とね日記

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電卓技術教科書〈基礎編〉(1971年)

2023年10月28日 22時00分00秒 | iPhone、携帯、電卓
電卓技術教科書〈基礎編〉(1971年)」B6版、356ページ

内容紹介:
「基礎編」では1969年に発売されたCompet CS-12Dの実際の論理回路を例に取り上げながら四則演算電卓のしくみが詳しく解説される。そして巻末には全回路図が掲載されている。

1971年8月15日刊行、356ページ
所有しているのは1974年1月20日刊行、第5版1刷

監修者について:
佐々木 正(ささき ただし):ウィキペディアの記事
1915年〈大正4年〉5月12日 - 2018年〈平成30年〉1月31日没、102歳。日本の電子工学の科学者。シャープ元副社長。工学博士。「ロケット・ササキ」の異名を持つ。本書刊行時はシャープ株式会社代表取締役専務・産業機器事業本部長。本書の執筆はシャープ株式会社のエンジニアが分担。


理数系書籍のレビュー記事は本書で487冊目。

そもそもの発端は10年前、100円ショップのダイソーで100円の四則電卓を見かけたことだった。日常よくある光景である。その日はとても暑く、ぼんやりその電卓を見ているうちに、自分が電卓のしくみをほとんど理解していないことに気がついたのだ。たかが100円の電卓である。理数系を標ぼうしているのに、これはなんとしたことか。この日のことは「電卓を作りたいという妄想」という記事で紹介した。スマートフォンのような数億から数十億個の電子部品を使って作られている電子機器を理解することなどできないに決まっているが、電卓くらいならなんとかなるのではないかというわけである。

どうすれば理解できるようになるのか、あれこれ調べているうちに今回紹介する本を読めばよいこと、そしてこの本以外に電卓を解説している本が見当たらないことがわかった。本書のことは10年前に「電卓技術教科書〈基礎編〉〈研究編〉:ラジオ技術社」という記事であらましを紹介していたが、今回ようやく1冊目を読み終えることができたので、紹介記事にしてく。

本書がとりあげて解説しているのは1969年に発売されたSHARP Compet CS-12Dである。発売当時の価格は14万3千円である。その年の大卒初任給は3万4千円だったから、給料の4.1カ月分の買い物である。この電卓が発売された年に人類は月面への一歩を踏み出した。(参考記事:「映画『アポロ11 完全版(2019)』」)

SHARP Compet CS-12D (1969)


僕はたまたま、この電卓が発売されたのと同じ年に発売された CS-12A (1969) を入手していた。CS-12Dより少し安く12万9千円である。(CS-12Aの紹介記事)両者はほとんど同じで、このように動作する。



最初に電源のオフとオンを何度か繰り返し、その後数字を順番に押して12桁あることを確認、次に円周率の近似値として355÷113を計算し、最後に1から10までの総和と積(10の階乗)を求めている。


このころまでにようやく電気製品にごく初期のタイプのICが使われるようになっていた。ICを構成している電子部品はせいぜい10個ほどである。

電卓やコンピュータは0と1の二進数を使って計算を行なっていることは一般常識として、では、具体的にどのような電子部品を、どのような回路に組めば電卓が作れるのだろうか?

たとえば、12+3を計算するとき、まずキーボードで1のキーを押す。そして次の2を押すと文字盤には12と表示される。次に押すのは「+」キーだが、計算するのが123+3であれば、次に押すのは「3」のキーである。足し算をするために順番にキーを押していく間、キーを押すたびに電卓の内部の状態は遷移しているはずである。コンピュータであればこのような手順はあらかじめプログラムとしてハードディスクやメモリーに書かれているが、電卓の場合は手順を人間がキーを押すことで進めていく。

