先日僕の高校では、文化祭が盛大に執り行われた。いつもは生徒以外、だーれもいないような所なのに(参観日でも、『遠いから』という理由で一人か二人しか見に来なかった)今日に限っては他校の生徒、多数の大人たち、そしていつもの校舎ではみられないほどに色とりどりの看板や飾り付け、活き活きとした生徒たちの姿があっちこっちで見られた。先生のため息が聞こえてきそうであった。
「はぁー、普段の授業でもこれぐらい活発に手を上げて声を張り上げてくれればこちらとしても嬉しい限りなのだが・・・」
僕は高校生活初めての文化祭をめ一杯楽しむべく、おなじみ友達のO君と綿密な計画を立てた(ウソ)。まあ計画を立てたのは本当なのだ。本当なのだッ! ぬぬぬ、なかなか信じないなッ。よろしい、それでは極秘にしておくはずだった計画の全てを明かしてしまおうではないかッ! それじゃあここからを読む人は腰を抜かさないようにしっかりと己の身体をよく支え、入れ歯が吹っ飛ばないように入れ歯接着剤をしっかりと塗りこんで口にはめてここからの行を読みなさい。準備は良いかね?
文化祭のに、三日前に配られた文化祭の出し物の総目録を見て僕は「ん~、どこに行こうかなぁ、どこが面白そうかなぁ」なーんてことを思っていたわけだが、不意に「ん?」と目が硬直した。
「二年一組 スナックさとみ・・・高校の女くらを生かして二年一組はスナックさとみを・・・」
スナック・・・スナック・・・スナックさとみッ! 行かなくてはッ! である。しばらくしてO君がやってきて、
「おい、スナックさとみ、行かなくてはならんぞッ」
と言った。やはりO君も同じ事を考えておったのだ。僕たちはうむうむ、それは絶対に行かなくてはならないッ、必ず行かなくてはならないッ、ただちに行かなくてはならないッ、たちどころに行かなくてはならないッ! とお互いの胸に誓い合った。
で、文化祭当日。人々はみんなおおはしゃぎで飛び交い、笑い声、冗談を言い合う人、別の学校の、見たこともない制服、誰かのお父さんお母さん・・・ 僕とO君は十時の開店から店番をして、十一時にクラスの模擬店を飛び出しさっそうとスナックさとみへ直行した。 壁に貼ってあるチラシを見ると、なんと十一時から「サービスタイム」となっておるではないかッ! 二人はそりゃもう興奮して興奮して、マッハ六ぐらいのスピードでスナックさとみについた。
店頭では呼び込みの女の子(いずれも二年生)が「まだ間に合うッ! まだ間に合うッ!」と客を呼び込んでいた。
僕とO君は「まだ間に合ったッ! まだ間に合ったッ!」と言いながらやや興奮で気分が悪くなりつつも、真っ暗い二年一組の「スナックさとみ」へと足を踏み入れた。ちょうどショーが始まったばかりのようで、司会者が挨拶をしていた。
「さあさあ皆さあん、ティッシュの準備は良いですかぁ? それでは始まりますッ! サービスターイム!」
僕は「ティッシュの用意」と聞いたところで「あ、これはひょっとしてひょっとして、あんな事やこんな事をするのではなかろうかッ」と本気で思ってしまった。今思えば、高校生があんな事やそんなことをやったらすぐさま逮捕されてしまうではないかッと、あの時少しでもそう思ってしまった自分を責めたい気持ちで一杯である。
暗幕が開き、七人のダンサーが現れる。服はちゃんと着ているけれど、服にブラジャーのペイントが施されていた。それで、踊りだした。一曲、二曲、三曲目・・・ずっと踊っていた。やがて、司会者も踊りだした。ダンサーの目がみんな輝いていた。観客は手拍子を打つのみ。
「・・・・高橋君、出ようか・・・」
とO君が言った。
その後スナックさとみから、一人また一人と客が逃げていったのは言うまでもない。
「はぁー、普段の授業でもこれぐらい活発に手を上げて声を張り上げてくれればこちらとしても嬉しい限りなのだが・・・」
僕は高校生活初めての文化祭をめ一杯楽しむべく、おなじみ友達のO君と綿密な計画を立てた(ウソ)。まあ計画を立てたのは本当なのだ。本当なのだッ! ぬぬぬ、なかなか信じないなッ。よろしい、それでは極秘にしておくはずだった計画の全てを明かしてしまおうではないかッ! それじゃあここからを読む人は腰を抜かさないようにしっかりと己の身体をよく支え、入れ歯が吹っ飛ばないように入れ歯接着剤をしっかりと塗りこんで口にはめてここからの行を読みなさい。準備は良いかね?
文化祭のに、三日前に配られた文化祭の出し物の総目録を見て僕は「ん~、どこに行こうかなぁ、どこが面白そうかなぁ」なーんてことを思っていたわけだが、不意に「ん?」と目が硬直した。
「二年一組 スナックさとみ・・・高校の女くらを生かして二年一組はスナックさとみを・・・」
スナック・・・スナック・・・スナックさとみッ! 行かなくてはッ! である。しばらくしてO君がやってきて、
「おい、スナックさとみ、行かなくてはならんぞッ」
と言った。やはりO君も同じ事を考えておったのだ。僕たちはうむうむ、それは絶対に行かなくてはならないッ、必ず行かなくてはならないッ、ただちに行かなくてはならないッ、たちどころに行かなくてはならないッ! とお互いの胸に誓い合った。
で、文化祭当日。人々はみんなおおはしゃぎで飛び交い、笑い声、冗談を言い合う人、別の学校の、見たこともない制服、誰かのお父さんお母さん・・・ 僕とO君は十時の開店から店番をして、十一時にクラスの模擬店を飛び出しさっそうとスナックさとみへ直行した。 壁に貼ってあるチラシを見ると、なんと十一時から「サービスタイム」となっておるではないかッ! 二人はそりゃもう興奮して興奮して、マッハ六ぐらいのスピードでスナックさとみについた。
店頭では呼び込みの女の子(いずれも二年生)が「まだ間に合うッ! まだ間に合うッ!」と客を呼び込んでいた。
僕とO君は「まだ間に合ったッ! まだ間に合ったッ!」と言いながらやや興奮で気分が悪くなりつつも、真っ暗い二年一組の「スナックさとみ」へと足を踏み入れた。ちょうどショーが始まったばかりのようで、司会者が挨拶をしていた。
「さあさあ皆さあん、ティッシュの準備は良いですかぁ? それでは始まりますッ! サービスターイム!」
僕は「ティッシュの用意」と聞いたところで「あ、これはひょっとしてひょっとして、あんな事やこんな事をするのではなかろうかッ」と本気で思ってしまった。今思えば、高校生があんな事やそんなことをやったらすぐさま逮捕されてしまうではないかッと、あの時少しでもそう思ってしまった自分を責めたい気持ちで一杯である。
暗幕が開き、七人のダンサーが現れる。服はちゃんと着ているけれど、服にブラジャーのペイントが施されていた。それで、踊りだした。一曲、二曲、三曲目・・・ずっと踊っていた。やがて、司会者も踊りだした。ダンサーの目がみんな輝いていた。観客は手拍子を打つのみ。
「・・・・高橋君、出ようか・・・」
とO君が言った。
その後スナックさとみから、一人また一人と客が逃げていったのは言うまでもない。