青みかんと準惑星

小ネタ乗せようかと思ってます。
時々二次系の下書き・・・

STARS 2

2011-12-25 20:53:53 | 二次系
青天の霹靂…というか、なんというか。
こんなこと(偶然)があるんだ…と、心底びっくりした。
あたしがドアをあけて病室を出たところで、すれ違いざま医師と看護師が病室に入ってきた。
初老の医師の後ろに、あたしがとても好きだった…、彼がいた。
あたしは、思わず、彼を凝視してしまった。
彼もあたしに気づく…。
驚いて、目を見開いていた。
「悠理…」
あたしは呼びかける彼の声にすぐに答えることができなかった。
動揺を抑えるために軽く深呼吸をする。
1回、2回…。
「清四郎…」
あたしが答えると、清四郎は微笑んだ。
「あとで…、手術が終わってから、話しませんか?」
「…うん」
「じゃあ、あとで、連絡します」
「わかった」
初老の医師は既に高橋さんと話している。清四郎は少し慌てた様子で高橋さんのところに行く。
あたしは自然と笑みが、こぼれる。
ずっと…、話したかった。
清四郎と。
本当は。


家…というか、一人暮らしのマンションに帰ってきた。
相変わらず、ごはんは作れないので…、家政婦さんが食事を作ってくれる。
もちろん、掃除も。。。
お昼ごはんを食べて、あたしはDVDを見ようと思った。
あれ…、でも…。
よくよく考えてみれば、あたしは清四郎の連絡先を知らないし…、清四郎も知らないはずだった。
わかった…とは言ってみたものの…、どうやって連絡をとるつもりだったんだろう?
せっかく話のできる機会なのに…と思うといてもたってもいられなかった。
あたしは再び病院に向かった。


考えてみれば、家を出るのが早かった。
いてもたってもいられず、思わず出てきてしまったが、手術も始まらない時間だった。
病院の近くの喫茶店に入る。
コーヒーを注文した。

透明感のある歌が、店内のラジオから流れていた。

ふと耳に止まる歌詞…。


  あなたの気持ちを想えば
  少しも笑顔がでないと
  叶わぬ愛なら夢なら
  星へと願いを託すと


あたしはずっと不安だった。
清四郎が、あたしのことを好きだったのかって。
あたしの想いは叶わないものだと思っていた。


  君の声を君の夢を
  笑い顔を忘れながら
  何処かここか今か過去か
  光る星を見上げながら


声も笑顔も何もかも、あたしは忘れたかった。
清四郎のことなんて。

大好きだったから。

清四郎にふさわしい女性でありたかった。
違うというのは、わかっていた。
だから、清四郎に合わせるという形で、清四郎に近づきたかった。


いつの間にか、あたしの目からは涙があふれていて、あたしの手に滴り落ちていた。

もっと早く、清四郎とちゃんと向き合えばよかった。
清四郎と一からやり直したい…。


午後5時を過ぎて、あたしは病院に向かった。
清四郎と会うために。
空はすっかり、日が落ちていた。
暗い道に星が光っている。
星を見上げながら、あたしは気持ちが少し落ち込んでいることに気づいた。
清四郎にこんな気持ちで会えるんだろうか?

携帯が鳴る。

知らない番号の着信だったが、出た。
「はい」
「悠理ですか?」
…清四郎だった。
「うん」
清四郎があたしの番号を知っていたことに、あたしは驚かなかった。それほど、気持ちが沈んでいた。
「万作さんに、番号を聞いたんですよ」
あたしとは対照的に、清四郎は明るい声で言った。
「悠理、会えますか?」
「…会える、いま、…病院の敷地内だ」
「そうですか」
言いながら、清四郎の声は笑いを含んでいた。
「じゃあ、1階のロビーで待っててください。すぐに行くので」
あたしの様子なんて、全く気づいていないようだった。
あたしはそんな清四郎が少しおかしくて、笑ってしまった。
結局、落ち込んでいたとしても、それは、あたしだけの問題で、清四郎の問題ではない。


