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『ホワイト・ゾンビ』最初のゾンビ映画~疫病の怪物

2010年10月29日 | 特撮
【元型】【疫病の怪物】

先日、仲間内の飲み会に行った時に、エンターテイメントにおける「吸血鬼とゾンビの眷属性」みたいな話をしていたのですが、「いや、そういう話をするなら『ホワイト・ゾンビ』は観とけよ?」みたいなツッコミを受けてしまうま。(´・ω・`)
『ホワイト・ゾンビ』ってなに?……1932年製作された“最初のゾンビ映画”と言われている作品のようです。で、youtubeから探して観てみたのですが…はあ~面白い。まあ、ゾンビが主役というワケではなく“ゾンビ使い”とも言うべきベラルゴシの演じる魔術師が主役(悪主役)なんですけどね。ルゴシの得も言われぬ、怪オーラが遺憾なく“汪溢”している楽しい映画でした。

【ホワイト・ゾンビ 1】


さて、最初に述べた「吸血鬼とゾンビの眷属性」については、またどこかでまとめたいと思っているのですが、ここではちょっとしたメモ書きをしておきます。
まあ、眷属性って何か?っていうとゾンビ映画の真祖ともいうべきジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年放映)が、世界で最後に生き残った男が吸血鬼と戦う『地球最後の男』(1964年放映)(1977年に『地球最後の男オメガマン』、2007年に『アイ・アム・レジェンド』としてリメイクされていますね)にインスパイアされて作られたという逸話の指摘なんですけどね。

それまで呪術によって使役される人形だったゾンビが、自律性と噛むことによって仲間を増やすという繁殖性……繁殖性というより“疫病性”なんだと思いますが、そういう吸血鬼の特性を持つことで、恐怖映画の一大ジャンルにまで成長しています。
つまりここで言う吸血鬼は疫病~黒死病を持ち込む妖怪としての吸血鬼であり、キャラクター化したドラキュラは、また別の存在という考え方をします。その意味で言えば本来のブードゥー・ゾンビも、魔術師のガジェットとしての存在であって、両者は、今述べている眷属性なるものからは遠い存在でしょう。

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エンターテイメントとしての吸血鬼とゾンビはロメロが繋げたと言っても良さそうですけど、僕はこれがロメロの独特のアイデア/インスピレーションとは思えない所があります。元々、この“疫病性”をもつ怪物というのは、もっと人間の根の部分に棲んでいるもので、その発想はもっと自然で人々が直感的に納得し得るものだったんじゃないかと考えます。
…そうwえ~っとw以前からこのブログを読んでいる人なら思い当たってくれるかもしれませんが、僕はここらへんに『元型(アーキタイプ)』を見出せないかと考えています。(`・ω・´)・´)・´)三
これは怪物とは言っても“英雄”が倒すべき“竜(ドラゴン)”とは明らかに違う怪物ですよね。

そもそも、ロメロは“あれ”を吸血鬼と呼ぶのを控えてリビング・デッドって言っただけで、ゾンビという言葉が持ち出されるのはその後の事ですよね。
もしかするとゾンビという単語を引用せずに、グール(食屍鬼)、あるいは“魍魎”などと得体の知れない言い回しをした方が“あれ”を表すには近かったかも…と思ったりします。(もっと黙示録予言に近い存在と思ったりもしますが)

さらに話を広げると、むかし、手塚治虫先生が『ドン・ドラキュラ』の単行本に「世の中景気がよいときは、フランケンシュタインの人気がよく、不景気になるとドラキュラがはやる事になっているそうです」とか書いて、連載をはじめたらしいのですが………他でそんなジンクス聞かないんですよねえ?(汗)
ホントなのかなあ?ああ…でも、ドラキュラの方は吸血鬼≒ゾンビと考えればわりとそんな事もある?大体、『ドン・ドラキュラ』の連載中に『ゾンビ』がやっていたもんな……。いや、これ『アーキタイプ』と絡めた考え方なんですよね。

…とか取り留めもなく書いていたら、けっこう話が長くなったので、ここまで。もうちょっといろいろ詰めてまた機会があれば。


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1 コメント

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その節はどうもです (modstoon)
2010-10-30 12:54:42
なんかタイムリーなニュースがありました、「ゾンビウィルス」だそうです
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101028002&expand#title
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