実は、台南の四川料理は大したことはない。
- と、オレはひそかに心の中で思っている。
( インターネットの上に書いてるくせに「 ひそかに 」 もくそもあるか!
という非難は当然あるだろう。
だがまぁ、これはレトリックってもんサ。 )
しかしそれは、
台南がもともと、
福建省とか大陸の南部から来た人の街だということと、
戦後、世界的に四川料理が流行った時には、
もう台北や高雄に較べると、
田舎になってしまっていたということから、
しかたがないんだ。
- なんてあきらめてしまわずに
中じゃあ結構頑張っているミセを紹介したのが、既出の
” 渝苑川菜 ”
だったんだが、
今日これから書く
” 四季小館 ”
も、そういう ” 頑張っているミセ ” の一つだ。
開山路にはローカル向けのPUBが多いが、
わりと静かな一帯の、大きな天主堂の向かい側に、
間口が小さくて奥行きがある
” 四季小館 ”
はある。
この日 ” 四季小館 ” に行ったのは、
オレの中に、
「 このミセはまともな四川料理屋だ。 」
っていう記憶があって、それを再確認する目的があったからだ。
だから料理は、他のミセと比較しやすいように
典型的な四川料理を中心に注文したゾ。
それではさっそく、
オレ達が食ったものから紹介しよう。
左上は、
” 鹹魚炒飯 ( シェンユイツァオハン、鮭チャーハン ) ”。
適度にパラパラ感があり、塩加減もちょうど良くてウマイ。
鹹魚には、サバを使うところもあるが、
ここは鮭で作っていた。
右上は、いわずと知れた
” 麻婆豆腐 ( マーボートーフ ) ”。
ここのはまぁまぁ辛い。
単品の味は普通だが、
( 言っておくと、沢山食べ歩いた後で
今のオレの四川料理への評価は、かなりキツイので、
” 普通 ” と言えば相対的には相当良い方になると思う。 )
左上の鮭チャーハンの上にこの麻婆豆腐をかけて食うと
うまくて何バイでもメシを食ってしまう。
左上は、
” 乾扁四季豆 ( ガンペンスーチートウ、いんげん豆とひき肉の炒め ) ”。
この料理はどうかすると油ぎっとりのが出てくるミセがあるが、
ここのはドライで食いやすい。
味はまぁ普通だナ。
右上は、
” 宮保鶏丁 ( コンパオチーティン、鶏肉の唐辛子炒め ) ”。
この料理は良い。
何が良いかというと、唐辛子の種を取ってない所だ。
だからすごく辛くて
「 やっぱ四川料理だなぁ。 」
っていう気分にひたれるんだ。
実は、
最初ミセに入ったとき、
11月も半ば過ぎなのに冷房が入ってて、寒くてびっくりしたんだが、
ここら辺まで料理を食ったら、
逆に、だらだら出る汗をふきながら食うハメになっていた。
だらり。
左上は、
” 薑糸肥腸 ( ジャースーフェイチャン、生姜と大腸の炒め ) ”。
これは、
そんな典型的四川料理じゃあないが、
黒シャツT君が食いたがったのでしょうがなく注文した。
( ヤツは大体、豚の内臓、鶏の脚、アヒルの頭なんかが好物なんだ )
このもの自体は、味付けに酢が効いていて、
さっぱり食いやすいものだったが
本来、典型的な川菜 ( 四川料理 ) でこういう料理を頼むなら、
” 搾菜肉糸 ( ザーツァイロースー、ザーサイと豚肉の炒め ) ”
くらいを注文するところだろう。
右上は締めに食った、
” 雪花蟹羹 ( シュエホワシェグン、カニ肉入りのとろみスープ ) ”。
結構良い味つけのもので、
入っているワタリガニの足がうまかった。
しかし
実はこの料理でオレが感心したのは、
料理自体じゃなくてネーミングの方だ。
このミセの菜単 ( メニュー ) は、
立派な厨師 ( コック ) がいる所特有の書き方で、
料理名が、ページ毎に漢字の文字数を統一して書いてある。
( 4文字の漢字名のページの料理は全部4文字、
5文字の漢字名のページの料理は全部5文字に統一するわけだ。
一番良いのは全部統一するわけだが、これはなかなか難しい。 )
だから
” 蟹肉湯 ”
と書いてしまえば良いこの料理も、菜単の前後関係を考慮して
” 雪花蟹羹 ”
なんて言う、うやうやしい名前にしてあるわけなんだナ。
えらい。
左上は、サービスで出てきた
” 愛玉 ( アイユイ、木の実から取れた粉で作る寒天みたいなもの ) ”。
柑橘類のジュースの中に、愛玉とこんにゃくが入っていて
杏仁 ( シンレン、アーモンドの様な木の実でニッキの様なにおいがする )
の粉が入っていた。
すっきりと食いやすいデザートだ。
右上は、四季小館の店内の様子だ。
店内は清潔で、
値段も手ごろだから、
すごく混んではいないが、
いつ行ってもそこそこのお客さんがいる。
ちょっとここで、
ミセの評価をまとめちゃっておくと、
やはりここは、
台北の一流店とか、大きなホテルなんかとは比較できないまでも、
( そんな所とは値段もちがうしナ )
なかなかまともな四川料理を出すミセだ。
台南では有名な、既出の
” 渝苑川菜 ”
とは全く互角だと思うネ。
最後になるが、
” 四川料理 ”
を含む
” 中華四大料理 ”
について、この機会にまた少しまとめておく。
” 東東粤菜餐館 ”
の時に書いたように、
中華には
