青みかんと準惑星

小ネタ乗せようかと思ってます。
時々二次系の下書き・・・

10年目の嵐 48

2007-10-14 21:38:34 | 二次系
リサイタルの稟議がとおり、社長決済を受け実施が決定した。
早速会社の応接室で会うことになる。
長いストレートの髪、品のよいワンピース。
「初めてまして。白鹿菜々子です。」
可憐な笑顔を彼女は浮かべた。
俺はその笑顔に硬まった。
雷に打たれたような衝撃を受けた。
写真以上の衝撃だった。
「常務」
秘書に声をかけられて我に帰る。
「ああ…。すまん。よろしく」
俺は右手を差し出し彼女に微笑んだ。
彼女はにこやかな笑顔で俺の手を握った。
心臓が飛び出してしまいそうなくらい、どきどきしていた。
まるで、高校生の恋のような感じだった。

夜には食事会を行った。スタッフ数名と彼らだった。
俺は真ん中の席で彼女は斜め向かいに座っていた。雑談を少しし、酔いが回った頃に彼女に聞いた。
とてもしらふでは彼女に多弁に話し掛けることはできなかった。
「君の御実家は白鹿流の家元だね?」
「はい」
「私は君のお母さんをよく知ってますよ」
「母を、ですか?」
俺が頷くと少し驚いた顔をする。
「萌々子からはいつもお世話になってるとは聞いていましたが、母の知り合いだったんですね」
「ええ。よく知ってます」
俺は昔の野梨子の話しを始めた。
二人で野梨子と美童の話しをして、盛り上がっていた。俺の過去は言わずに。

今度は萌々子を交えて3人で会おうと菜々子とは約束し、食事会を終え、その場は別れた。
その夜、俺は萌々子の部屋に行く。
菜々子と会った話をした。
「なんか妬けちゃうな~。すっかり菜々子ファンなんだ。」
萌々子がブスッと膨れっ面をする。
「まあ、妬くな。お前にはちゃんと彼氏がいるだろう半年後には結婚じゃないか。」
「そうだけど。」
萌々子はもうじき結婚する。しかし、旦那になる奴が忙しいからこの関係は続けたいと言う。
全くもってわがままだ。
「そういう菜々子は彼氏がいるのか?」
「知らないわ。双子だけどそれほど仲良くないのよ。菜々子はお上品だから。」
「まあ、それは言えてるな。お前みたいに擦れてはいないし。」
「酷いわ。」
俺達は笑い合った。
萌々子と菜々子は本当に性格が違う。
俺はそう思いながら萌々子の下腹部に手を延ばし、いつものようにキスはせずに抱いた。俺は菜々子を想像しながら抱いていた。
菜々子が、まだ、誰のものにもなっていなければいいな、と思いながら。

菜々子を抱く機会は案外早くやってきた。
菜々子と会った3日後の夜だった。
萌々子が菜々子を家に呼んだのだ。そこに俺も呼ばれた。ピザや寿司などを宅配して貰い、飲んで食べていた。菜々子は余りお酒が強くないらしく、割とすぐに酔って眠ってしまった。
「魅録さん、送って行ってよ。」
萌々子が俺の下半身に手を伸ばしながら言う。
「こんなところで手を伸ばすな。」
俺は口頭で窘めつつもその手の動きに身を任せていた。
結局、菜々子が寝ている脇で萌々子を抱いてしまう。寝てる女のそばでその女そっくりの女を抱くと言うのも不思議な気分だった。
「これで送り狼にならないかしら、それとも一層…?」
コトが終わると楽しそうに萌々子は笑った。
ほんとに何を企んでいるのかわからないが変な女だ。
服を着て、菜々子を起こすとタクシーに乗り込んだ。タクシーの中では俺にもたれて眠っていた。優しく愛らしいその顔に触れてしまいたい思いに駆られたがそこでは堪えた。
彼女の泊まっているホテルに到着する。
実家に帰ればいいのに、ホテルをとって泊まっている。
菜々子はまだ寝ぼけており、タクシーからおりても足元がふらついていた。
部屋まで送る。
鍵を開け、中に入ると俺は菜々子に口づけた。
最初は少し抵抗を見せたが最後には俺にされるがままだった。
それでも、服を脱がされるときには、抵抗を見せた。
「君は私のものになるんだ。」
そう言いながら、さるぐつわをしてあたりに声が漏れないようにしてから、彼女を抱いた。
菜々子はこの年齢で俺が初めての男だった。
菜々子は、俺だけの、…野梨子だ。

