草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 蠅虎 (九分九厘)

2009-06-29 | Weblog

句にせむと蠅虎に会ひにけり     
朴の花谷の仏のたなごころ      
天を突くメタセコイアの大夏木    
幾重にも山面埋めし夏木立      
酉刻に車を捨てて夏至の湖  

今月の句会で出した句です。兼題は「蠅虎(はえとりぐも)」「夏木立」「夏至」でした。この蠅虎なる蜘蛛は巣を張らない小さなもので、気をつければ時に家の中で見かけるものです。俳句をしていなければ、名前も知ることもなかったことでしょう。蠅虎以外の句は、琵琶湖西湖畔の高島で詠んだ句です。

下記は時期遅れになりましたが、別の句会に出句したものです。

隠れ家の種からアンネは薔薇に咲く
刺を避け薔薇の匂ひに近づきぬ
薔薇越しに須磨の沖波ひかりゐる

写真は「アンネ・フランク」の名前のある薔薇です。アンネの隠れ家の庭に咲いていた薔薇の種から育てたものだと、説明がありました。
   
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今日の俳句 夏つばめ (さゆり)

2009-06-27 | Weblog
 
 人通り多き市場につばめの巣
 つばめの子顔より大き口を開け
 子育ては番忙し夏燕

 陽を受けて早苗真っ直ぐ立ち上がる
十薬のきりりと白し朝餉かな
川沿いの洋館の街夾竹桃

葉桜のこぼす雫の光りをり
木下闇底に流るる水の音
梅雨に入り取り出す梅酒五年物

今回は遠出をせず家の近辺で句材を見つけて作った。ツバメの巣は春の季語、ツバメの子は夏の季語となっている。

芒の会投句  兼題 「蠅虎」「夏木立」「夏至」

しばらくは夏至の日を抱く山河かな
枝を張るメタセコイアの夏木立
跳びかかる蠅虎のねらひ打ち
湖見ゆる高みに一つ朴の花
泥んこの長靴の引く新牛蒡
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今日の俳句/生野高原(光芒子)

2009-06-25 | Weblog
    分水嶺山連なりて夏木立ち
    高原に霧立ち上り朝涼し
    露涼し排水溝に足とられ
    青芝やスリーパットの白日夢

     苦潮や太公望に当りなし
     景気策大橋渡りキス狙う
     遠投しベラやアイナメ時にフグ

 生野高原カントリークラブでのゴルフコンペに参加した。
高松宮殿下御宿泊記念の枝垂れ紅葉が自慢の生野山荘が前夜の宿であった。
夜明けとともに一人、偵察を兼ねハーフ9ホールの フエアーウエーを歩いた。
前夜のドンちゃん騒ぎのアルコールにフラフラしながらも霧が心地よい早朝散歩であった。

変わらず釣り三昧の日々。 夏が来てやっと魚たちも活性がでてきてそこそこの釣果も得られるようになってきた。 緊急経済対策のお陰で車で淡路島にも行きやすくなった。 最近は岩屋・松帆の浦の浜が我が漁場である。


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今日の俳句 / 鵜飼(四捨五入)

2009-06-22 | Weblog
青に埋もる岸の鵜舟の白木肌
火の粉吐き闇を切り裂く鵜舟かな
鵜松明そろひ迫りて闇を焼く

籠の鵜の出番の前の自若かな
獲物吐きて川面を走る荒鵜かな

去る6月12日、稲畑廣太郎さんが主宰を務める六甲会が虚子文学記念館で開催され、初めて参加しました。参加者は50名弱でした。同じ句会の皆さんも参加されているので、次々と投句を披露されることと思います。
兼題は「鵜飼」と「薔薇」でしたが、事前に長良川へ実際の鵜飼を見に行って来ましたので、鵜飼の句ばかりとなってしまいました。
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今日の俳句(十薬)/龍峰

2009-06-19 | Weblog
 十薬の匂いまとわる古やしろ
 十薬の避けて通りし径の端
 赤さびをどくだみの花隠しけり

 木下闇湧水の音聞こえけり
 木下闇潮騒かすか風にのる
 石積の古刹見上ぐや木下闇

 梅雨入りや二の腕組みし昼電車
 検診に添え書き受くや旱梅雨
 夏至の夜や米寿の姉の文相手

どくだみの花は小さい頃はあちこちに咲いてはいたが、都会では少ない。しかし、それでも時々見かける。そこはあれ以来の空き地に多い。匂いがいやで今でも負のイメージの花である。だが、乾燥すれば整腸・利尿・緩下・解毒等に効くと歳時記にはあるが、試してみようとは思わない。
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今日の俳句 / かきつばた (さゆり)