1階のロビーは真っ暗だった。受付が終了したので、あたり前だったが。
なんでこんなところで待ち合わせないといけないんだろう…とあたしは不満に思った。
一体、いつまで待たせる気だ…。
清四郎を待って、30分近く経った。
いい加減、待ちくたびれた。
「悠理…、すみませんね。待たせてしまって」
白衣を脱いだ清四郎は…、昔から変わっていなかった。
昔から、あやじくさかったから、そんなもんか…。
「大人になりましたね」
そういって、清四郎は微笑んだ。
「あたり前じゃないか、もう何年経っていると思っているんだ」
「そうですね、確かに」
清四郎がよく微笑(わら)う。
あたしもつられるように笑った。
「これから、食事くらいする時間、ありますよね?」
「うん」
「車できているので、病院を出ましょう」
「了解」
先に歩く清四郎の後ろ姿をみながら、もう一度、高校生のときのように、清四郎と話しができるようになるかもしれないと思った。
何もなかったころのように…。


一緒に建物を出て、駐車場に向かって、歩いた。
星が降ってきそうなくらい、光っていた。
月がなかったから、余計に光って見えているのかもしれない。

 君の声を君の夢を
 笑い顔を忘れながら
 何処かここか今か過去か
 光る星を見上げながら

頭の中に、さっきの歌が流れる。
切ない想いが、胸を締め付ける。
「あたしさ…」
誰に言うでもなく、あたしはつぶやいた。
「清四郎のこと、ずっと好きだったんだ」
正面を向いているので、清四郎の顔は見えなかった。
清四郎は何も答えない。
「高校生のころ…、あたし、お前に告白したことがあったよな、覚えているか?」
「覚えていますよ」
「あたしたち、一瞬、つきあったろ?」
「そうですね」
清四郎の声が少し暗くなる。でも、それ以上、何も言わない。
「あたし…、あのとき、清四郎に嫌われたくないって、思っていた。清四郎が、あたしのことを本気で相手にするはずもないって、思ってたんだ…。清四郎のことを好きすぎて、ずっと不安で…。だから、言いたいことも言えなかった。清四郎のことを想えば想うほど何もいえなくなっていた…」
そこまで言って、あたしは立ち止まり空を見上げた。
今にも、星が落ちてきそうだった。
星に願いを託す…か。
あたしの願いは…。
清四郎ともう一度、普通に笑って、話しをしたい。
それだけだった。
でも、せっかく普通に戻るところだったのに、昔のことをこんな風に清四郎に話してしまってどうしたらいいのか、わからなくなってしまった。
星はあたしの気持ちとは関係なく輝いている。
「悠理」
静かな声で清四郎があたしを呼んだ。
「僕も、不安でしたよ」
びっくりして思わず、清四郎のほうを見た。
「どうして?」
「悠理が”清四郎に合わせるよ”しか、言ってくれなくなったから、嫌いなったのかと思っていました。僕も不安で…。こんな風に不安になるんだったら、前の関係に戻ろう…と思って、やめましょうと言った。でも、元の関係にも戻れませんでしたね」
さびしそうに笑う。
「そうだな…、あたし…というか、あたしか。清四郎のことを避けていた。どうにもならないと思っていたから」
「僕も悠理に会うのが怖かった。また話しができないのかと思って。悠理がいつもどおりに笑って、好き放題やって…というのが、僕は好きでしたから」
クスリとわたしは笑った。
「自分勝手の極みみたいだな、あたし」
「そうですよ」
清四郎はあたしの手を取った。
「何?」
びっくりして、あたしは清四郎を見た。
「寒いから…、早く、おいしいものを食べにいきましょう」
「そだな」
あたしは返事をした。
手をつないだまま、駐車場に向かう。
清四郎の手は、温かかった。


