ところでいったい学校はいつまでなのだろうか・・・、と思った。
ただいま学年末テスト真っ最中なわけであり、やはりこれが終わると、自動的に卒業式まで休業になるのだろうか。
でもまあ、僕は三月まできっと、学校へ行って絵を描いているんだろうと思うのだけど。
なにしろ国公立の実技テストというのが、でら遅い。
二月末なのだ。二月末。
そのくせ願書は二月六日まで、なんていうんだから。
それでまあ、今日はやっぱり、これから描きたいテーマを考えていたわけである。いくら入試のための絵だからといって、無心に描けるとうれしいのだが、たいていの場合僕は途中で行き詰る。
だから、最初からテーマを決めて、それに沿ったものを描くという方式をこの半年取り続けておるわけである。ちなみに一月のテーマは「人々」だった。
うん。自分でも良く分からないのだけど、とりあえず僕が「人々」って思えたらいいわけだからッ。
それで、夕方に母が僕を呼んだ。
なんかなーって思ったら、「ちょっと手伝ってー」と言う。
なんだなんだと居間へいくと、そこのマンションの大型ごみ置き場に、まだ使えそうな机があるんだって言う。
うちの母は中古品救済者なのです。うちの母は捨てられていてもまだ使える主義なのです。
そして母は
「毎日そこのごみ置き場、チェックしてんねん」
なんて言う。
だから、仕方ないというか、まあ僕も暇なのには変わりないのだから、ちょっくら机運びに精を出してやるかよっこいしょーてな感じで、母と一緒に外へ。
昼間はあんなに暖かかったのに、夕方五時ともなるとしびれるくらいの寒さ、である。
徒歩五十歩のマンションへ行き、ごみ置き場を覗く。
ベニヤ板張りの本棚とか、イスとか、いろいろなものが安置されている中に小さい机が一つあった。
「そうそう、それそれ」
で、二人がかりで運び出す。家へ戻る途中、近所の兄さんに見られて、かすかににやりとされてしまったけども、母は動じず。母強し。
だから僕だけがその兄さんのにやりをやけに意識してしまい
「ああー、いやこれは僕のための机ではなくて、母が個人的趣味の収集の一環においてこの机を、でありまして、僕は言うなればこの机に振り回された被害者の一人なのでして、あーいったい俺は高校卒業を間近にひかえ、何をやっておるのだろうかろろーんッ」
とうつむいた。
やっぱり今日は今日だけの一日で終わってゆくのである。
ただいま学年末テスト真っ最中なわけであり、やはりこれが終わると、自動的に卒業式まで休業になるのだろうか。
でもまあ、僕は三月まできっと、学校へ行って絵を描いているんだろうと思うのだけど。
なにしろ国公立の実技テストというのが、でら遅い。
二月末なのだ。二月末。
そのくせ願書は二月六日まで、なんていうんだから。
それでまあ、今日はやっぱり、これから描きたいテーマを考えていたわけである。いくら入試のための絵だからといって、無心に描けるとうれしいのだが、たいていの場合僕は途中で行き詰る。
だから、最初からテーマを決めて、それに沿ったものを描くという方式をこの半年取り続けておるわけである。ちなみに一月のテーマは「人々」だった。
うん。自分でも良く分からないのだけど、とりあえず僕が「人々」って思えたらいいわけだからッ。
それで、夕方に母が僕を呼んだ。
なんかなーって思ったら、「ちょっと手伝ってー」と言う。
なんだなんだと居間へいくと、そこのマンションの大型ごみ置き場に、まだ使えそうな机があるんだって言う。
うちの母は中古品救済者なのです。うちの母は捨てられていてもまだ使える主義なのです。
そして母は
「毎日そこのごみ置き場、チェックしてんねん」
なんて言う。
だから、仕方ないというか、まあ僕も暇なのには変わりないのだから、ちょっくら机運びに精を出してやるかよっこいしょーてな感じで、母と一緒に外へ。
昼間はあんなに暖かかったのに、夕方五時ともなるとしびれるくらいの寒さ、である。
徒歩五十歩のマンションへ行き、ごみ置き場を覗く。
ベニヤ板張りの本棚とか、イスとか、いろいろなものが安置されている中に小さい机が一つあった。
「そうそう、それそれ」
で、二人がかりで運び出す。家へ戻る途中、近所の兄さんに見られて、かすかににやりとされてしまったけども、母は動じず。母強し。
だから僕だけがその兄さんのにやりをやけに意識してしまい
「ああー、いやこれは僕のための机ではなくて、母が個人的趣味の収集の一環においてこの机を、でありまして、僕は言うなればこの机に振り回された被害者の一人なのでして、あーいったい俺は高校卒業を間近にひかえ、何をやっておるのだろうかろろーんッ」
とうつむいた。
やっぱり今日は今日だけの一日で終わってゆくのである。