60年代の電卓はこのようなことを「ワイヤードロジック(結線論理)」で実現していた。トランジスタやダイオードなど(60年代後半にはICも含まれる)を配線して論理回路を構成していたのである。ただし本書の基礎編を読むとCompet CS-12Dは「ワイヤードロジック」を採用してはいるものの、制御回路の部分は「マイクロプログラム論理」で作られている。説明がややこしいが、一部の回路は「コンピュータ的」なのだ。

このようにおおまかに説明したとしても、これを実現する電子回路は見えてこない。足し算をするときは足される数と足す数をそれぞれ「レジスタ」に置いておかなければならない。この電卓は12桁まで計算できるから12桁のレジスタが2つ必要になる。そして1桁の10進数を表現するには4ビットの2進数が必要になりこれを2進化10進数と呼んでいる。

計算のレベルをかみくだいて1ビットレベルにまで下げていくと、1ビットを記憶しておくための電子回路が必要だとわかるようになる。また1ビットどうしの2つの数について和をとることが足し算のいちばん基本的な演算となる。つまりそれを行うにはAND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路などのゲート回路が必要になる。これらの回路もいちばん下位のレベルでは、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、ダイオードなどの基本的な電子部品から構成されている。

実用的な電卓として使えるようにするためには、おそろしく複雑な回路が必要になることは想像にかたくない。本書は「高校・大学初級の人々を対象にして記述してある」と「監修者のことば」に書かれているが、読者を買いかぶりすぎだ。

本書の章立ては次のとおりである。(記事最後に詳細目次を載せておいた。)

「基礎編」の章立て

序章:電卓の歴史と将来の展望
第1章:電卓とは
第2章:電卓の基礎理論
第3章:電卓の実際
第4章:入・出力装置
第5章:演算装置と演算制御
第6章:演算方式
第7章:電源回路
第8章:電卓の操作方法
巻末:
1.コンペットCS-12Dの全回路図
2.わが国の電卓の一覧表

かなり時間をかけて僕は読み終えることができた。項目ごとの説明には図やそれを実現する回路図が付されている。とても込み入ってはいるが、すべてひととおり理解することができた。ものすごい感動と充足感が得られた。

たとえば、さまざまな処理を決められた時間単位で行うためには、パルス信号を発生させてクロックとして使うことが必要だ。現代のパソコンであればCPUのクロックがこれにあたり、水晶発振器を使っている。しかしこの電卓が開発されたころは、小型の水晶発振器がないから、パルス信号を発生させることさえ、基本的な電子部品を組み合わせて実現させる必要があるのだ。気の遠くなるような話である。

パルス信号とタイムチャート(拡大


このCS-12Dでは12桁の加減乗除を行うことができる。たとえば2つの数値の加算を行うためには、1つめの数値を入力し、プラスキーを押してから2つめの数値を押し、イコールキーを押して結果を得る。そのためには1つめの数値と2つめの数値を記憶しておかなければならない。このためXとYの2つのレジスタが必要になる。これらのレジスタは2進化10進数で12桁を記憶できるように回路が組まれている。

加算の手順を実行するには順番に押すキーに従い、電卓の内部で処理が決められた手順に従って進むわけだが、この手順(プログラム)を実現しているのが「制御装置」である。制御装置は次の3つの部分に分けられる。

- アドレス・フリップ・フロップ
- プログラム・マトリックス
- 制御信号発生装置

この3つの部分を大まかに説明しているのが、次の3ページだ。

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2つめの画像に、水槽、ビニール管、バルブにたとえた概念図がある。これを回路として実現したのがプログラム・マトリックスだ。

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縦横規則的に配置されたこの回路図を初めて見たとき、これは「磁気コアメモリ」に似ていると思ったが、それは僕の勘違いだった。本書では磁気コアメモリについて解説している箇所があったので勘違いしたのだ。CS-12Dとほとんど同じCS-12Aを僕は所有しているが(参考記事)、中を開けても磁気コアメモリのような回路は見つからない。

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しばらく考えて、磁気コアメモリは見つからないのではなく、この電卓には搭載されていないのだと気がついた。プログラム・マトリックスは基本的な電子部品(トランジスタ、コンデンサ、抵抗、ダイオード)を配線することで実現されているのだ。