” 四大料理 ”
というのがあって、それぞれ、
上の地図に出ている
北京、上海、重慶(成都)、香港
等の大都市を中心にした地域の、特徴ある料理になっている。
( この分け方には異論が多いだろうけど、
オレにとっては、簡単で理解しやすい覚え方だ。 )
料理方法とか料理自体は、
京菜 - ジンツァイ、北京料理 昔だと魯菜( ルーツァイ、山東菜 )になる
滬菜 - フーツァイ、上海料理 昔だと蘇菜( スーツァイ、江蘇菜 )になる
川菜 - チュワンツァイ、四川料理
粤菜 - ユエツァイ、広東料理
と呼ばれていて、
中華料理のミセによっては、
” ○○川菜 ”
という感じに、ミセの名前に川菜とか粤菜の字をつけていて、
客が
「 おぅ、ここは四川のミセだな。 」
なんて、判りやすいようにしているところも多い。
すごく簡単な料理の特徴としては、
” 北鹹、西辣、東酸、南淡 ”
といって、
北の北京料理は塩味が濃い目で、
西の四川料理は唐辛子とか山椒で辛くしてあり、
東の上海料理は酸味があり、
南の広東料理は味付けがあっさりしている。
- と大雑把には言われているようだ。
さて、
今回はこの四大料理の内、
四川料理のミセについてレポートしたんだが、
四川料理の代表的なものといえば、
麻婆豆腐、回鍋肉、酸辣湯、宮保鶏丁、乾焼明蝦 など
味付けがあいまいでなく、特徴があるものが多いので、
ミセによる うまい/まずい の判定が
割とクリアにつけやすい。
ということで、
ミセとミセの食べ比べをするのが結構面白いから、
台湾で時間がある人は、
いろいろな街のいろいろなミセを回ってみると
自分自身の味覚がどんなものか - もはっきり判って来るし
なかなか良いと思うゾ。
- そんなところで、
今回は、これにてご無礼いたす !!
一昨昨日のアクセス数 - 668
一昨日のアクセス数 - 662
昨日のアクセス数 - 881
一昨日は、成功大学のトラックで13.5kmJOGをやりました。
昨日は、ジムでウェイトをやりました。
今日は、成功大学のトラックで14.0kmJOGをやりました。
ING安泰の国際レースまであと、24日
( 今回が最後の入賞チャンスかもしれません。 )
----- P.S. 転勤のことなど ------
2002年の秋から3年以上駐在した台南だが、
12月1日付けで、
オレは新竹市の方に転勤することになった。
だが、
台南の事務所の人数も少ないので、
台南に帰って来て仕事をする機会も多そうだ。
だから、この
” 台南・ダイアリー ”
はやめない。
但し、
台南にいる時間量は相当へると思うので、
台南についてのレポートは少なくなるだろう。
その分は、新竹とか台北の話を色々書くつもりだ。
ただ、
新竹なんかには前から日本人が沢山いて
結構色々紹介されているので、
そっちのレポートをする時には、今日の
” 中国四大料理について ”
みたいな、一般的な話題を中心にして書くことにする。
それで、
台南のことを書くときには、今まで通り、
” 余り知られていないけれどオレがウマイと思うミセ ”
みたいな話を中心に書いていこうかナ
- と漠然と予定している。
( 更新とか、書き込みの返事は、
更にルーズになるかも知れないので、先に謝っておきます。
「 どうもすみません。 」 )
----- P.S. 転勤のことなど おしまい -------
なんだか寂しいですね・・・。
でもこれからも台南ダイアリー続けてくださるとのことで、台南好きにとってはうれしい限りです。
これから引越しなどでお忙しいとは思いますが、お身体に気をつけて。
新竹の情報なども楽しみにしていますね(^^
私も台南が大好きで,いつも読ませていただいてます。tadaさんの語り口にはまってます。
転勤されるとのことで,1月に行くときには台南の街のどこかですれ違えるかも・・・と思っていましたが。残念です。
これからもダイアリー楽しみにしていますね!
新竹のお店もtadaさんの目を通して紹介されたらきっと楽しくなります。新竹バージョンも是非お願いします!
コメントありがとうございます。
そういうことで転勤になりまして、実際の移動は12月の中旬になりそうです。
台南のことについて色々情報をもらって書いているうちに、自分の知識の整理にもなっていましたし、
そういう意味で、このBLOGもまだまだ終わりにできない感じです。
また時間が御有りの際に是非お立ち寄りください。
それでは失礼いたします。
コメントありがとうございます。
このBLOGを書き始めて1年半ですが、食べ物のことだけでも、
火鶏肉飯も陽春麺も鮮魚湯のことにも手がついていません。
と、いうことでまだまだ続けるつもりですので、
時間が御有りの際には、このBLOGへもまた是非お立ち寄りください。
それでは失礼いたします。
コメントありがとうございます。
新竹へは、12月の中ごろ移動する予定ですので、
本格的に新竹とか台北の話を書き始めるのは、来年からになるかもしれません。
いずれにしても頑張って面白くするつもりですので、
またこのBLOGも時々チェックして見てください。
では、失礼いたします。