実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

共謀罪(下)  実戦教師塾通信五百五十号

2017-06-02 11:22:15 | 戦後/昭和
 共謀罪(下)
     ~「いざとなったら誰にでも使える」~


 ☆
政府はオウム事件を取り上げていたんですね。ずいぶんと野党の対  応が遅れたということなのでしょう。野党側に忘れて欲しくないの  は「テロへの恐怖を煽るな」ではダメだ、ということです。
  「煽るな」のついでに言いますが、総理安倍の平和憲法への言及に  対し、「北朝鮮のミサイルを利用した煽り」などという追求、まっ  たくの片手落ち、野党の無能を露呈してます。
  北朝鮮、そしてトランプも、日本は「自衛」について考えないとい  けないと促しているように、私には思えてしまいます。

 1 監視はゆるいのか
「テロリストは野放しになってる」
「現状のままでいいのか」
来たよ、という感じの前回「共謀罪(上)」へのもの申しである。野放しになどなってない。だから中核派の活動家も、動けないままに捕まる。彼らのような非合法を核心とするレベルへの取り締まりは、とてつもなく厳しい。野放しなんかじゃないぞ。
(1)尾行 肩を並べて歩くこと
(2)盗聴 話す電話口(携帯も固定もだ)に耳をつけること
(3)張り込み 部屋に一緒に寝ること
もうこうなると、公安警察も同居人である。これらの非合法活動家のもとに、トイレットペーパーに字があぶり出しで文書が届くという。読んだらトイレやお風呂に流す。緊急時は食べてしまうんだとか。
 そんな中での取り締まりが、人権侵害だと問題になることはなかったと思える。多分は、すでに存在する「爆発物等取締罰則」が対応していて、そこでは笑い事ではないようなことが起こっている。どんな状況の中でどんな非合法活動をどう継続していたのか、私は知らないし知りたいとも思わない。ただ、闇の中でこんなことがずっと今も繰り返されている。前回同様言うが、私はテロに絶対反対である。しかし、ここで考えないといけない。
「『共謀罪』がないと、防げない犯罪とはなにか」
本当はオウムも摘発できた。私はそう書いた。私たちは「共謀罪」を何も分かっていない。
 あとで繰り返すが、
「いざとなったら誰にでも使える」
今回の「共謀罪」においても、おそらくそこが大切で、問題なのだ。

 2 「共謀罪」のすそ野
「悪いことをしていない人間は『共謀罪』と関係がない」
「悪いことをしていないなら、堂々とすればいい」
こんな考えが、共謀罪を承認している。こういう連中は、世の中や身の回りに不満を持ったことがない。あるいは不満を持ったところで、それを胸にしまい込む。そして、そのことを「大人の自覚」などと言ったりする。疑問や不満を行動に移すと「不安」が発生することを、こういう連中は知らない。

たとえばデモをする。写真はシールズのデモだ。年配の方たちが多いが、ご存じの通りシールズは、若者のデモである。彼らの胸中にどんな思いが去来すると思う?
「お母さんが心配するかも知れない」
「テレビに映ったら、彼氏がなんて言うかな」
そして実際、家やデート先でケンカになる。堂々と出来ない理由は様々だ。すると、
「家族やパートナーを説得も出来ないのか」
などと無責任な追い打ちがかかる。話し合っている人もいれば、「揉(も)め事」を避けたい人もいる。それらをこの連中は分かってない。しょうもない放言が、ネットやツイートで拡散する。そして「噂」という力を持つ。なんだったらそれを、出所不明な「怪文書」と言い換えてもいい。そして私たちは、これらを「相手にする必要なし」と言えるほど余裕がない。私たちは非力だからこそ、デモに訴える。「相手にしなければ、そのうち消えるさ」というアドバンテージを、私たちは持っていないのだ。
 表に出た人々を「堂々と」非難する連中が「匿名」であること、そして「周囲に同調する」ことを本懐としてきた若者の多くが、この流れにいる。本当はこれらが「共謀罪」の広いすそ野を作っている。

 3 「破防法」
「堂々とすればいい」
で思い出します。私たち、いや我々と言った方がいいかな。我々の時代にもこの言葉が結構流通した。覆面とヘルメットのことだ。

 60年代後半~70年代前半の私たちは、別件逮捕と任意同行が日常茶飯だった。「火炎瓶立法」は72年施行だが、「破防法(破壊活動防止法)」施行は1952年。終戦直後の共産党武装闘争路線への対策である。60年代後半、この「破防法」がちらつき出した。国会でだったか、
「タオルと棒を持ったもの4、5人で逮捕」
なんていうのが議論される。私たちは、
「じゃ、草野球の帰りに銭湯へ寄ったら逮捕かよ」
みたいに笑ったものだが、実際それで逮捕された例もあった。
「いざとなったら誰にでも使える」
それが肝心なことだった。


 ☆☆
本当は、京大全共闘のドキュメント『パルチザン前史』まで言及したかったのですが、無理でした。この映画、ダイレクトメール便のカタログに載ってて、びっくりして買っちゃいました。これ、売れたんじゃないかなあ。またそのうち機会を見つけて書こうと思います。


 ☆☆
あと書かないといけないのは、茨城県取手の事件ですね。一昨日、NHKニュースウォッチ9のトップニュースでした。ご両親の、
「謝って来いと言われて出向いたのか」
と、顔で語っている姿が、切なかった。

 ☆☆
そんな話のあとに恐縮ですが、インディレースの最高峰インディ500で、佐藤琢磨優勝しました。嬉しいです。多分、琢磨を書くのは二度目かと。お父さん、喜んでいることでしょう。

     今年も手賀沼に蓮の季節がやって来ました

 ☆☆
明日は五十路になった教え子たちのクラス会です。さて、屋代課長は来るのかな。

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1 コメント

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盗○対○ (あきやま みつる)
2017-06-02 22:30:27
公○電○で話して短く切るのが一番安全である。

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