このプログラム・マトリックスは、電卓を操作するときに実行されるあらゆる手順を電子部品の配線、ワイヤード・ロジック(結線論理)によって実行することを可能にしている。

たとえば数字キーを押すと電卓内部の状態が変化するわけだが、次に押されるキーによって処理が分岐する。次に押されるのは数字キーかもしれないし、加減乗除の演算キーかもしれない。また小数点キーが押される場合もある。また、計算の途中でも状態はその手順を進めるにつれて変化する。また、押した数字が間違っていてクリアキーや、オールクリアキーを押すことだってあり得る。それらすべてを網羅するように回路が組まれているのだ。

プログラムされているといってもそれは配線によって固定されているわけだから、コンピュータのように自由に変更できるものではない。固定されたプログラムである。

またこの電卓には磁気メモリーのような記憶装置が備わっていない。強いてメモリーのように情報を記憶するのは、演算に使うXレジスタ、Yレジスタ、そして計算手順が進むにつれて変化する「アドレス」と呼んでいる変数を格納する回路がN0~N4まで用意されているだけである。

コンピュータのしくみを学んだ人はご存知だろうが、プログラムはハードディスク(またはSSD)に保管されていて、実行するときはメモリー上に移し、実際の計算はメモリー上のプログラムの命令やデータをひとつずつアドレスの順番に読みだしてCPU(中央演算処理装置)で演算するものだ。プログラム、アドレス、メモリー、レジスタという用語がこの電卓でも使われているが、考え方や役割はコンピュータのそれとまったく違うから、なまじっかコンピュータのハードウェアの知識があるとこの電卓のしくみはわかりにくい。

電卓内部の状態遷移を使って手順を制御するわけだから、プログラム・マトリックスを設計する際には、プログラム・チャートの記述に従っている。

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このチャートが電卓操作でおこりうるあらゆる条件分岐、状態遷移と次の処理を網羅していて、気の遠くなるような作業だが、実際のプログラム・マトリックスの回路に落とし込まれている。プログラム・マトリックスはこの電卓の心臓部なのだ。

プログラム・マトリックスに実装されている「電卓操作でおこりうる条件分岐と次の処理」の中には、加算、減算、乗算、除算の手順がもちろん含まれている。減算は負の数を補数表現で表した数の加算として行われる。乗算は加算の繰り返し、除算は減算の繰り返しとして行われている。これらをフローチャートに書くと次のようになる。

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「電卓操作でおこりうる条件分岐と次の処理」の中にはエラー検出、その後の処理の手順も含まれている。計算結果が12桁を超えてあふれてしまう場合、ゼロによる除算が行われた場合でも「それはエラーで、正しく処理できませんでした」ということをユーザーに伝えなければならない。この電卓には次のようなエラー検出、処理がプログラム・マトリックスの中に実装されている。

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この記事では電卓で最も重要な制御回路の部分だけを、一般の方にもわかるよう直観的に説明したが、本書にはブログ記事では説明しきれないほどの機能が解説されている。パルスを生成する回路、レジスタに数値をセットする手順、キー入力を数値に変換する手順(エンコーダ)、加算(、減算、乗算、除算)を実行する手順、計算結果を蛍光管に表示する手順(デコーダ)、電源回路など。それぞれ、解説のための図版、回路図とともにとても詳しく解説されている。

そして、それぞれの説明で使われた回路を合わせた「全回路図」が折り込みとして挿入されている。

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本書の最後では「その後の電卓」として、CS-201CS-362CS-361Pの3機種について、機能と操作方法が紹介されている。どれも大阪万博、三島事件の年に発売された電卓だ。

CS-201 (1970):10桁、1メモリー、12万円
CS-362 (1970):16桁、2メモリー、22万円
CS-361P (1970):16桁、2メモリー、開平(ルート)機能、プログラム機能(64ステップ)、31万5千円

