句にせむと蠅虎に会ひにけり
朴の花谷の仏のたなごころ
天を突くメタセコイアの大夏木
幾重にも山面埋めし夏木立
酉刻に車を捨てて夏至の湖
今月の句会で出した句です。兼題は「蠅虎(はえとりぐも)」「夏木立」「夏至」でした。この蠅虎なる蜘蛛は巣を張らない小さなもので、気をつければ時に家の中で見かけるものです。俳句をしていなければ、名前も知ることもなかったことでしょう。蠅虎以外の句は、琵琶湖西湖畔の高島で詠んだ句です。
下記は時期遅れになりましたが、別の句会に出句したものです。
隠れ家の種からアンネは薔薇に咲く
刺を避け薔薇の匂ひに近づきぬ
薔薇越しに須磨の沖波ひかりゐる
写真は「アンネ・フランク」の名前のある薔薇です。アンネの隠れ家の庭に咲いていた薔薇の種から育てたものだと、説明がありました。