録、あほあほです。だめ男くん。

10年目の嵐28

2007-06-04 23:46:13 | 二次系
美童と会ったあと、子供のPTA会合に出席し、家に帰った。
すでに清四郎は帰ったものだと思っていたが、応接室の前で清四郎とすれ違った。
会釈だけして通り過ぎようとしたら、清四郎に呼びとめられた。
「可憐…。」
わたしは驚いて振り返る。
「君には感謝してるよ。」
唐突に言われ、わたしは何のことだかわからずにぽかんとした顔をしてしまう。
「少し、時間ありますか?」
「ええ…。」
促されて、わたしたちは応接室に入る。二人きりで話すのはかなり久々だった。向かいあって、ソファに座る。少し緊張する。
「…10年前、あのビデオを見せられたときには恨みましたよ。」
「あのビデオ…。野梨子のビデオね…。」
清四郎はコクリと頷く。
やっぱり、恨むわよね。
あんなの見せられたら。
わたしも野梨子に嫉妬していた勢いで、とはいえ、反省していた。年が経つにつれてあのことは忌まわしい思い出、そして罪悪感の塊として記憶に残っている。すぐに謝ればよかったのに謝りもせず、ずっと素知らぬふりをして暮らしてきた。
「あのことは悪かったと思ってるわ。悠理も清四郎も傷つけてしまったものね。それにあれは他人のプライバシーをのぞき見たもので、…犯罪だわ。」
清四郎は「ま、そうですね。」と軽く流し、「でも…。」と続けた。
「あれがなければ、僕は野梨子に溺れて破滅していたでしょうね。そうならずに済んだことを、感謝しています。…これだけを伝えたかったのですが、さすがに人に聞かれたくはないのでね。」
清四郎は微笑んだ。
こんな時期にこんなこと言うなんて…。
「何かあったの…?」
そう尋ねると清四郎は苦笑した。
「ま、いろいろね。」
「いろいろって、何よ?」
「それは、そのうち、また話す機会があれば…。」
立ち上がろうとした清四郎に「野梨子と何かがあったのね?」と思わずわたしは尋ねた。
清四郎はぴくりと反応する。
「いえ、何もありませんよ。」
これは、何かがある。
「野梨子が魅録と付き合っていることがあなたに関係しているの?」
そういうと清四郎は驚いた顔でわたしを見る。
「どうして、野梨子と魅録が付き合っていることを?」
「ええ…ちょっとね…。美童から聞いたのよ。」
思わず口を滑らせてしまったが、下手に隠すのはまずいと思い正直に話した。
「美童からですか…。元旦那だから連絡取ってたんですかね?。」
「ええ、そんな所だと思うわ。確か…、野梨子の双子を預かってたし。別れたときにそんなことを言ってたわ、美童が。」
「そうですか。」
清四郎は納得したようだった。まさかほんとのことは言えまい。内心ドキドキする。
清四郎はそんなわたしに気付いてないようだった。話しを続ける。
「…野梨子は、いい恋愛をせずに大人になってしまった気がします。僕も恋愛は不得手なので人のことはいえませんがね。」
わたしは苦笑した。清四郎から恋愛なんて単語を聞くとは思わなかった。しかも野梨子がしていない、なんて言うってことは自分がしたとでも言いたいのかしらと思ったが、それを突っ込むのは怖いのでやめた。
「いい恋愛ね~。」
そもそも何を持っていい恋愛と言うのかしら。そう思いながら呟いたのだが、清四郎はそのことには気づいていない。
「ええ。野梨子は余りいい恋愛をして来てなかったように思います。魅録のことを好きだった時期もありましたが、あの時の魅録は悠理に夢中でした。家のことでゲイの男性と結婚し、美童が優しくするから美童と寝て、僕とは美童と会えない寂しさを紛らわすためにいたんだと思います。当時、野梨子が美童に恋していないのは知ってました。彼女が恋していたのは魅録でしたから。でも美童と結婚して、好きな人は魅録と思い込んでいたから、野梨子の心が満たされなかったと言うのもあったのかもしれません。もし満たされる恋愛をしていれば、誰でもいいから男といると言うことはなかったでしょうけど…。」
確かに野梨子は好きだった人とはうまく行った試しはない。高校のときの裕也については、おこちゃまの話しだから、論外だ。
けれども、恋愛をしたことがなくて、寂しいから男に走ると言うのはさすがに…。今回も美童と別れたから魅録への恋を成就しようとしたんじゃないのかしら?
…二股はかけてるけど。
「野梨子は今でも魅録が好きだから付き合ってるんじゃないの…?。」
そういうと清四郎は笑った。
「可憐は相変わらずロマンチストですね。」
「どういう意味?」
「美童と離婚して寂しいから、僕とよりを戻さないかと言い、僕が断ると魅録にいきました。純粋に魅録が好きだから付き合ったとは思えませんね。」
えっ…。また、清四郎によりを戻さないかと言ったの?
次から次へと自分に近い人物を渡り歩くのね。
わたしはふと、週刊誌で読んだリサイクル・●ックスを思い出した。彼氏ではないけど、友達や元彼とそういうことする女性が増えているというものだった。今の野梨子はまさにそれなんじゃないかしら。
何かが満たされないと感じて癒しを求めてるのか、それとも、美童との間で得ている強烈な快楽を求めたいためなのか、わからないけれど。
「リサイクル・セッ●スしてるのね、野梨子は。…そして結局有閑倶楽部の男全員と関係を持ったわね。」
清四郎は苦笑した。
「そういうことになりますね。」
「凄いわね。」
「ある意味、そうですね。…野梨子も、さびしいから付き合うのではなく、本当に必要な人は誰なのかを見極めて付き合うようにならないと、駄目になってしまいますね」
「そうね。」
清四郎がこんなことを言うようになるなんて、そっちのほうが驚きだけど…。
本当に必要な人に、彼は出会えたということなのかしら。
そう思うと、少しさびしくなった。
わたしにとって、本当に必要な人は、今の夫でよかったのかしら、と。
「可憐は豊作さんと結婚してよかったですか?」
「…わからないわ。」
もうずっとご無沙汰だし、忙しく毎日を過ごしているだけだし…。
「でも、可憐は不満はなさそうですよ。何かを欲している顔はしていませんね。」
「そうかしら…。わたしも野梨子のように奔放に生きてみたいと思うわよ。」
清四郎は笑った。
「可憐には向きませんよ。基本的にロマンチストですから。」
清四郎が立ち上がる。
「ねえ。」
わたしは清四郎を呼び止めた。先ほどの疑問をぶつける。
「清四郎は野梨子以外の誰かに、恋をしたの?」
「してますよ、今でも。」
わたしに微笑みかけると、部屋を出て行った。
うらやましい…。
清四郎が出て行った扉を見ながら、そう思う。
わたしはずっと長い間、恋なんてしていなかった。
恋をしたい…。

