草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / はたはた (九分九厘)

2010-12-28 | Weblog

鰰に極楽ありき一夜干し
鰰や深き海より贄来る
 
霜夜更け荒神橋を渡りけり
大橋を渡れぬ霜夜荒神口

枯蘆の脚許走る海の風
枯蘆や刈られることに無関心

六甲の風をせびらに収め句座
刻を止め長考一句年の暮れ

今年最後の句会。兼題の一つが、故郷に思い入れのある人が出題した「はたはた」であった。関西の人はあまり食べる習慣がないと思うが。昨年の冬に北海道から友人が一夜干しを送ってくれた。とても美味しかった! 極楽の味であったかもしれないが、当の鰰にとっても私に食べられて極楽浄土の至福の時と思ったものだ。 
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今日の俳句/ 山茶花 ( さゆり )

2010-12-16 | Weblog
 ポストまで山茶花の垣二た曲がり

 山茶花の地にも零れて花明り

 陸奥の旅砦のやうな冬構

 雪吊の松見て雪を恋うこころ

 登校の子らの踏み行く落葉かな


先日の吉野での吟行句

 からすうり実の朱々と松の上
 冬帝の機嫌うるわし吉野山
 冬木立向うに山の迫りくる
 五六枚残りし櫻紅葉かな
 朝しぐれ止みて明るき吉野山
 猪の山に逃げたる足の跡
 冬いちご粒の赤きに息をのむ
 星冴ゆる谷間に響く水の音

吉野は素晴らしかった。殆ど観光客もなく、私達が独り占めしていた感じでしたね。
帰りの奥千本の所で雪が降り寒さに震えましたね。こんなところで修行するお坊さんはさぞ立派になられることでしょう。そんな事を思いながら山をおりました。皆様お世話になり有難うございました。
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今日の俳句/冬木立(龍峰)

2010-12-11 | Weblog
 一山の冬雲集む蔵王堂
 開扉さる蔵王権現冬の蝶
 綿虫の吉野の谷に浮かれ出で
 冬日浴ぶ真新の句碑鎭れり

 冬座敷闇をくぐりし瀬音かな
 障子越し暁迎ふ峡の宿
 冬の峰巡りし靴の固結び
 南朝の名残をしのぶ冬の寺

先日句会の一同と冬の吉野へ吟行に出かけた。枯木立に覆われた吉野は静かに冬を迎えつつあった。蔵王堂はいつも吉野の中心で構えており、吉野は日本史に時折登場してきた、京の離れのような地位にあった。それだけに歴史の名残が沢山あり、冬ざれの中で一つ一つ訪ねて考える貴重なひと時を持つことができた。
 
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今日の俳句 / 銀杏散る (九分九厘)

2010-12-05 | Weblog

銀杏散り黄泉の世界の湧き出ずる
紅葉狩りライトアップの夜更けかな

夕暮れの白き山茶花ものいはず 
山茶花や咲きては散りて地に明し
谿空の赤き山茶花旅しるべ

冬めくやしのぎ易きと我は言ふ

先月末京都で一泊し寧々の菩提寺である高台寺に出かけ、ライトアップの紅葉を楽しんだ。入場するだけで30分も待つと云う長蛇の列の中に入った。紅葉は昼に見ればいいのにと思いながら入場したが、苑内の池に写ったライトアップの紅葉は素晴らしい演出であった。これは昼には絶対見れないもので、人の作り上げた芸術空間である。成程これがライトアップの効用であるのかと改めて感心した。翌日は案内役をしながら永観堂から南禅寺にかけての紅葉狩りをしたが、京都の今年最高の人出であった。写真は永観堂の庭の紅葉でこれは素晴らしかった。。
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