菜々子は俺の勢いに負けたと言ったほうが正しいのかもしれないが、戸惑いながら付き合うことを了承した。
明後日菜々子はドイツに帰る。
菜々子は家族と離れて、ずっとドイツに住んでいる、と言っていた。
見送りには行けないので、ドイツで再会することを約束して、菜々子と別れた。

ある時、菜々子は、ずっと男の人と関係を持たなかった訳を話してくれた。
美童が原因だと話してくれた。
母親のことを愛していると思っていた美童が、萌々子と関係を持っていたのを、偶然、家に帰ったときに、目撃してしまった。
その姿を見た瞬間に、2人に対して嫌悪感を覚えた。
美童と萌々子の関係も知らずに、母が美童と関係を持っている姿を見て、とても哀れに思えた、と言っていた。
あの家には近づきたくない、と菜々子は言った。
だから日本に帰ってきても、少し顔を合わせるだけで、実家には帰らない。
「魅録さんは、美童と同じではないよね?」
菜々子に問われ、「勿論、違う」と答えた。
俺だけの野梨子を得た今、昔の俺とは違う。
萌々子との関係も絶ったし…。

菜々子と付き合い始め、1年が経過しようとしていた。
今、菜々子は俺の腕の中で眠っている。
今日はリサイタルの最終打ち合わせで、菜々子が日本に来ていた。
いつもどおり、ホテルを予約し、俺は菜々子と夜を過ごす。
菜々子との関係は未だ内緒だった。
リサイタルが済んだら、俺は菜々子にプロポーズをするつもりだった。
婚約指輪を内緒で購入する。
野梨子がどんな反応を示すか少し恐ろしいと思うが、俺の中では、もう野梨子とのことは終わったことだった。
野梨子とは、会う機会が一度だけあったが、結局、会わなかった。
萌々子の結婚式だ。
俺がたまたま重要な出張が入っていけなかったのだ。
だから、野梨子に会うのは、彌緑を渡されて以来ということになる。

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俺は違うといってるけど、実際は同じ・・。
この人たちスパイラル・・。

10年目の嵐 47

2007-10-10 23:47:22 | 二次系
萌々子と男女の関係になったのは萌々子が25歳の時だった。大学生を卒業し、俺の会社の系列に勤めた。クライアントと喧嘩し、ふて腐れていた時に一緒に飲みに行った時だった。
俺は彼女を抱くつもりはなかった。野梨子の容姿をしているが、明らかに野梨子ではない。
野梨子が美童とよりを戻しストックホルムにいるという話も萌々子から聞いたが、何も思わなかった。野梨子のことだから、息子のことを考えてのことだろうと思っていた。
仕方ないことだ、と思った。野梨子と俺が相思相愛だとしても、しがらみには勝てない。野梨子の家はそういう家だ。
俺は彌緑を残してくれたことに、感謝すらしていた。それは今でも変わらない。
俺は萌々子をよく食事に誘い、恋愛相談もした。いい小父さん、のつもりだった。
実際、その気もなかった。
あっけらかんと自分の男性経験を語る萌々子に、その気が起きるはずがなかった。
野梨子の妊娠中に美童と寝た、ということまで話していた。
それを聞いたときには、呆れて言葉を無くした。
そんな萌々子にその気を起こすはずがなかった。