CS-361P (1970)


たった64ステップであるが、CS-361P (1970)にはプログラム機能(ジャンプ機能付き)が備わっている。また開平(ルート)計算ができるようになった。本書ではこの電卓のプログラム機能を使って開平(平方根、ルート)や円の面積、ニュートン法を使って立方根を計算する例を使って、操作方法が紹介されている。

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本シリーズの<研究編>増補版で解説されているのだがシャープ電卓は、その後SHARP PC-1001 (1973)、129,000円が最初の関数電卓(64ステップのプログラム機能付き)として発売され、後継機として関数電卓(64ステップのプログラム機能付き)PC-1002 (1974)、149,000円が発売された。

SHARP PC-1001 (1973)


また、カシオ電卓では、シャープの関数電卓と同じ時期に、卓上電卓には関数機能が備わりCASIO fx-1(1972)、fx-2(1972)、fx-3(1975)へと進化し、庶民向けの小型電卓の領域ではCASIO MINI(1972)へと進化していくわけである。カシオミニは12,800円で発売され、電卓を庶民へ普及させる起爆剤となった。


本書を読むのにはとても時間がかかったが、とても熱中して読むことができた。充実した時間を過ごせたのは久しぶりである。当初の目的は、つまり電卓のしくみは理解できるようになったのだろうか?

本書で解説されている各項目に関しては、回路図を含めてほぼすべて理解できた。いちばん難しかったのはやはりプログラム・マトリックスを解説した箇所だ。電卓でいちばん重要な部分だから、時間をかけて何度も読んで理解するようにした。

電卓の各部分の回路は理解できたのだが、全回路図については理解できたとはいえない。各モジュールを組み合わせれば、結果的にこのような回路になるのだということで満足することにした。

そして電卓を作るに際していちばん重要な部分、つまり全回路図をどのようにして、実際のプリント基板上に電子部品を配置し、はんだ付けして配線するかという問題だ。これについては、まったく理解がおよばなかった。そもそも、ほとんど電子工作をしたことがないのだから理解どころか、イメージできないのは仕方がないことだとあきらめた。

この電卓が発売された1969年から2年後の1971年、世界最初のCPU(Intel 4004)が開発、発売された。CPUの着想から完成までのいきさつは「マイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004:嶋正利」という本の紹介記事として書いてある。

4ビットを使うと0から9の数字を表現できる。(アルファベット26文字を表現できるのは8ビット以上が必要になる。)つまり、このCPUは当初、電卓用として使われ始めたのだ。電卓にCPUを使うことで、ようやく計算手順はプログラム可能になり、電卓はCS-12Dのようなワイヤード・ロジック(結線論理)のものから、プログラム・ロジック(プログラム論理)のものへと方式が移行していった。現在100円均一で売られている安物電卓から、高級なプログラム関数電卓まで、電卓はすべてプログラム・ロジックが採用されている。


本書は極めて入手が困難だ。お読みになりたい方は、辛抱強く探すか図書館で検索してみるのをお勧めする。

電卓技術教科書〈基礎編〉(1971年)」B6版、356ページ
電卓技術教科書〈研究編〉(1973年)」B6版、334ページ(紹介記事
電卓技術教科書〈研究編〉増補版 (1976年)」B6版、396ページ(紹介記事
  

日本の古本屋というサイトで「電卓技術教科書」を:検索してみる
ヤフオクで「電卓技術教科書」を:検索してみる

なお、この3冊は国会図書館からデジタルライブラリーとして読むことができる。ただし、申し込みが必要になる。ここから検索してみてほしい。


これまでに3冊とも入手することができた。次は「研究編」を読んで紹介記事を書くことにしよう。

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リレー式電卓を自作された方

本書で紹介したのは基本的な電子部品(トランジスタ、コンデンサ、抵抗、ダイオード、初期のMOS IC)を使った電卓だが、世の中にはツワモノがいる。リレー(電磁石を使ったスイッチ)だけで電卓の回路を作り、4桁の電卓であること、小数点計算や割り算ができないなど機能は限定されているが、それでも素晴らしいことに変わりはない。以下の動画をぜひご覧いただきたい。リレーはおよそ1000個使っているという。