---

と可憐さんは思うわけですが、恋なんかできません。

ある一部の文字を伏字にしてみました。


今回のは、清四郎から見た野梨子を可憐に話して、可憐が野梨子のやっていることが、伏字のことだということに気づくという話なんですけど、清四郎に野梨子のことを話させるのが大変でした。
かなーり、今回は書き直しをたくさんしているのですが、やっぱり、ちょっとめためたですね。。。裏に載せるときには、気力があれば修正します(^^;。

10年目の嵐 27

2007-06-01 00:11:18 | 二次系
その日、私は仕事が終わると魅録の元に真っ直ぐに向かった。美童が萌々子の話をしたり、美童といる一生が嬉しそうにしていたせいか、理由はよくわからないが、私は何となく魅録の家に行くのが乗り気ではなかった。
魅録の家に着き、ドアを開けて玄関に入ると「会いたかった」と言って魅録は私を抱きしめる。
「私も…。」
魅録の匂いが鼻腔をつく。煙草の染みた衣類。
顔を上げるといつものように軽く口づけし、私たちは部屋の中に入った。
部屋の中に入ると、魅録は再度私に軽く口付け、じっと私を見た。私が股間に顔を埋めるのを待っている。私はいつもどおり、魅録のズボンと下着をおろした。

魅録は私の口の中で放出すると、恍惚とした表情を浮かべる。
その後、パンツだけをはくと、缶ビールを運んでくる。
それを飲み終えると私の服を脱がせ、私の名前を呼びながら胸を愛撫する。愛撫というよりは揉んで舐めると言ったほうが正しいだろう。その後、自分のものを私になめさせたあと、まだ潤っていない私の中に挿入する。私が上になって動く。魅録はあえぎながら、また恍惚とした表情を浮かべている。
私は動きながら、感じているふりをする。
そうしないと、魅録に『どうした?』と尋ねられる。感じていないから、とはまさか言うわけにはいかない。
最初の頃は、私自身が感じていなくとも、魅録が私に感じてくれているのが嬉しかった。けれども今は、そのことに対して、大して喜びを感じていなかった。
私は魅録を愛している…はず、なのだが。

魅録が私の中に放出し、一通りの行為が終えると、呼吸を整え私を抱きしめた。
「最高だ…。野梨子…。」
ぽつりと呟き、私を抱きしめる腕に力をこめた。
肌にふきでている汗がじっとりと私の肌を覆う。
「シャワー、浴びて来ますわね。」
私は魅録の腕から抜け出るとバスルームに向かった。
私も魅録もシャワーを浴び終え服を着替えると、私はお茶をいれた。
「野梨子…。」
改まった調子で魅録が私の名前を呼んだ。
「何かしら。」
「今すぐと言う訳ではないんだが、俺と結婚しないか…。」
予想外の話しに私は驚いた。
「驚くのは無理ないよな…。」
「ええ、急でしたから。それに…」
「それに?」
「私で、よろしくて?」
本当は私でよいか、なんて聞くつもりはなかった。プロポーズされたら嬉しいだろうと思っていたが、実際されてみるとあまり嬉しくなかった。魅録はそんな私に気付いた様子もない。
「ああ、もちろん、野梨子がいいんだ。」
「子供もおりますし、私は仕事もしてますわ。」
「俺は、子供は好きだし、もちろん全てを承知の上、申し込んでいるんだ。」
魅録の言葉に違和感を感じる。
どうして違和感を感じるのか、自分自身、理由はなんとなくわかっていたが、私はそれについては目をつぶることにした。
「少し考えさせて下さいな。思春期の娘もおりますのよ。」
「ああ、いい返事を期待してるよ。」
私は曖昧に微笑んだ。
魅録との結婚生活には魅力を感じず、色褪せて見えていた。

それから一月が過ぎた。
私と魅録の間は相変わらずだった。プロポーズの返事は引き延ばしていた。
そんなある日、私は自身の身体の変調に気付いた。
そして、魅録と一日一緒にいて、薬を飲み忘れた日があったことを思いだす。
私自身の今後について決断を迫られてる…。

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野梨子、冷静です。ちょっと美童との対比を書きたくて、行為の最中まで微妙にぼかしながら(ぼかされてない?(苦笑))書いてます。
ちなみに、魅録はマグロ男くんがモデルです。・・・魅録ファンには申し訳ないですが。。。