そして、あの日。
萌々子は不規則な時間帯の仕事のため、野梨子の実家からそれほど遠くないところにマンションを借りていた。俺は泥酔した萌々子を送るために、一緒にタクシー乗った。タクシーの中で激しくキスをされる。
そのキスは、野梨子にされているような錯覚に陥った。
タクシーを下りた後、萌々子の部屋に彼女を抱えて連れて行く。
既に俺はその気になっていた。
野梨子と一緒にいるような錯覚に陥っていたのだから。
考えてみれば、この時、俺も酔っていたのだと思う。
萌々子の部屋の玄関に入るとすぐに、壁に押し付けながらキスの続きをする。俺の中でスイッチが入り萌々子をベッドに運ぶと服もちゃんと脱がさないままに抱いた。
萌々子は乱れた服装のまま、だらしない格好で、終わるや否や、眠りにつく。
俺はそれを見ながら、何故か嬉しく感じていた。
萌々子を犯したいという願望があったわけではないが、野梨子を犯して、汚したように思えた。
野梨子を恨んでいたはずはないのに、何故かそうすることに、喜びを感じた。
俺は萌々子の隣に体を横たえ、眠りについた。

夜中に体に感じる刺激で目を覚ますと萌々子が全裸で、俺の服を半分脱がして、俺の上で喘いでいた。
結局、俺は萌々子に犯されていた。
野梨子に最初に犯された時を思いだす。
やっぱり、親子だと思った。

朝起きた時に萌々子は俺にキスをしながらあっけらかんと「魅録さんとこういう関係になれて嬉しいわ。」と喜んだ。
「でもお前には彼氏いるしな…。別れる気はないんだろ?」
俺も付き合う気はなかった。
相手は萌々子だ。
そして萌々子の彼氏はとある財閥の御曹司だ。俺もよく知っている。
「ん…、そうね。別れる気はないわ。でも魅録さんさえOKなら、こんな関係もありじゃない?」
俺は苦笑した。
母娘揃って…。
俺は二番目か。
今後も萌々子に本気になることはないな、とこの時思った。

萌々子とはたびたび関係を持ったが、もちろん、周りには内緒だった。周りからすれば今までと変わらないように見えていたはずだ。親代わりの小父さん、それ以上ではなかった。恋愛感情はなかったのだから。むしろ、萌々子との体の関係はスポーツを愉しむことに似ていた。

一年半程前、グループの記念行事でソリストのリサイタルを行うことになった。
企画が決定し、人選も済んみ、各ソリスト達のプロフィールを書いたものが紙で俺の元に届けられた。バイオリン、チェロ、ビオラ、フルート、オーボエの5人と伴奏のピアニストのプロフィールだった。余りクラシックは興味がないため、何となく眺めていた。一枚目をめくり、二枚目のプロフィールを見て、思考が止まった。
服装や髪型が異なるがそこにいたのは紛れも無く野梨子だった。若かりし日の野梨子がそこにいる、そう思った。
まだ、穢れていないころの、野梨子が。
意思の強そうな目をして、まっすぐに、こちらを見つめていた。
その写真の表情に、甘酸っぱい思いが胸を締め付ける。
俺はたまらずお茶を口にした。
心臓が高鳴っていた。
この場に誰もいなくてよかったと心から思った。
誰かに見られていたら、何かを悟られてしまいそうだった。

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萌々子とは結局関係をもってしまいましたが、おかしな関係です。
そして菜々子登場。。。

