めろめろ

とまったままのまま(09年6月25日) 2011.1.15ひさしぶりのぶり

現実との相違

2006年10月23日 | 紅色
 ちっちゃい時の、情報源は主として絵本、なのである。
 つまり、絵本を通じて自然や世界を知ることになる。そういうわけで、さまざまな問題点が生じることになる。
 そりゃー、絵本のなかでは動物園は夢のような世界、ピンク色のゾウは笑い、ヘビはとぐろを巻いて踊り、ライオンは二足歩行、キリンの長い首を猿がスルスルーなんていって登るわけであり、オマケに掃除係のおにーさんなんかは超ハンサムー! なわけだ。
 絵本でそうなんだから、さぞかしホンモノの動物園は現代におけるヘヴンあるいは桃源郷なのではあるまいか!? と、ここで弱き儚い紅顔の美少年は不覚にもそう確信しちまうわけである。
 とまあ、そんなわけで、である。勇み足でもっていざ動物園に向かう。入場したか弱き少年を待ち受けているのは絵本での華麗なる動物たち…ではない。
 猿は無法地帯と化したサル山で騒ぐ騒ぐ、キリンは紫色の舌を巧みに操り草を食み、ゾウは本日非公開、カバに至ってはウンコを飛ばす飛ばす。
 動物園から帰ってきた子どもが
 「カバはこうやってねえ、ウンコをねえ」
 なんて言って実演しないとも限らないではないか。
 とにかくギャップが激しいのである。絵本でピンク色のゾウを見て育った少年が岩に毛が生えたみたいなホンモノを見ると、これは少なくとも何らかのショックを与えるであろう。
 まさに人生が変わる…わけである。ここで確実に子どもは生き物世界をクールな目で眺めるようになる。
 生きるとはまさにこういう行為の繰り返しであるのだ…と、幼稚園児は思う。

 絵本とは実に開かれた世界なわけである。ムリヤリだけども結論にしてしまうわけである。