1月に買って、昨日ようやく読み終わった本。
「月に響く笛 耐震偽装」藤田東吾著
一昨年の年末に話題となった耐震偽装問題。その渦中にいてナニカと戦っていたイーホームズの社長さんが書いた本である。
この本では・・・んー(・へ・)
内容よりも、何故読破にそれだけの時間を要したかを先に書こう。
その理由は・・・
読みにくかったからデス
丁寧に書いている、と言えなくも無いけど、少し回りくどく感じられた・・・というか、かなりのボリュームもあって、読みすすむのがやや苦痛。
まぁ、本を書くのが本業ではないので、その辺はいいし、それでも私が読み終えれたのは、著者が真摯に書いていることが伝わってきたから。
さて、いよいよその内容について書こう。
アネハ・コジマ・キムラ・フジタ・ウチカワ・マブチ・・・
アナタはあの事件の様々な登場人物をどのように捉えていますか?
報道がどのように伝えたのか、正確には覚えていないけど、私は上記の順番で認識していった。飽く迄もマスコミのフィルタのかかった映像情報をブラウン管(ディスプレー?)を通して得、それを判断の材料とし、更に全く他人事として見てたのだけど、アネハという人にはそれほどの嫌悪感を感じなかった。『リアリティを感じられない現代人の一人』という認識でしかなかったのだ。コジマは、まぁ・・・ああいうヒトもいるだろね、と。キムラは線の細さが印象的。フジタはナニカを伝えたいというキモチは感じられたけど伝わってこない感じ。ウチカワ・マブチはあんまり印象なし。
結局は、そんなキャラクターの印象ですら、『劇』として、見る者の感情を動かす為の演出だったワケだけど、敢えてそのやり方に乗っかるならば、知られていない重要なキャラクターが、この本には実名で多く出てくる。
何故、それらの人達と彼らが属する組織は出てこなかったのか。
この本を買った動機のひとつにもなったのだが、あの騒動で気になったのは、フジタの報道での扱い方が途中で変わったような気がしたコト。どこがどう、と聞かれたら困るのだが、私にはそう感じられた。その変節はきっと上記の『何故』とリンクしている。
もちろん、この本に書かれていることが誰もが共有可能な『真実』ではないと思う(そんなものはこの世にハナから存在しないかもしれない)。しかし、報道が語った予定調和的な内容の『ストーリー』と比べると、『事実』の量は多いと感じられた。
どれが事実なのか、そしてそれをどう捉えるかは個人によるところであろうが、あの─まだ解決していないから『あの』という指し方は本当は正しくないのだけど─事件の本質と報道というものの性質を知るきっかけとしては、よいと思う。
本にもあったが、この問題に名をつけるとするならば、『耐震偽装』は相応しくない。『耐震偽装隠蔽』こそが名付けられるべきなのだ。耐震偽装でくくってしまうと、私のように無関心・他人事でいられる人もいるだろうけど、隠蔽する体質を問うならば、無関心でいられる人は少ない。
興味のある人はゼヒ。
・・・読むのシンドイよ~。