******

じんじゃーさま、冬フェス、お疲れ様でした。


ところどころ出てきてた歌詞は、STARS という曲からです。
http://www.youtube.com/watch?v=5BprzEzJPfU


クリスマス前までに・・と思っていたので、イヴ設定で昔話の告白予定だったんですけど、イヴが過ぎてしまったので、やめました・・。

STARS

2011-12-23 23:14:16 | 二次系
あたしは高校を卒業して、大学に入学するまでの少しの間、清四郎とつきあった。
つきあったといえるかどうか、わからないけれども…。

あのとき、あたしはとても子供だった。
そして、清四郎のことが、大好きだった。
好きすぎて、…好きすぎて、失敗した。


あたしが清四郎のことを大好きだと気づいたのは、清四郎が一人違う大学を受験したと聞いたときだった。
清四郎は一流大学の医学部を推薦で受験した。
このまま、一緒の大学にいくんだとばかり思っていた。
あたし以外の仲間も誰も知らなかった。
あたしだけではなかったことに安堵したけれど、かなりショックだった。
清四郎の受験を知らなかったことについて…。
あたしはそこで初めて清四郎のことが好きだと気づいた。
高校で、清四郎を見かけるたびに、視線で彼の姿を追っていた。
意識するまでは簡単に触れることができていたのに、簡単に触れることさえ、できなくなっていた。

卒業式が終わって、生徒会室に集まって、6人で最後の写真を撮った。
2列に並んで。
前の列の真ん中には清四郎、右に可憐、左に野梨子。あたしは2列目の真ん中で、右は美童、左は魅録。
あたしの前に、清四郎がいた。
あたしは…、清四郎のにおいを感じながら、写真に写った。
こうして、ここで写真を撮るのも、こんなに清四郎を近くに感じるのも、最後なんだ…と思うと、なんだか、悲しくてあたしはなきそうな顔をしながら、写真に写っていた。

写真を撮り終えてから、あたしたちはすぐに6人で旅行をした。
3日間の温泉旅行だった。東北の日本海側の、雪の深い温泉宿だった。
清四郎が旅行を終えたらすぐに一人暮らしの準備をするというので、近場の旅行だった。

あたしは2日目の夜に清四郎に言った。
みんなが飲んだくれて、騒いでいるときに、清四郎をお風呂に行く途中の階段に呼び出した。
「なんですか?」
いつもながら、そっけない感じであたしに聞いてきた。
「あたしとつきあってほしい」
ドキドキしながら、あたしは清四郎に言った。
「つきあう?」
きょとんとした顔で、清四郎はあたしに言う。
そんなことを聞かれるとは思わなかったので恥ずかしくて、体温があがる。
「そう!あたしと…つきあってほしいんだよ!」
ようやく、あたしが何を言ってるのか、清四郎は理解したようだった。
「”つきあう”という意味がわかってますか?」
笑顔を向ける。
「わかってるよ」
怒ったように答えると思案顔で「…まあ、いいでしょう、つきあいますか」と言った。
「おう!」
いまから喧嘩でもするかのように、あたしは答えた。
そして、あまりの照れくささに「このまま、風呂に行ってくるよ」と言って、逃げた。
その後、のぼせて、ふらふらになって、部屋で寝た。
告白だけして、この旅行はそのまま、終わってしまった。

