さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「海を眺める午後」

2008年07月24日 02時17分09秒 | 旅行
7月7日午後12時半。
沖縄県竹富町。

島影が左右に見える中、高速船は波照間を目指して波を突っ切って進みます。
船内のスピーカーからは演歌が流れます。

山本譲二「♪例え~どんなに流れて~いてもぉ~お前がぁ俺には最後のぉ~女ぁ~」

くまぞ「!」

ラジオ番組から流れる「みちのくひとり旅」は、
南の島を巡る旅人の旅情など、お構いなしです。

波照間島は石垣島から南西に約50km。高速船で約1時間の太平洋上にあります。
さとうきびの生産が主な産業の小さな島です。
自衛隊が駐屯し、一般の人が立ち入れできない硫黄島以外では日本最南端にある有人島です。
東西に約5km、南北に約3km。標高は最も高い高いところで59m。
外周は岩や崖が多く、砂浜は何カ所かありますが
海水浴場は一か所しかありません。
島の人口は約580人。島の中央に5カ所の集落があります。

商業施設はほとんどなく、各集落に商店が一か所ずつ。
宿泊施設は、ほとんど民宿ですが、近年、素泊まりのペンションも増え、
昨年には、海水浴場ニシ浜が一望できる「ペンション最南端」もオープン。
それにあわせて飲食店やオリジナル商品を扱う土産物店も、
増えつつあるってところでしょうか。

この日の2便(昼発着の高速船)は、たくさんの乗客で賑わっていました。
港に到着し、大きな荷物を抱えて、民宿からやってきた送迎のワゴンを探します。

ワゴン「民宿たましろ」
くまぞー「すいません、今日宿泊予定のくまぞーと申します。」
おっちゃん「あ、はい、どうぞ。」

同じ便でやってきた宿泊客を乗せて、宿へ向かいます。





民宿たましろは、波照間で昔から営業している民宿です。
とても個性的なこの民宿には、たくさんのリピート客がいて、
mixiにもコミュニティができていたりします。

なにが個性的かといえば、ごらんの、この建物。
とても古く、ところどころくたびれています。
ガイドブックには冷房が付いていることになっていますが、
実際には壊れているようです。
相部屋が基本で、扇風機と蚊取り線香がそれぞれ一人ずつ標準装備です。
あまりの古さに、到着したとたん、キャンセルしてしまうお客さんもいるとか。

そして、もうひとつは、夕食。
ボリュームのある夕食で有名で、さらに、毎晩、泡盛による宴会があります。
常連さんたちによる仕切りで自己紹介があり、見ず知らずの観光客同士が
飲みながら仲良くなれる、そんな民宿です。

気ままな一人旅とは反して、窮屈そうに見える、こんな民宿に、僕がこだわる、その理由は…
一人旅の夜って寂しいからというのも一つの理由だし、
見ず知らずの人と一夜をいろんな話をしたり聞いたりするのが楽しいのも楽しいし、
なによりも、こんなスタイルの民宿、もしかしたら、将来、なくなってしまうのでは?
って思うんですね。
僕らが、40代後半になっても、こんな民宿、そのままであってくれるだろうか?
だからこそ、泊まれるうちに、なるべく…そんな意味も少しあります。



一緒にやってきた宿泊客は、庭先にあるテーブルでひとやすみ。
オーナーのたましろさんによる説明を一通り受けて、部屋を割り振ります。
どうやら、前日に泊っていた団体客が、延泊した関係で、
この日も20人を超える大人数で大忙しの模様。
その日の最終の高速船が発着しないと、最終的な人数を把握できない時もあるとか。

たましろさん「くまぞーさんは、ここは何回目ですか?」
くまぞー「2回目です~」
たましろさん「では、○○さんとくまぞーさんは、こちらへどうぞ」


前回は「アネックス」と呼ばれる別館の宿泊でしたが、
今回は念願(?)の「本館」に宿泊です。
一緒の部屋に割り振られたお客さんは、一年に何度もやってきている「超常連さん」のようで、
旅慣れている様子です。

反対に、大荷物の自分は、汗をかきかき四苦八苦。
やっとの思いで、出かける準備をして、歩いて出発です。





宿の前で僕を迎えてくれた景色は、一面のさとうきび畑と、空。
そう、この景色を見たくて、僕はこの島にやってきました。

そして、てくてくと坂道を歩いて、ニシ浜へ。
同じ船でやってきた宿泊客2人が、シャワーの小屋の前で、海を眺めていました。

宿泊客A「昼間はお客さん多いですね」
くまぞー「これで多いんですか~?」
宿泊客A「3便が出た後に、泳ぎに来ようかな」

何度めの八重山か、いつ来ていつ帰るのか、
そんなゆるい会話を楽しんで、この時間、この海を眺めています。
僕は、ただ景色を見て、たそがれたくて。
ある人は、海で過ごしたくて。
ある人は、写真を撮りたくて。

僕らの夏休みは、それぞれの思いを胸にして、
このニシ浜から散っていきました。



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2 コメント

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Unknown (Ikuno Hiroshi)
2008-07-24 10:47:20
 あ~こういいうタイプのお宿は,北海道にけっこうありますよ(たましろさんよりもうちょっと「キレイ」だけど 笑)。
 男女別相部屋が基本だけどユースホステルよりも自由で,家族経営で料理やガイドなどに特色がある旅宿ですね。
 「とほ宿」っていう名でゆるやかなまとまりを作ってて,北海道から南下するツーリングの時には大変お世話になりました。

 一面サトウキビ畑が,好きだなあ。
Unknown (kumazzzo)
2008-07-25 04:35:37
>Ikunoさん

北海道も、沖縄と匹敵するくらいいいですよね。
礼文島とかすごく興味がありますよ。
とほ宿かー、みんなこういう宿を利用して
一人旅楽しんでいるんですね。

このサトウキビ畑は、もう民宿のすぐそば。
なにも建物がない、その風景に圧倒です。

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