マイ・プロジェクトX 「リレー式電卓」
http://madlabo.oops.jp/MAD/relay/relay.htm






関連記事:

電卓技術教科書〈研究編〉増補版 (1976年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4029989f8a617abc61d332f6aead47a8

電卓を作りたいという妄想
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/01cf6bc6669bf0956a792bce292f97f1

加減乗除と小数の計算手順を理解したい。
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/44687dc879c9a6642b59c49a0c7cc3b3

電卓技術教科書〈基礎編〉〈研究編〉:ラジオ技術社
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e639b30787954422bdcce0c6b17db2f0

IC電卓ノスタルジア (SHARP Compet CS-12A, 1969年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9fead04c16784b42226ea8f280dc32a7

神様の計算機 (CASIO fx-2、1972年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/51d92a0f17a3abd1112691590d86c83a

王様の計算機 (CASIO fx-3、1975年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6840ad8d279eff97acd11a3f56b54343

カシオミニのノスタルジア
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c57178b502b8207746af9df9a9e0dd90

電卓技術教科書
https://www.protom.org/mad/0069.htm


 

 


電卓技術教科書〈基礎編〉(1971年)」B6版、356ページ


●目次 (基礎編)
 見返し (表)プログラム・チャートと各F/Fの役割り
 見返し (裏)加減算・乗除算のフロー・チャート
 緒言 監修者のことば

序章 電卓の歴史と将来の展望
1.計算機の歴史
2.電卓の歴史
3.電子式卓上計算機の定義と分類
4.将来の展望
第1章 電卓とは
1・1 電卓の操作法
 1・1・1 キー・ボードと操作の基本
  (1)置数キー
  (2)ファンクション・キー
  (3)定数指定スイッチ
  (4)タブレッション・ダイヤル・スイッチ
 1・1・2 CS-12Dによる計算の実例
1・2 電卓のなかでの計算の仕組み
 1・2・1 加算のメカニズム
 1・2・2 減算のメカニズム
 1・2・3 小数点のある場合と、答がマイナスになる場合のメカニズム
 1・2・4 計算機の三つの柱
 1・2・5 制御装置
  (1)「何処で」
  (2)「何時」
  (3)「何が」「何によって」「何を行う」
  (4)制御装置のはたらき
第2章 電卓の基礎理論
2・1 2進法
 2・1・1 単純な2進法
 2・1・2 p進法の変換
 2・1・3 2進化10進法(8-4-2-1コード)
 2・1・4 2進化10進数の加減算
  (1)加算の場合
  (2)減算の場合
 2・1・5 2進法と論理回路の関係
  (1)論理和回路
  (2)論理積回路
  (3)否定回路
  (4)論理記号
2・2 論理数学の基礎
 2・2・1 ブール代数の概念
 2・2・2 Venn図表によるAND、ORの表現
 2・2・3 ブール代数の定理
 2・2・4 Venn図表の価値
 2・2・5 Veitch図表
  (1)要素が一つの場合のVeitch図表
  (2)要素が二つの場合のVeitch図表
  (3)要素が三つの場合のVeitch図表
