日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

病室での安らぎ

2011-07-29 16:41:08 | Weblog
入院してから一ヶ月以上過ぎた。その間いろいろと事態は大きく変化したが、病室生活にすっかり慣れてしまった。一番大きな変化と言えば実に大勢の病院のスタッフと接触することであった。特に感銘を受けたのは日常最も接触することの多い看護婦さんである。一日三回の検温、血圧測定などに加えて細々とした諸々の雑用をすべてこなしてくださる。夜中も何回となく見まわっているようで、ポータブルトイレを使っている時は夜中でも何時の間にか綺麗になっている。

その看護婦さんがみな若いのである。私の目はあまり当てにならないがせいぜい四十台前半までのようである。おそらく一日三交代であろう、私もすでに十人以上の看護婦さんの名前をしっかり覚えてしまった。そして奇跡のように感じたのが身体の状態など全てを包み隠すことなく話せることなのである。相手が妻だと少々の身体の不調を滅多に口にすることはない。余計な気を遣わさないためである。ところが看護婦さん相手だと気にかかること疑問に感じることを詳細に説明しながら訊ねる。便の状態の変化なども臆さずにたんたんと説明する自分に驚いてしまう。まさに己を無にして看護婦さんと向かい合っているのである。私にとってこのような経験は生まれて始めてであった。どの看護婦さんに対してもそれは変わらない。そこに生まれる心の安らぎは赤ん坊に舞い戻ったかの様な気分に相通じるものがある。

一度「有難う」という代わりに、「オギャー、オギャー」と言ってみようかしら。