義仲寺のばせをの墓に冬の蝶
芭蕉忌や等閑に付す杖ありし
八の字の近江富士見る時雨忌かな
叡山と近江富士見る湖小春
ジョギングする金髪乙女湖小春
パパゲーノ魔笛の聞こゆ冬湖畔
先月末に琵琶湖ホールにオペラを見に行った。プラハ国立歌劇団の「魔笛」である。今年の正月に同じ劇団の「フィガロの結婚」を鑑賞したが、値段も安くて歌も最高で、俄フアンになり再び出かけた。昨年、西宮芸文センターで、佐渡裕指揮の「トスカ」を聞いたが、日本人トップクラスの福井敬と並河寿美の歌にも感心したが、額に血筋を立てるほどの熱演と緊張度に圧倒されたものだった。プラハの方は鼻歌のごとく軽く流したもので、聞いている方も肩が凝らず、するすると時間が過ぎ去ったように感じであった。彼らにとっては日本の演歌を歌っているようなものかもしれない。こちらの方がよほど楽しめるようだ。
ついでといっては失礼になるが、琵琶湖ホールのすぐ近くにある義仲寺に寄った。芭蕉忌を過ぎていたが、ここに芭蕉の墓がある。本人の遺言により、大阪で亡くなった芭蕉はここで永眠している。小さな寺で句碑が沢山ある。芭蕉の筆跡に倣った江戸時期の版木があり、これで摺った芭蕉の句の短冊を一枚三百円で売っている。例の当て字をふくむ字であるから読み難い。クイズを解くのと同じような面白みがある。芭蕉が旅で使った杖が置いてあった。椿の木というが細い杖である。これで奥の細道を歩いたのかと思うほど細い杖である。柘植や椿は年輪が緻密でとても固い木である。芭蕉に時代には、この寺から邪魔な建物もなく琵琶湖が奇麗に見通せた筈である。(26日よりしばらく留守をします。)
芭蕉の句は
古池や蛙飛び込む水の音
辛崎の松は花より朧にて
以上