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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

うっかりミス エアコンの消し忘れ 水風呂 熱湯風呂

2009-02-06 11:47:12 | Weblog
朝、書斎の扉を開けると空気が暖かい。あっ、またやった、と思った。前日の水曜日は一日外出していて、夕食後は韓国大河ドラマ「ソドンヨ」を楽しみ、書斎に引っ込んだのは午後10時頃だった。一日部屋を空けていたものだから冷え切っており、エアコンとデスクの下の小型ハロゲンヒーターのスイッチを入れた。ブログの記事を書き終えて投稿を済ませたらもう木曜日になっていたので、パソコンとハロゲンヒーターの電源を切り、部屋の電灯を消して部屋を出たが、エアコンのことはすっかり忘れていたのである。たまたまエアコンが休止状態になっており作動音もしなかったので気づかなかったのであろう。

エアコンの消し忘れはもう何回もやっている。それでも木曜の朝で良かった。もし金曜の今朝のことなら消し忘れを必ず妻に見つけられることになる。ゴミの日なので起きがけに私の部屋のゴミを集めに入ってくるからだ。見つかるとお小言を喰う。確かに電気代の無駄遣いではある。でも本人の私が反省しているのに小言は余計なお節介である。今回は反撃の材料もあったので小言には逆襲できたのであるが、でもやっぱり見つからなくてよかった。

反撃の材料とは妻のうっかりミスなのである。

数日前、風呂が沸いたというので入ろうとした。浴槽の覆いを取ったところなんだか様子がおかしい。湯気が出ていないのである。しかし壁の操作盤の表示は正常である。いや、おかしい、浴槽の温度設定が44度になっている。わが家の決まりは43度なのである。これでピンと来た。妻が操作を間違ったのである。

わが家では湯船の水は二日にわたって使う。毎日水を換えるのが勿体ないからである。そうすると前日の残り湯を使う時は操作盤の扱いが少し異なり、まず電源を入れてから「自動」のボタンの代わりに「あつく」と記された追い焚き用のボタンを押すことになっている。そのボタンがちょうど温度設定用のボタンの横に並んでいるので、妻は「あつく」を押したつもりで温度設定用のボタンを押したのであった。このように私は冷静に判断をして湯船に飛び込むこともなく、ふたたび脱いだものを身にまとい事なきをえた。私の推理を妻が心から納得したようには見えなかったが、私を寒中に素っ裸にした事実は残るので、これが私の持ち点になっているのである。

このようなうっかりミスならあまり実害はないが、危ないうっかりミスもある。

京都に移って間もない頃であったが、私の敬愛する某先生が目をらんらんと輝かせて、まるで仕事のディスカッションを始めるような調子で「夕べおおごとでなぁ。家内が熱湯に飛び込んでしまって・・・」と話を始めた。その頃は家庭風呂に温度設定のような便利な機能は備わっていなかった。適当に見当をつけて湯を沸かす。上面の湯が結構熱くても底の方はまだ冷たい場合もあり得る。湯船につかる前は必ず湯の全体をかき混ぜて温度を確かめて入ったものである。ところがご令室は何か考え事でもされていたのだろうか、沸きすぎた湯をたたえている湯船にそのまま入られたようなのである。かなり広範囲に火傷が広がりその様子を科学者の観察眼で先生は説明をされる。「ワギナまで火傷をして・・・」と話が続いて、なるほど、医者はそういう表現をするのか、と感心しついでに「伊耶那美命(いざなみのみこと)ですね」と軽口をたたきそうになって、慌てて口をつむんだことを覚えている。伊耶那美命はそれが元で命を落とすことになっているので、縁起でもないと自制が働いたのである。

ちなみに、古事記には伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命が国生みに続いて八百万の神なのであろうか、神生みを始める。伊耶那美命が《火之夜芸速男神(ひのやぎはやをのかみ)を生みき。(中略)この子を生みしに因りて、みほと灸(や)かえて病み臥せり。(中略)伊耶那美神は、火之神を生みにしに因りて遂に神避(かむさ)り坐(ま)しき。》と出てくる。ほとの火傷で伊耶那美命が身罷るのである。戦前・戦中世代にはこのような「神話」は身近なものだったのである。

うっかりミスとかど忘れはままあることだから、実害のない限り、また人に迷惑をかけないのであれば、あまり気にしないのが大人の生き方だろうと私は思いたい。


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