帚木蓬生 は私の愛読する作家の一人である。最初に出会った「逃亡」に魅入られ、「三たびの海峡」「ヒトラーの防具」と次々に引き込まれ、殆んど全作品読んでいる。
その私が敢てこの二冊を取り上げたのは、戦後生まれの作者が(1947年生)膨大な資料を駆使して(なんと巻末の参考資料は17頁にも及ぶ)副題にもあるように「軍医たちの黙示録」 軍医たちが一人称の「私」として語る物語となっている。フィクションと言うよりもドキュメンタリー風作品集と言えようか。
ある章はとても読み続けるのが耐えられないような悲惨で残酷な話。またある章は止めどない涙を流しながら読み、またほのぼのとした麗しき場面等々。珠玉の短編集だ。
、書き出せばきりがないが、私の拙い感想よりも、なにはさておき一読を薦める。特に若い人に…
戦後67年 また8月がやって来ます。今こそ「戦争と平和」 を考えるべきではないでしょうか。平和は与えられるものではなく、自ら克ち取るべきものなのですから…