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しびれるくらい美しい-
脳のメカニズムをそう表現する1970年生まれ、現在コロンビア大学博士研究員である池谷裕二さんが、慶應義塾ニューヨーク学院高等部在籍8名の生徒を前に行われた全4回の脳科学講義の記録である。
副題は→中高生と語る[大脳生理学]の最前線
もしも君が両腕をしばられたサルが、目の前にあるロボットアームをイメージするだけで器用にモノをつかんだり置いたり、操作している映像を観たら、おそらく随分驚くだろう。信じられる?SF映画でもCGで処理されたものではない。実際可能なのだ。
タネあかしはこうだ。まずサルを訓練してジョイスティックを使ってロボットアームを自在に動かせるようにする。そうなったところで、手術して脳に電極を刺して脳の活動、神経細胞の活動を記録する。(ちょっと痛そうだが)つまりジョイスティックを操作している時の脳の反応をコンピュター制御によってリアルタイムのプロセスを分析し、収集したデーターを、次にロボットアームに直接つなげてその通りに動くようにする。その結果、サルはイメージするだけでロボットアームを脳から直接遠隔操作できるのである。
そんな驚きもののトピックスを紹介しながら、中高生にもわかりやすく哲学的な話にもふれ、脳のやっぱり私も美しいと感動できる機能や、記憶、意識、体と脳の関係、そして最後に著者の専門である薬やアルツハイマー病へとこの講義は実におもしろくて楽しいのである。もしかしたら君のものごとの考え方や世界観も変わるかもしれないよ。
私のモーツァルトの音楽を美しいと感じ、Gacktの声が大好きだ、こういう感動や感情は意識的に変えることはできない。君だって好きな女の子の惚れたらしょうがない、好きなもの好きなんだからと思うだろう。そんな表現を選択できない感覚を「クオリア」という。私たちは脳の奴隷か・・・。しかもクオリアは抽象的なものであり、抽象的なものは言葉が生み出した幻影なのだ。
私たちがみているこの世界だって、人間の視覚機能をもってみている世界であり、別の動物や昆虫の機能が備わっていたら全く違う世界がみえるだろう。世界があって、それをみる為に目が発達したのでない。目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った。今みえている世界こそが真実の世界だなんて、そんな考え方がそもそもおかしいのであった。
人の心はどこにあるのか、人間というのはなにものなのか。
そんな大きなテーマーに人類の探索ははじまったばかり、けれども脳科学の研究には従来の心の固定概念をくつがえす革命的な発見がある。20世紀は物理の時代だったが、今世紀は生物の時代だ。それなのに受験の効率化をはかる中高一貫教育校などでは、生物の授業がカットされていると聞く。こんなに生物はおもしろいのに。
知的好奇心を学ぶ意欲につなげていくのが教育なのだ。
「僕らが生活しているこの世界がこんなにも不思議に彩り豊かで光り輝いてるんだから、そういう感覚を生み出す脳が、そんなに単純なものであるはずがない。・・・人間ってこんなにも素適な存在だから、人間に脳がそんなに簡単にわかってたまるかってね。
脳科学者ってやつは、そういう矛盾に気づきながらも、やっぱり夢見ちゃうロマンティストなんだろうね。」
そんな池谷さんの講義のしめくくりに思わずうなずく君、もしくはかっては中高生だったいまだにロマンチストのおじさん、おばさんにも必読の書である。
感想文はここへ
脳のメカニズムをそう表現する1970年生まれ、現在コロンビア大学博士研究員である池谷裕二さんが、慶應義塾ニューヨーク学院高等部在籍8名の生徒を前に行われた全4回の脳科学講義の記録である。
副題は→中高生と語る[大脳生理学]の最前線
もしも君が両腕をしばられたサルが、目の前にあるロボットアームをイメージするだけで器用にモノをつかんだり置いたり、操作している映像を観たら、おそらく随分驚くだろう。信じられる?SF映画でもCGで処理されたものではない。実際可能なのだ。
