MAXIM'S DE KOBE

Presenting pictures & monologues

万年筆

2006-04-30 | Weblog

私は大学の4回生頃までは講義では鉛筆でノートをとっていたのですが、私のノートは思いつくままにごちゃごちゃと汚い字が散乱する、私にしか読めない代物でした。
5回生になって講義の内容が高度になり、時には自分でも何を書いているのかわからなくなるに及んで、万年筆で書くことにしたのです。
万年筆だとていねいに書かないとノートがインクで塗り絵のようになってしまいます。まともな字を書くには万年筆が一番と考えたわけです。

それ以来、医者になってもほとんどの同僚がボールペンでカルテを書いていたのですが、私だけはいつも万年筆を使っていました。
この10年ほどはパリで買ったブルーのウォーターマンの万年筆を愛用していました。
写真は昨年末、お世話になった病院の院長から送別の品として頂いたものです。
モンブランのマイスターシュテュックという万年筆で、さすがにペン先が柔らかく書き心地は最高です。
院長先生は開業するために退職する私に、「これでたくさんのカルテを書いてください。」といって、万年筆を贈ってくださいました。
私の診療所は電子カルテを導入したので、万年筆で字を書くことはないのですが、法科大学院の講義ではこの万年筆が大活躍しています。
こんな贅沢な万年筆でノートをとっている学生はあまりいないと思います。笑
大切に使っていきたいと思います!

クンシラン

2006-04-25 | Weblog

写真のクンシランは亡くなった祖父が庭で育てていたものです。
その後、母が手入れをして毎年きれいな花を咲かせています。
祖父が亡くなってから35年も経ちますので、このクンシランはとても長寿といえそうです。



診療所の前に置いていますが、春の陽光が注ぐ中、独特の鮮やかな色を放っています。
35年前の春にも、このような凛とした生命力を感じさせる花を咲かせていたのでしょう、きっと。


もうすぐゴールデンウイーク

2006-04-22 | Weblog

もうすぐゴールデンウイークです。
今年のゴールデンウイークは医者になって初めて暦どおりに休めそうで、とても楽しみにしています。

この時期になると思い出すのが、今から15年ほど前のゴールデンウイークのこと。
その年、私は1月の元旦から4月の末まで、マジで1日も休まずに働いていました。
当時、月水金と心臓の手術があり、金曜日の手術の担当医になると、手術が終わっても引き続きICUで徹夜の患者管理を行い、土日は患者の処置や家族への説明のために出勤。月曜日にはまた手術、というようなサイクルで毎日が過ぎていました。

ゴールデンウイークの直前にも手術があったので、ゴールデンウイークも毎日出勤するつもりでしたが、せめて1日ぐらいは休暇を取ろうと思い、確か5月の5日だったと思いますが、朝から病院には行かずに、外出することにしました。
彼女と琵琶湖方面にドライブに行くことになり、名神を滋賀方面に走りました。
あいにく、ゴールデンウイークの最終日ということで、京都南インターあたりから延々50キロの大渋滞でした。
瀬田の辺りでポケットベルが鳴りました。
当時は携帯などはなく、仕方ないので最寄のインターで降り、公衆電話を探しました。
病院からの呼び出しで、数日前に手術した患者の状態が芳しくないので、家族が説明を聞きたいと待っているということでした。

そのときの車内での会話を思い出すままに再現すると・・・
「病院に戻らないといけない。」
「なんで?当直の先生がいるんでしょ。何のための当直なの?」
「担当医の自分が説明しないと家族が納得しないんだろうな。それで困って連絡をしてきたのだと思うよ。」
「1日も休まずに働いてきたのに・・・。1日ぐらい仕事から解放してもらえないの?」

当時は戻って当然だと思っていました。
でも、今考えると、彼女の言ったことはもっともなことだと思います。
患者や家族には患者の状態について、説明を求める権利がある。
こちらも説明をする責任がある。
しかし、同時にこちらにも休息を取り、プライベートを楽しむ権利があったはずです。
「命の重さは何物にも替え難い・・・」という荘厳な(?)フレーズには何の抵抗もできずに、「休む権利」などを考えたことはなかったのですが、一般企業のOLである彼女には奇異に思えたのでしょう。

さて、それからが大変でした。
名神は上りも下りもビクともしない大渋滞。
そこで、JR線の最寄り駅まで行って、そこから電車で大学病院まで戻ることにしました。
彼女の怒りは凄まじいものでした。
「車を近くの駐車場に置いて一緒に電車で戻ろうか?」
「何で私までが病院に戻る必要があるの?」
「・・・・・」
「私が車を運転して帰るから、お先に電車でどうぞ。左ハンドルは生まれて初めて運転しますけど・・・」
その間も何度も病院からポケベルが鳴り、仕方なく私だけが先に戻ることにしました。

あれから15年近くが経ちました。彼女は今どこでどうしているかは全くわかりません。
ただ、ゴールデンウイークが来るたびに、あるいは「心臓外科医」という言葉を見聞きする瞬間に、ひょっとしたらあの忌まわしいゴールデンウイークの1日を思い出しているのかも知れません。

今年のゴールデンウイークにも同じような悲惨な経験をする医者がたくさん居ることでしょう。
でも、やはり患者さんのことを第一に考えて頑張ってほしいと思います。
その積み重ねが「いい医者」を造ることになると思うから。
もちろん、彼女も大切に!