  (4)要素が四つの場合のVeitch図表
 2・2・6 真理値表から論理式の導き方
  (1)真理値表から論理方程式の導き方
  (2)論理方程式の簡単化
  (3)冗長(組合わせ禁止)
  (4)2進化10進法の組合わせ禁止項
2・3 論理素子
 2・3・1 ダイオード
 2・3・2 トランジスタ
  (1)トランジスタの接地方式
  (2)トランジスタの静特性曲線
  (3)トランジスタの電流増幅率βと電流伝送率α
  (4)コレクタ遮断電流(Ico)
  (5)トランジスタの耐圧(最大コレクタ電圧Vcbo)
 2・3・3 MOS形電界効果形トランジスタ(MOS FET)
  (1)MOS形FETの動作原理
  (2)MOS形FETの分類
  (3)MOS形FETの特徴
  (4)MOS形FETの基本回路
 2・3・4 コア記憶素子
  (1)フェライト・コアの磁気的特性
  (2)電流一致方式
2・4 パルス回路
 2・4・1 パルスとは
 2・4・2 パルスの変形
 2・4・3 微分回路、積分回路
  (1)CR微分回路
  (2)CR積分回路
 2・4・4 トランジスタのスイッチング回路
  (1)スイッチング回路
  (2)トランジスタのスイッチング特性と回路動作
  (3)トランジスタのパルス応答
 2・4・5 いろいろなパルス回路
  (1)インバータ・パルス増幅回路
  (2)エミッタ・フォロワ・パルス増幅回路
  (3)表示用駆動回路
  (4)無安定マルチバイブレータ回路
  (5)2安定マルチバイブレータ回路
2・5 論理回路
 2・5・1 論理和回路
 2・5・2 論理積回路
 2・5・3 否定回路
  (1)トランジスタによるインバータ
  (2)MOS ICによるインバータ
 2・5・4 排他的論理和回路
 2・5・5 NAND回路
 2・5・6 NOR回路
 2・5・7 MOS ICによる応用ゲート回路
  (1)MOS ORゲート
  (2)MOS ANDゲート
  (3)2AND-2ORゲート
2・6 フリップフロップ
 2・6・1 電卓のなかのフリップフロップ
 2・6・2 一時記憶回路
 2・6・3 RSS形フリップフロップ
 2・6・4 J-K形フリップフロップ
 2・6・5 D形フリップフロップ
2・7 集積回路(IC)と電卓
 2・7・1 個別電子部品と電卓
 2・7・2 ICの分類
 2・7・3 MOS IC(Metal Oxide Semiconductor IC)
 2・7・4 電卓に用いられているIC
  (1)μPD1(5インバータ)
  (2)HD-704M(Dual 4AND Gate)
  (3)HD-706M(Dual 2AND-2OR Gate)
  (4)HD-708M(Multi Function)
  (5)HD-709M(Dual 8 Bits Shift Register)
  (6)HD-713M(4 Flipflop)
第3章 電卓の実際
3・1 電卓内部の各装置の関連と動作
 3・1・1 電源スイッチを入れるとどうなるか
  (1)パルス・ジェネレータとその動作
  (2)ビット・タイム・カウンタ
  (3)ディジット・タイム・カウンタ
 3・1・2 キーを押すと、どのようにして計算が行なわれるのか
  (1)数字キーを押すと、どのようにして計算機にはいるのか
  (2)ファンクション・キーを押すと、どのようにして計算命令が記憶されるか
  (3)スタート・パルスはどのようにして発生するか
  (4)どのような装置が働いて計算を行なうのか
第4章 入・出力装置
4・1 入力装置
 4・1・1 キー・ボード
  (1)リード・スイッチ
  (2)二重打ち防止装置
  (3)タブレッション・ダイヤル・スイッチ
  (4)定数指定スイッチ(N、×、÷スイッチ)
4・2 表示回路
 4・2・1 蛍光表示管の構造と動作
 4・2・2 表示管の駆動方法
 4・2・3 小数点の表示
 4・2・4 デコード回路
 4・2・5 プレート・セグメント選択回路とドライブ回路
 4・2・6 冷陰極放電管表示用駆動回路
第5章 演算装置と演算制御
5・1 加減算装置
 5・1・1 純2進数の加減算装置はどのように構成するか
