牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

配合飼料の価格改正

2009-07-28 22:15:41 | 飼料



配合飼料の価格が依然と高値で推移している。
輸入国との為替相場も依然高値で推移しているにも関わらずである。
価格改正前には、JA全農系の価格改正の理由と同様な文書が届く。
生産者には判り辛い横文字や外国での様々な単位を引用した値上げ内容となってる。
本音に、内容を理解して欲しくないための理由書のようである。
販売メーカーは、単味当たりの前相場との上げ下げの幅を示して、配合飼料単価をトン当たり2~3千円の値上げを提示してきた。
そこでこちらも、近年にない枝肉相場の低迷を説明しながら、今時何故値上げなのかと迫り、ドル当たりのレートを幾らにして算出しているかを問うが、言葉巧みに交わされる。
それは判るがと相槌を打ちながら一歩も退こうとしない大手企業の強さの実態を、今さらながらに痛感させられた。

結局、トン当たり1,000円程度の値上げで決着し、こちら側の敗北に終わった。
トン1,000円、つまり1kg当たり1円は、当方では年間換算200~250万円に相当する。
この相当額の争奪戦に、メーカーも当方も決死の折衝であったが戦いは終わった。
同様のやりとりを3ヵ月毎に実施して、価格改正を行っている。
複数メーカーによる見積もり合わせや自家配合施設の導入なども視野にすべき時期かもしれない。


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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-07-28 23:55:12
日本の企業も不景気ですが畜産業もかなり不景気ですね。枝肉相場が安いなら繁殖農家も不景気に陥ります。本当の不景気はこれから始まる予感がして胃が痛みます。
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7月からの値上げ幅 (餌営業担当者)
2009-07-29 07:18:22
肥育用・繁殖用ともに トン2500円の値上げ幅が妥当な金額だと思います。メーカーによつては交渉の末、安値にする所もあるがオリジナル配合の場合は特に注意しなければ単味の品質が落ちて肉質に影響が出る事があります。売上げが低下してコストを見直す事も必要ですが、自家配合に変えなんて安易だと思います。畜産生産者は同じ土俵で切磋琢磨して優れた生産者が残り、技術・能力が不足している人が淘汰される事が世の中です。安基補填金が交付されないから変える?事業者はブレたら失敗します。kuroiusiさん、最近のブログ内容が後ろ向きになっていませんか?生産者が意欲が出る内容を期待しています。合掌
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いつも参考にさせていただいております。 (下請け牛飼い)
2009-07-29 11:10:29
はじめまして、東北で牛飼いをしているものです。
いつも楽しく拝読させていただいております。
繁殖一貫をしている私には、とてもためになる内容ばかりで、いくつかブログの中から自分の経営にアイデアを取り入れさせて頂きました。

飼料メーカーの値上げ理由はもっともかもしれませんが、飼料メーカーの利益が農家の所得の下落幅ほど落ち込んでいないのは納得いきません。(むしろこの飼料高で業績が上がった会社もある!)
畜産農家が減れば苦しむのは自分たちも一緒なのに・・と。
牛農家も養鶏、養豚業界がそうだったように、共同で自分たちの飼料会社を持つ時代が来るのではないでしょうか?
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補填金て利益計上 (青豆天吾)
2009-07-29 13:10:33
今年は枝肉相場が低迷しているので4半期ごと補填金が交付されている。我が牧場は補填金分が利益になっている。利益が出た分で増頭しました。成績を上げていても補填金は成績の悪い人と同じ額が交付されます。少子化になるほど相場は厳しくなると思われます。コストを下げるより、成績を上げる事に気を使いたい。鶏・豚・牛 業界全体が状況悪化の為に廃業する生産者が出ると思われますが、廃業する生産者は成績の悪い人順です。
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Unknown (Unknown)
2009-07-29 23:40:44
自分はこのような記事にも大変勉強になります。危機を感じるのはある意味、危機を救う準備が出来ます。その準備こそが経営にとって1番大事な事かと。
繁殖をしてますが毎回楽しみに観覧してます。
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