草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 小春 (九分九厘)

2013-11-21 | Weblog

                          

  義仲寺のばせをの墓に冬の蝶

  芭蕉忌や等閑に付す杖ありし

  八の字の近江富士見る時雨忌かな

  叡山と近江富士見る湖小春

  ジョギングする金髪乙女湖小春

  パパゲーノ魔笛の聞こゆ冬湖畔

  

 先月末に琵琶湖ホールにオペラを見に行った。プラハ国立歌劇団の「魔笛」である。今年の正月に同じ劇団の「フィガロの結婚」を鑑賞したが、値段も安くて歌も最高で、俄フアンになり再び出かけた。昨年、西宮芸文センターで、佐渡裕指揮の「トスカ」を聞いたが、日本人トップクラスの福井敬と並河寿美の歌にも感心したが、額に血筋を立てるほどの熱演と緊張度に圧倒されたものだった。プラハの方は鼻歌のごとく軽く流したもので、聞いている方も肩が凝らず、するすると時間が過ぎ去ったように感じであった。彼らにとっては日本の演歌を歌っているようなものかもしれない。こちらの方がよほど楽しめるようだ。

 ついでといっては失礼になるが、琵琶湖ホールのすぐ近くにある義仲寺に寄った。芭蕉忌を過ぎていたが、ここに芭蕉の墓がある。本人の遺言により、大阪で亡くなった芭蕉はここで永眠している。小さな寺で句碑が沢山ある。芭蕉の筆跡に倣った江戸時期の版木があり、これで摺った芭蕉の句の短冊を一枚三百円で売っている。例の当て字をふくむ字であるから読み難い。クイズを解くのと同じような面白みがある。芭蕉が旅で使った杖が置いてあった。椿の木というが細い杖である。これで奥の細道を歩いたのかと思うほど細い杖である。柘植や椿は年輪が緻密でとても固い木である。芭蕉に時代には、この寺から邪魔な建物もなく琵琶湖が奇麗に見通せた筈である。(26日よりしばらく留守をします。)

 

 芭蕉の句は

  古池や蛙飛び込む水の音

  辛崎の松は花より朧にて

                         以上

 
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今日の俳句/朝時雨(ゆらぎ)

2013-11-12 | Weblog

冬めくも同車の君がささめごと

揺れやまぬ心の中に冬紅葉

燭の火を移すがごとし石蕗の花

時雨傘石塀小路雨匂う

(河井寛次郎記念館にて)
古丹波に花活けおれば朝時雨

 

(おまけ 秋の句ですみません)

二日月待ちいし人の顔浮かぶ

 

 

 

 

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今日の俳句 / 啄木鳥 (四捨五入)

2013-11-04 | Weblog

 

 

垂直の幹はわがものこげら来る

啄木鳥やしばし狭庭の客となり

ちよろちよろと幹に隠れしこげらかな

吊し柿四つ四つの振り分けに

吊し柿吊るせば竿のしなひをり

一枝に冬芽二つを残しけり

これらの句はわが家の近況です。見慣れぬ鳥が庭の梅の木にとまっていたので、写真を撮ってよく見ると、羽の模様からこげらと分りました。調べてみると、この鳥は近年人家の庭木や公園の樹木でも見られるそうで、珍しいものではないようです。

庭の柿の実が熟しはじめると鳥たちがつついてしまうので、三分の一を残し、あとを干柿とすることにしました。百匁柿なので時間がかかりますができあがると得難いものとなります。

 

 

 

 

 

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