一応「つきあう」関係になったけど。
「つきあう」ことが、どういうことなのか、あたしにはわかっていなかった。
「つきあう」ことになってすぐに、あたしは清四郎と二人で、春を感じに伊豆・熱海方面に行くことにした。
もちろん、日帰りで。
清四郎が車を出した。
「梅の花が綺麗に咲いてますよ、たぶん」
明るい日差しを浴びながら、運転中の清四郎がいう。
「うん」
心はウキウキしているのに、清四郎の隣にいるだけで、ドキドキしていた。
あまりのドキドキ加減に、口から心臓が飛び出すかと思って、話しもできなかった。
清四郎がたくさん話しかけてくれるのに「うん」とか「そうだね」とか「清四郎が決めていいよ」とか…。
全く主体性のない答えばかりを返していた。
そしてあたしが許容できれば、清四郎の好みに合わせようと思っていた。
だから、お昼なんかも、清四郎の食べたいもので…といって、こってりしたから揚げ系が食べたかったけれども、清四郎がおいしいといっていた和食のお店に入った。
そこのお店は、おいしかったから、たくさん食べたけど、あたしはちょっと満足していなかった。
そんなのも、顔に出ていたのかもしれない。
普通だったら、お昼を食べて、海を見て…なんてデートコースになるんだろうけれども、そんなあたしの反応に清四郎は疲れてしまったみたいで、お昼を食べてから、そのまままっすぐ東京に帰ってきてしまった。
車の中では、あたしはずっと窓の外を見ていて、終始無言だった。
家に帰ってから、疲れてしまって、そのまま寝てしまい…、清四郎からの着信にも気づかなかった。
清四郎と会うとどきどきしすぎて、疲れる…。
あたしの意識の中に、そんな思いが芽生えていた。
清四郎に会いたくなかった。本当はすごく会いたかった。声を聞きたかった。
でも、電話しても何を話したらいいのか、わからない。
清四郎が好きな話をあたしはできない。
清四郎は毎日電話をくれるが、あたしは思うように話せなかった。
思うように話せないから「清四郎に任せるよ」「いいんじゃない」という答えばかり返していた。
そして、「つきあう」ことになってから二週間後、あたしは清四郎に電話で振られた。
「つきあう気がないのなら、もうやめましょう」
冷たい声だった。
「そんなことない!」
あたしは全力で否定した。
「でも、僕と電話してても楽しそうじゃないですし…、それに、…僕と全然会おうとしないじゃないですか。やっぱり、伊豆が、楽しくなかったですか?」
「そんなことなかった!楽しかった!!」
否定すれば否定するほど、嘘っぽく聞こえていたのかもしれない。
「あの日の電話にも、出てくれませんでしたしね。そのあとも、電話もくれなかった」
悲しそうな声で清四郎は言った。
返す言葉がなかった。
返す言葉がないまま、電話を切られた。

あっさり、あたしは清四郎に振られた。
仲間の誰にも知られずに付き合って、そして、別れた。
言葉だけの付き合いだった。


別れた翌日に、あたしは即、旅に出た。
雪山に上って、…といっても、剣菱の別荘のあるところだけれども。
雪山で、ちょっと自殺も考えた。
苦しくて。
でも、冷たい空気と綺麗な星空に、あたしの気持ちが浄化されるような気がした。
清四郎への想いがかなわないなら、あたしの気持ちを救って。
清四郎の声と笑顔を忘れさせて。
と、あたしは星に願った。
吹雪の日は、窓から雪をずっと眺めていた。
深々と降る雪が、あたしの気持ちを沈めてくれる気がした。
そんな風にして、ずっと、山に篭って、あたしは入学式まで戻ってこなかった。
入学後は毎日、毎日、スケジュール帳が真っ黒になるほど、予定を埋めた。
清四郎の声と笑顔を完全に忘れたくて。


大学生になってから、あたしにも彼氏ができた。
でも、数ヶ月と続かない。
心の中にはいつも清四郎がいた。
やっぱり清四郎のことが大好きだった。
いまでは清四郎の名前を聞いても動じなくなったが、あれから一度も会っていない。
大学に入ってから清四郎とは会わないようにしていた。
「清四郎が飲みにくる」というときは「母ちゃんと出かける用事がある」と言って、見え透いた嘘をついていたから。
そんな風にして避けていたから、薄々、あたしが清四郎に振られたことを、みんなは気づいていたかもしれない。

大学2年のときに野梨子と魅録が付き合いはじめ二人は来年結婚する。
去年、美童は病院で偶然逢った和子さんと付き合い、今年、可憐は素敵な恋人を見つけていた。
可憐と二人で過ごすクリスマスも、今年はない。


