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『美女と液体人間』~いずれ燐光人間の話なんかもしたいんですけどね。(´・ω・`)

2011年06月20日 | 特撮


『美女と液体人間』(1958年公開)レストア。ちょと観直してみました。『美女と液体人間』は麻薬密売に関係したギャングたちの間で怪奇事件が起こり、ギャングを追っていた捜査陣がやがてその怪奇事件が、アメリカの水爆実験の影響で人間が変化した液体人間の仕業である事をつきとめて行く物語。最後に、液体人間たちは付近の住民を非難させた下水道にガソリンを流しこみ火炎によって全滅させられます。

……最初、ギャングもの的な展開があるのですが、あんまギャングに対する因縁とかはないですね。あんま関係ない(汗)たまたま、麻薬密売を追っていた刑事たちが、液体人間の存在に気づいたという…。あとタイトルになっている美女も関係ないですね。ギャングの経営する店の踊り子や、情婦が“美女”ですよ~という。あんま関係ない(汗)ん~なんかこの頃、あんま関連なく色々盛り込んでるな~って感じの映画シナリオ多いのですけどね。
まあ、なんかエロスな衣装を着た踊り子さんとかが、悲鳴と共にドロドロの液体に襲われたりして、なんかちょっとエロイよね…っていう。(=´ω`=)そんな感じの映画で、クラブのショーに合わせて、ギャングたちが刑事たちに逮捕されながら、一方で液体人間に襲われるっていう中盤あたりの展開が見応えあって、ここが見所ですね。
この頃、続いて作られた『電送人間』(1960年公開)、『ガス人間第一号』(1960年公開)といったその後、変身人間シリーズと言われているんでしょうか?…のシリーズは、かなりアダルトな、なかなか良い雰囲気の『物語』なのですが、まあ、その後あまり特撮畑で作られてはいませんね(ポツポツとはあるんですけどね)。何だかんだ言って、日本では大人向けは文芸的なものが、強い…………のかも?(ぼそっ)

…それにしても、他意なく観たのですが、そういえば核実験の放射能で怪奇人間化した話だったなあ…。まあ、あんま時事に触れてもよくないので、そっち方向へのコメントは控えますが…。劇中で登場する第二竜神丸~これが日本に流れ着いて液体人間を上陸させたようなんですが~当然ながら、ビキニ環礁沖の水爆実験に遭遇して被爆した“第五福竜丸”をモロに模しています。

日本人が再び核の脅威にさらされた、この第五福竜丸の事件は、当時相当な衝撃を呼び、エンターテイメントの世界でも様々なこの事件に関係した『物語』が作られました。もっとも有名なのが、その後、長大な劇場シリーズとなる『ゴジラ』(1954年公開)ですね。第五福竜丸事件が1954年3月1日の事で、ゴジラの公開は1954年11月3日ですから、なんとその年の暮れには公開。当時の邦画の制作反応の速さが分かります。
また、手塚治虫先生の『鉄腕アトム』でも、同じく1954年の少年付録で『サンゴ礁の冒険』が発表されています。アトムが、怖がる心を持つ装置を取り付けたまま、南の海の冒険に飛んで幽霊船に遭遇する話なんですが…。まあ、この幽霊船が件の船なワケです。

また洋画でも第五福竜丸の悲劇に直接の影響はないでしょうけど、1953年公開の『原子怪獣現わる』、1954年公開の『放射能X』なんて作品が生み出されています。いずれも、核実験により恐竜、巨大蟻が現れる話です。
…まあ、このブログは…というか僕は、『物語』とエンターテイメントの歴史の話に終始してしまうのですが、この頃は核実験に着想を得たSF/特撮映画のラッシュになっている所があります。これがしばらくして60年代に入ると、宇宙開発時代に着想した『物語』が隆盛となってきますよね。…これもまた一面を言ってしまえば、米ソ冷静における大陸間弾道弾戦略構想の技術確立のための競争だったと言えますね。


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2 コメント

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Unknown (ロヒキア)
2011-06-20 11:53:26
『美女と液体人間』は、割とその前の『透明人間』と同じでエログロ系というか退廃美みたいなモンがあって、『電送人間』や『ガス人間第一号』とは違う毛色なんですね。

題名に“美女と…”と付く辺りもどちらかというと新東宝臭いかなー。

やっぱ「液体人間」の“個人”を描いていないせいでしょうか?でも『マタンゴ』になると、液体人間に似たカラーが再浮上するんですね。

ボーっと幽霊船の上に立つ発光するゲル状の人間という画が好きですネ。
Unknown (LD)
2011-06-22 00:39:43
Re:ロヒキアさん

『透明人間』(邦画)は退廃というか乱歩怪人的なイメージを持ちましたね。道化師やってたりするあたりも含めてw
『マタンゴ』はかなり『美女と液体人間』な感じがするというか、退廃的、享楽的(?)なのはあれという感じですね。変身人間シリーズに入ってないようなんですけど、かなり変身人間な感じがしますw

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