10年目の嵐 46

2007-10-05 22:38:28 | 二次系
午後、可憐に誘われ、街に行く予定だった。
着替えてあたしは外に出る。未だに「相変わらず奇抜ね~」と可憐に会う度に言われる。
この10年の間、野梨子とは会うことはなかったが、わりと可憐とは会っていたように思う。親戚、としてではなく友人としてだった。可憐以外とは友人として会う事は無くなった。
可憐と待ち合わせた場所はホテルのラウンジだった。
今日は二人でホテルの上にあるレストランでランチだった。
あたしは可憐を待ちながらコーヒーを頼んだ。
ふと目の前に座っている人の雑誌が目に入る。
”白鹿菜々子チェロリサイタル”
白鹿…。
あたしはその文字に心臓が波打った。
もしかして、野梨子の娘?
年齢的にはそんな感じだった。
…野梨子はいま、どうしているんだろう?
昔、清四郎は野梨子を好きだった。でも野梨子は清四郎を選ぶことはなかった。あたしも清四郎もよく知らない男と結婚した。そしてその後は美童と結婚する道を選んだ。離婚してから清四郎に言い寄り、魅録と付き合って、美童と再婚したと聞いた。
結局美童のことを愛していたのだろうか。
野梨子のことはよくわからない。
彼女が何を目的に何を求めていたのか。
…そういえば、美童ともずっと会っていない。
元気なんだろうか…。
「悠理!」
後ろからポンッと肩を叩かれる。可憐があたしの脇を通り、「お待たせ~。」といいながら、向かい側に腰掛ける。
あたしは可憐に週刊誌の女の子について聞いてみる。
「あの子は、野梨子の子供?」
こっそり指をさして聞いた。
「あ、そうみたいね。和貴泉が後援してるんでしょ。」
ちらっと見て振り返りながら答える。
「千秋さんが先日、お義母さんのところに来てに言ってたわ。野梨子ちゃんの娘のリサイタルをやるって」
「へえ…。」
「千秋さんも驚いてたわ。野梨子そっくりみたいなのよ。」
「そうなんだ。」
「でも野梨子の子供だけじゃないわ、後援は。若手ソリストのリサイタルをシリーズとして、今やってるのよ。」
「ふうん。」
興味あるような、ないような…。
そんな様子のあたしに可憐は苦笑した。
「悠理も行ってみればいいのよ。寝ちゃうかもしれないけど。チケットはお義母さんが持ってるわ。」
「気が向いたらな。」
あたしはそういうとコーヒーを飲み干した。

可憐と食事をして家に帰ると真人が蓮の勉強を居間で見ていた。蓮は余り部屋で勉強をするのを好まない。…確かにおもちゃなどの誘惑の多い部屋ではあったが。
「真人、早かったね?」
あたしは真人に声をかける。
「少し前に帰ってきたところだよ。」
「そう。新しい家庭教師先はどうだったの?」
真人はあたしの顔を見て笑った。
なんだ?
「初の外国人!ハーフなのかな?そんな感じの女の子だよ。美羽ちゃんっていうんだ。今度高校二年生で、プレジデントに通っているんだけど、日本語が微妙に下手なんだ。彼女のお兄さんは上手なんだよ」
「それで、国語?」
「うん。家はなんとか流の家元の家らしいんだけど、日本語が下手なんだ。お兄さんがそこの家元の後継者らしくて、僕より年下だけどなかなかカッコイイよ。」
微かにいやな感じがした。
久々の野生の感か?
「へえ。なんとか流って?」
あたしはどきどきしながら真人に尋ねた。
「うん、余り興味がなかったから忘れたな…。」
「そう…。」
あたしはそれだけ言うと、自分の部屋に向かった。
なんとか流といえば、あたしが認識しているのは野梨子の家くらいだ。
でも野梨子は国語が得意だ。
家庭教師なんて雇わないだろう…。

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次は魅録です。
あれの開始後のときには魅●(ピー)にしちゃうかも(苦笑)

ちなみに、なんだか怪しげな方向に携帯の中では行ってます。

真人が今後どう絡むのか(笑)

・・・ちなみに今日は微妙に酔っ払いです。
水曜は飲み会で、更新しようと思ったんですけど、だめでした。
昨日は微妙に睡眠不足でPCに向かって少ししたら眠くて耐えられませんでした。
ええと、更新できなかった言い訳です(苦笑)