タネあかしはこうだ。まずサルを訓練してジョイスティックを使ってロボットアームを自在に動かせるようにする。そうなったところで、手術して脳に電極を刺して脳の活動、神経細胞の活動を記録する。(ちょっと痛そうだが)つまりジョイスティックを操作している時の脳の反応をコンピュター制御によってリアルタイムのプロセスを分析し、収集したデーターを、次にロボットアームに直接つなげてその通りに動くようにする。その結果、サルはイメージするだけでロボットアームを脳から直接遠隔操作できるのである。
そんな驚きもののトピックスを紹介しながら、中高生にもわかりやすく哲学的な話にもふれ、脳のやっぱり私も美しいと感動できる機能や、記憶、意識、体と脳の関係、そして最後に著者の専門である薬やアルツハイマー病へとこの講義は実におもしろくて楽しいのである。もしかしたら君のものごとの考え方や世界観も変わるかもしれないよ。
私のモーツァルトの音楽を美しいと感じ、Gacktの声が大好きだ、こういう感動や感情は意識的に変えることはできない。君だって好きな女の子の惚れたらしょうがない、好きなもの好きなんだからと思うだろう。そんな表現を選択できない感覚を「クオリア」という。私たちは脳の奴隷か・・・。しかもクオリアは抽象的なものであり、抽象的なものは言葉が生み出した幻影なのだ。
私たちがみているこの世界だって、人間の視覚機能をもってみている世界であり、別の動物や昆虫の機能が備わっていたら全く違う世界がみえるだろう。世界があって、それをみる為に目が発達したのでない。目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った。今みえている世界こそが真実の世界だなんて、そんな考え方がそもそもおかしいのであった。
人の心はどこにあるのか、人間というのはなにものなのか。
そんな大きなテーマーに人類の探索ははじまったばかり、けれども脳科学の研究には従来の心の固定概念をくつがえす革命的な発見がある。20世紀は物理の時代だったが、今世紀は生物の時代だ。それなのに受験の効率化をはかる中高一貫教育校などでは、生物の授業がカットされていると聞く。こんなに生物はおもしろいのに。
知的好奇心を学ぶ意欲につなげていくのが教育なのだ。
「僕らが生活しているこの世界がこんなにも不思議に彩り豊かで光り輝いてるんだから、そういう感覚を生み出す脳が、そんなに単純なものであるはずがない。・・・人間ってこんなにも素適な存在だから、人間に脳がそんなに簡単にわかってたまるかってね。
脳科学者ってやつは、そういう矛盾に気づきながらも、やっぱり夢見ちゃうロマンティストなんだろうね。」
そんな池谷さんの講義のしめくくりに思わずうなずく君、もしくはかっては中高生だったいまだにロマンチストのおじさん、おばさんにも必読の書である。
感想文はここへ
私は寺子屋日記の筆者じゃなく、寺子屋日記の管理者、ということにしてください。
彼女の書いた記事に 樹衣子さんのブログにTBしたいと思って貼らせて頂きました。
筆者には 事後報告でした。^^;
素敵なブログのタイトルといい 内容といい
何か心惹かれるものがあります。
私もこの本 1日目の講義しかまだ読んでいませんが
とても気に入っています。おもしろいんだもの!!
リズムがいいし、とてもわかりやすい。
また読み終わったら 感想など書いてみます。
コメントのお礼をと思ったら つい 別件でコメントしてしまいました。m(_ _)m
了解しました。
本当におもしろいですよね。あまりトピックスをかいてしまうと、これから本を読もうという方に申し訳ないので、ブログはあいまいで抽象的な文章になってしまいましたが。
また生徒たちの受け答えもなかなかキレルのですよ。ただひとつだけかってな欲をいえば、価格です。あの紙質と装丁で1500円は少々お高めかなと。中・高校生のお小遣いを考えたら1000円程度におさえてほしかったです。
それからHALさま、私はそのお名前から映画「2001年宇宙の旅」のある登場人物?を思い出しました。