今年のクリスマスイブは、あたしは職場で過ごす。
あたしの職場は特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)だった。
大学卒業後、やることもなかったので、介護福祉の専門学校に通った。
体力だけはあるので向いているんじゃないか、と母の勧めだった。
母は「ずっと剣菱の中にいるのもいいけど、一度、外の世界に出てみなさい」とあたしに言った。
やってみると意外と向いているらしく、とりあえず1発で試験を合格した。
もう、介護福祉士になって、2年が経過する特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)。
3年はやってみよう、そう思ってはじめた。
剣菱の名はあまりに有名すぎるので、施設では母方の親戚の「佐藤」の苗字を名乗っていた。
佐藤の苗字は、あまり苗字で呼ばれない。この施設にも10人以上いる。
そのため、悠理ちゃん、と名前で呼ばれることが多かった。
だから「佐藤」という苗字を忘れそうになることもしばしばあった。
「悠理ちゃん、クリスマスツリー、そろそろ出してね」
「はい」
課長にいわれて、あたしは返事をする。
入社3年目までの20代の子達が、クリスマスツリーの飾りつけをやる。
そして、サンタの格好をして、入居者にプレゼントを配る。
毎年恒例だ。
といっても、あたしはまだ2年目だけど。
一人で毎年成長して2mになったもみの木を玄関に運ぶ。
男性で若い子がいるけれど、あたし一人で運んだほうが早い。
玄関で同僚の女の子と男の子が数人、脚立とオーナメントを準備して待っていた。
「さすがだね、悠理ちゃん」
「ほんと」
口々にいう。
あたり前じゃないか、力だけは自信がある。
心の中でいう。
「今年のサンタは・・」
同僚の女の子一人が口を開いた。
「女子は女子らしくしようよ」
「なんで?」
別の同僚の女の子が答える。
「だって、あたし、悠理ちゃんのミニスカサンタ、みたいんだもん。悠理ちゃん、美人だし」
「あ、僕もみたい!」
「僕も!」
「あたしは嫌だ」
と、反論してみたものの、同僚がクリスマスケーキを買ってくれる、というので、しぶしぶOKした。

もみの木にオーナメントを飾り終え、今日はみんなで飲みに行こう、という話になった。
あたしと同僚の女の子は介護服から女子更衣室で私服に着替える。
今日はどこにのみに行く?とか、どこの何がおいしい?とか、そんな話で盛り上がっていた。
そこに先輩女性職員が、入ってきた。
「悠理ちゃん」とあたしに声をかける。
「なんですか?」
「113号室の高橋さんが、午後すぐにタクシーでかかりつけの医者に行ったでしょ」
「ええ」
「総胆管結石で、入院したらしいわ。あしたには手術ですって」
「ええっ!!」
113号室の高橋さんはわたしの担当だった。最初に担当した方だった。
83歳のおじいさんだった。
今日の昼を食べてすぐ、おなかが痛い、気持ちが悪いと高橋さんは言ったようだった。
午後一で、他の職員がタクシーで医者に連れて行った。
結果として、総胆管結石だった。
「高齢だから、ちょっと心配よね」
「ええ、そうですね。明日、休みだから…、ちょっと様子を見てこようかな」
高橋さんのかかりつけ医に転院した先を聞いて、行くことにした。


翌日、普通にお酒を飲んだけれども、まあ、二日酔いもなかったので、あたしは高橋さんのかかりつけ医に連絡し、転院先の病院を聞いた。
今日、手術だから、会えないかも?といわれたが、心配だったので行くことにした。
午前10時にいき、高橋さんに面会した。
まだ普通にテレビを見ていた。
「元気そうだね?」
「病院きてから、痛みがおさまっちまった」
おどけたような態度をとる高橋さんに、あたしは笑った。
「今日は何時からの手術なの?」
「午後3時だよ、内視鏡での手術で結構早く終わるらしい」と高橋さんは笑っていた。
内視鏡手術の名医の先生が「俺を見てくれるんだよ」と高橋さんは言った。
検温の時間だということで、看護師に邪魔にされたので、あたしは高橋さんに「それはよかった、終わったころ、また来るから頑張れ」と声を掛けて、病室を出た。




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有閑二次 冬フェスボツネタです。



じんじゃーさま、冬フェス、もうすぐ終わりですね。
とても楽しませていただきましたよ~^^