  (1)純2進数による13+22=35の筆算
  (2)純2進数による8-6=2の筆算
  (3)純2進数の加減算装置
 5・1・2 2進化10進数の加減算装置はどのように構成するか
  (1)2進化10進法の加算と+6補正
  (2)2進化10進法の減算と-6補正
  (3)2進化10進法の加減算装置
5・2 演算手順
 5・2・1 流れ図(フロー・チャート)
 5・2・2 加減算フロー・チャート
 5・2・3 乗算フロー・チャート
 5・2・4 除算フロー・チャート
5・3 電卓の制御方式
 5・3・1 プログラム・チャート
 5・3・2 プログラム・マトリックス
 5・3・3 マイクロ(マクロ)オーダの仕事
 5・3・4 番地およびブランチ
  (1)N0番地での動作
  (2)N0番地からN1~N4番地への移動
 5・3・5 制御クロック・パルス
第6章 演算方式
6・1 演算実行の過程
 6・1・1 Pサイクル(キー操作のない区間)の動作
 6・1・2 [C]クリア・キーを押したときの動作
 6・1・3 [CE]クリア・エントリ・キーを押したときの動作
 6・1・4 リード・イン
  (1)[C]を押してから置数した場合の動作
  (2)[x]キーを押したときの動作
  (3)[÷]キーを押したときの動作
  (4)[=]キーを押したときの動作
  (5)[-]キーを押したときの動作
6・2 演算の実例
 6・2・1 加減算の実例
  (1)54.6-60.05=5.45(TAB=2)
  (2)ルーチンk-15の内容
  (3)ルーチンk-16の内容
  (4)ルーチンk-17の内容
 6・2・2 乗算の実例
  (1)2.5×7.2=18.00(TAB=2)、Nモード
  (2)ルーチンk-18の内容
  (3)ルーチンk-19の内容
  (4)ルーチンk-20、21の内容
  (5)ルーチンk-22の内容
  (6)ルーチンk-23の内容
  (7)ルーチンk-28の内容
  (8)ルーチンk-29の内容
 6・2・3 除算の実例
  (1)725.1÷3.925=184.738(TAB=3)Nモード
  (2)乗算と除算のルーチンの相違点
  (3)ルーチンk-24の内容
  (4)ルーチンk-25の内容
  (5)ルーチンk-26の内容
  (6)ルーチンk-27の内容
 6・2・4 定数計算
  (1)ルーチンk-3の内容
  (2)ルーチンk-9の内容
6・3 メモリー機能とその動作
 6・3・1 メモリーとは
  (1)メモリー付き計算機の相異点
  (2)B F/Fの追加
 6・3・2 Mに関する各ブランチの動作
  (1)Pサイクル、ルーチンk-1の内容
  (2)[CM] ルーチンk-18の内容
 6・3・3 メモリー計算の実例
  (1)メモリー加減算の実例
  (2)メモリー乗算の実例
  (3)メモリー除算の実例
  (4)ルーチンk-19の内容
  (5)ルーチンk-19、20、21の内容
  (6)ルーチンk-19、20、22の内容
  (7)[M+]と[M-]の差
  (8)ルーチンk-28の内容
  (9)ルーチンk-29の内容
  (10)ルーチンk-32、26の内容
第7章 電源回路
7・1 整流回路
 7・1・1 整流
 7・1・2 整流回路と負荷の関係
  (1)半波整流回路
  (2)全波整流回路
7・2 定電圧回路
 7・2・1 定電圧回路(ツェナ・ダイオード)
  (1)定電圧特性
  (2)基本的な定電圧回路
  (3)ツェナ・ダイオードによる定電圧回路
 7・2・2 トランジスタを用いた定電圧回路
  (1)並列形定電圧回路
  (2)直列形定電圧回路
 7・2・3 定電圧回路の実用回路
第8章 電卓の操作法
8・1 電卓の取扱い法
8・2 シャープ電卓による計算例
  〔1〕コンペットCS-201による計算例
  〔2〕コンペットCS-362による計算例
  〔3〕コンペットCS-361Pによる計算例
<索引>

折込み1.コンペットCS-12Dの全回路図
   2.わが国の電卓の一覧表

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