木蓮

2006-04-18 | Weblog

診療所の小さな庭にある木蓮です。
待合室の窓から見えるように植えたのですが、道を歩いている方からも
「いい色の木蓮ですね!」と声を掛けてもらったりしています。



以前に住んでいた家の庭にあったものを移植したので、今年は花が咲かないかなと思っていたのですが、見事に開花してくれました。
患者さんだけでなく、私にとっても癒しの花となっています。

ジェネリック

2006-04-16 | Weblog

最近、ジェネリック医薬品の宣伝が盛んに行われています。
特許が切れた薬品を他社が安く製造して販売するものです。
自動車でいえば、例えばトヨタがクラウンという車を開発して500万円で販売し、特許が切れた10年後にさほど有名でないメーカーが200万円ぐらいで販売するといったところでしょうか。
最もコストのかかる開発費が削減できるので(車でいえば設計図の作成など)、当然製品は安く出来上がるのです。

ただ、製品の情報やメーカーの説明を聞くとジェネリック製品は元の製品と全く構造が同じではありません。
そのあたりをどう考えるかでしょう。
アメリカなどは安ければそれがいいという考えが徹底していて、ジェネリック医薬品が浸透しています。

私の診療所ではジェネリック医薬品は扱っていません。もちろん、患者さんが希望すれば院外処方箋を発行することはできます。
私は診療所で使う薬は厳選しています。基準は自分の今迄の経験から効果、副作用を確認できているもの、及び知人の各科専門医から推薦のあったものだけを採用しています。
安いジェネリックといえども、使ったことがない医薬品については責任をもてないというのが私の考えです。

私が医者になって間もない頃、ある新薬を飲んだ20台の女性が副作用で全身の皮膚が剥脱するスティーブン・ジョンソン症候群という恐ろしい状態になったケースを見たことがあります。
幸い助かりましたが、一時は危篤になり、数ヶ月間の入院を要しました。

他にもある薬を注射した途端に心停止を起こしたことがあります。
ICUで起こったことなので救命することができましたが、一般の病棟や外来で発生していたらどうなっていたことやら。
坐薬を使った直後に血圧が50まで低下してショック症状を起こした患者さんを治療したこともあります。
このように薬というのは恐ろしい副作用を持っていることも忘れてはなりません。

こういうさまざまな経験を通して、薬はやはり医師が責任を持って厳選し、処方することが大切だと私は思うのです。
使ったこともないジェネリック薬品を安いからといって処方することが本当に患者さんのためになるのか、そういう疑問を持っています。


エース

2006-04-14 | Weblog

タイガースのエース、イガー君が完封しました。
今年はあのボサボサ髪を切り、外見も引き締まって見えますが、投球の内容も安定しており、今年はやってくれそうな予感がします。
この投手の生命線は右打者の外角低めへのストレートと、ストレートと同じフォーム、タイミングで投げるチェンジアップ。
今夜の試合では両方ともビシッと決まっていました。

まあ、このお方にはいつも期待をしては裏切られていますので、まだまだ信用はできませんが、ともかく今夜は1000奪三振も達成した見事な完封劇でした。
おめでとう、イガー君!

ストレス

2006-04-12 | Weblog

午後の診療を終え、名神高速をかっ飛ばしロースクールに行きました。
今日は民事訴訟法の講義でした。
周囲からは「大変ですね。」、「よく体力が続きますね。」といわれます。
でも、1日中診療所に居るといろんなことがありストレスが溜まるので、その後に高速道路を運転したり、講義を受けることは気分が変わって、精神的にはかえって楽になります。

ただ・・・
今日はラジオでタイガースが5対0でリードしているところでロースクールに到着し、講義を終えて家路に向かう車内でつけたラジオでは7-5で逆転されていました。
ストレスが倍増してしまったのでした・・・笑

春の診療所

2006-04-08 | Weblog

最近の診療所の風景です。
窓を大きくとったので、昼間はとても明るく、周囲を緑に囲まれた空間が出来上がりました。
窓の外には桜の木も見えます。



両親が住んでいる家を建て直して診療所を造ったのですが、その際、石塀を潰すかどうかを相当悩みました。
結局、残すことにしたのですが、点滴やリハビリをしている患者さんにとっては、シェードを使わなくても石塀があるために外から人に見られることがありません。
また、患者さんからも「とても落ち着きますね。」と言ってもらい、今のところ正解だったようです。

患者さんにとって快適な空間を作ることも大切なことだと思っています。
今は新築したばかりなので、清潔感があるのは当たり前。
これをずっと維持することが難しいんでしょうね。

桜守公園

2006-04-07 | Weblog

春らしい気持ちの良い一日でした。
診療の合間に、近くの岡本桜守公園まで散歩に行きました。
そんな大きな公園ではないのですが、花見客でいっぱいでした。
桜はこの週末が見ごろでしょうか。

風邪

2006-04-04 | Weblog

タイガースの開幕2連敗に凹んだのか、久しぶりに風邪をひいてしまいました。
開院以来、ほとんど休みなく働いてきたので、疲れがどっと出たのかもしれません。
というわけで、日曜日は一歩も外に出ずに、ヤクルトー阪神戦を見ながらゴロゴロしていました。
3戦目にして初めて阪神打線が爆発し快勝しました。
おかげで(?)体調も回復し、月曜から元気に外来を行っています。

今年もタイガースの動向にいろいろと影響を受けそうな予感がします・・・笑