1月17日(木)午前10時30分から開催された 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第57回定期演奏会公開リハーサル を聴きに行きました。
1月17日は阪神淡路大震災が発生した日に当たるので、指揮の佐渡さんの提案でリハーサルの前に黙祷を捧げました。公開リハーサルの曲は ルーセル作曲バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第2組曲。明日からの定期演奏会に向けて仕上げて行く様子がうかがわれました。
公開リハーサル後の佐渡さんのお話:
私事になるが、1月13日に急遽ロンドン交響楽団を指揮した。ロンドン交響楽団初デビューとなったわけだが、1月6日に首席指揮者であるコリン・デイビィス氏(85歳)の体調不良によりキャンセルになったからである。コリン・デイビィス氏は以前から体調がよくなかったため、準備の指示はあったのだが、振ると決まったわけではないと気が入らないものだ。曲はモーツアルトの「レクイエム」、指揮をするのは初めてだった。9日からリハーサルに入り、13日に無事演奏会は終了した。楽団、ソリスト共に素晴らしい音楽家だったことが幸いした。演奏会までは1日中譜面を見続けていた感じがする。若いころ代役の機会を得て、有名になって行くことはよくある。バーンスタインはワルターの代役で、小沢さんもバーンスタインにチャンスをもらった。私はもう51歳、若いというには・・・・。こちらには一昨日の朝帰着したところだ。今回の演奏にあたってはパリからお招きしたコンマスに大いに助けてもらった。今日の午後もリハーサルを実施し、明日からの定期演奏会にそなえたい。
今回の定期演奏会は全てフランスの曲をそろえた。リハーサルを行ったルーセルの曲は10分ぐらいの曲の中に、いろいろな場面が組み合わされ、不思議な色彩感がある曲。フランス人は、熱い人間で個人主義だけれど、国とか楽団を愛している。いろいろな音の組み合わせ、熱狂も聴いてほしい。
フォーレ作曲の組曲「ペレアスをメリザンド」はエレガントで静かな絵を見ているような曲で、途中に有名なシチリアーノが出てくる。終楽章は遅いテンポで葬送風、淡い印象があるが、激しい部分もある。フランスの音楽はパートを強く作らないともやもやした感じになってしまうので、パートをきっちり作り込んで行きたい。
前半はイベールの曲が2曲、1曲目のディヴェルティメントは編成が面白いし、その中の3番目のワルツは名曲だ。2曲目のフルート協奏曲は技術的にもパリの独特のニュアンスという面でもとても難しい曲。自分もフルートをやっていたのだが、この曲は演奏できなかった。今回フルートは18歳の新村理々愛さんが演奏する。ロスで勉強中の人だが、舞台度胸も満点で、技術、音楽性どれをとっても素晴らしい、文字通り天才といえる人だ。
いろいろな顔を持った4曲ですので是非楽しんでほしい。
帰り道に武庫川の橋の上から六甲山を見たところです。