どうやら当地域では新型インフルエンザの流行期に入ったようです。
ある病院では1日で50人もの陽性患者が出たとか。
私のクリニックでも呼吸器科を標榜しているので、毎年インフルエンザの患者さんが多く来院しますが、先週あたりから新型と思われるA型陽性患者が増加しています。
幸い、タミフルを早期に服用していただくと、皆さん元気に回復されています。
報道されている重症例は数日のうちに呼吸不全を来たしており、サイトカインという物質の一つであるIL-6が異常に増加する、いわゆるサイトカインストームという現象が起こっているようです。
心臓外科医をしていたとき、手術の後に重症感染症を併発すると、急に呼吸不全を起こすケースを経験していますが、これも感染を契機としたサイトカインストームで、残念ながら不幸な転帰をとることも少なくありませんでした。
どういうコンディションの人に新型インフルエンザが感染すると、サイトカインストームが起こるのかがわかっていないことが事態を深刻にさせています。
しかし、それが起こる確率は極めて低いので、あまり神経質になることはないと思っています。
私は上述したとおり、毎日多くの新型インフルエンザの患者さんを診察していますが、私を含めクリニックのスタッフは全員感染していません。
日頃から感染対策の勉強会をクリニック内で開催したりしているので、スタッフの感染に対する意識がしっかりとしているからかもしれません。
参考になるかどうか分かりませんが、とにかく、うがい、手洗い、マスク、換気という物理的手段をフルに活用し、同時に宿主(本人)の免疫を低下させないよう睡眠時間を十分に確保することが肝要かと思います。
先日も徹夜マージャンの後に感染した人がいました。
どんなに流行しても、自分は感染しないという意識というか意志を持つことが大切です。
(OLYMPUS E-300 / LEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm/F3.8-5.6 ASPH)