2009-06-17 | Weblog


遠目には青の放たれ杜若
湿原の一面むらさき杜若
かきつばた透ける水面に紫を

過ぎし日を語り明かして河鹿聞く
せせらぎの音に合わせて鳴く河鹿
谷深く山震わせて河鹿鳴く

湖見える高みに咲くや朴の花
花空木白き小花をこぼしけり
小あじさい崖彩りて山凉し


合唱コンクールが6月末に迫ってきて、先週の終末に滋賀県の今津で最後の合宿練習をした。少し行くと箱館山という緑深い山があり、底深い谷川がながれ夜も昼も蛙の鳴き声が聞こえる静かな渓谷だった。そこに杜若の有名な群生地があるというので探して行った。遠くからは、緑の木々の間から少し青色が見え始め、近づいて行くとびっしりと杜若が咲いていた。周りには山法師、小紫陽花、空木の木が咲き、木に綿菓子のような白いものがあちこちにぶら下がっていて、それは森青蛙の卵だとわかった。卵が孵ると必ず水の中に落ちるように、水の上の木の枝に卵を産みつけているのには、驚いた。


小紫陽花

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今日の俳句 / 若葉 (四捨五入)

2009-06-12 | Weblog
谷覆ふ若葉の底もまた若葉
蓮浮葉玉を連ねて装へり
蓮の芽のイの字イの字でにぎはへり

一本の余花咲き満ちて山青し
見る人もなき余花ひそと登山道

六月半ばに余花とは!と顰蹙を買いそうですが、折角余花を見に行ったのでこのままボツにするのも可哀そうということで、賞味期限切れの句にお付き合いをお願いいたします。
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今日の俳句 / 金糸梅 (九分九厘)

2009-06-08 | Weblog

金糸梅黄色の数の光明かな
群黄の動かざるもの金糸梅
金糸梅並びし語呂に金瓶梅
窒息の原因つかめず金糸梅

昼寝する俳句王国無我の境

我が家の周りの街路は金糸梅の黄色で満杯である。切っても切っても、花をつける生命力の強い植物である。自治会の清掃作業に、いつも手を煩わしているものである。一つ一つの花は実に可憐であるが、群れをなすと圧倒的な黄色という色の強さを示している。
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今日の俳句 小判草 ( さゆり )

2009-06-05 | Weblog
  
  道端の風が揺らすよ小判草
  細糸に緑の穂揺れ小判草
  いつの代に付けられし名や小判草

  摘みたての籠の苺の甘き風
  よべ降りし雨に目覚める茗荷の子
  あふれ咲きて駅までのみち金糸梅
  
  老鶯のカデンツァ響く摩耶の谷


小判草はヨーロッパ原産で、明治時代に鑑賞用に移入され、帰化植物として今日でも、ドライフラワーなどに使われている。暑くなってくると黄褐色となり、草は枯れるから、小判草と言っても黄金色の穂にはならない。
最後の「老鶯」の句ですが、先日行った摩耶山で、山頂を散策しておりますと、何度も何度も美しい声で鶯が鳴くのです。これは、私たちに聞かせているのだな、鶯のカデンツァだ、、と思い句にしました。フエ二ックス様から、「夏鶯」としても良いのではとアドバイスをいただきましたが、私も「老」というのはあまり使いたくないのですが、この場合「老鶯(ろうおう)」として、流れ良く読みたいと思い上のような句にしました。
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今日の俳句(紫陽花)/龍峰

2009-06-03 | Weblog
  あじさいや主君に集う家臣たち
  紫陽花の酸アルカリの判定花

  子規庵の庭のあじさい咲からむや
  キャンバスにトルコの海や七変化

  屋上の苗植えかへて山仰ぐ
  絵の乾き早くなりけり五月尽

一年で一番爽やかな五月が過ぎ、やがて湿っぽい梅雨の日が来る。雨を呼ぶと言われる紫陽花が咲き出した。春先にあちこち訪ねたところで見た紫陽花はもう咲いていることだろうかと、ふと思う。
毎年屋上にプランタンを並べて夏野菜を植える。苗を植えて腰を伸ばすと六甲の緑が迫ってくる。いい季節である。
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