石の飛行機(3)

2018-01-13 10:11:52 | 童話
来週もプロペラの石の飛行機に乗ろう。
学校から帰って、宿題をしてから自転車で川原へ行った。僕の石の飛行機は無事だった。
しかし、もう遅くて飛行機には乗れないので、見ただけですぐに自転車で帰った。
次の日も、その次の日も、僕は川原へ見に行った。
そして、土曜日に宿題を終わらせてから、僕の飛行機に会いに川原へ行った。飛行機が無事なので操縦席に座った。

『エンジン始動、ブルブル、ブルブル。管制塔、管制塔、こちらはJA123、離陸の許可を下さい。』
『こちら管制塔、離陸を許可します。』
『ブ~ン、離陸します。』
『今日もエンジンは快調だ。よし、今日は川の上流へ行き、山の上を飛ぼう。』
川幅が段々と狭くなってきた。向うに見える山の上を飛ぼう。
操縦かんをいっぱい引いて上昇だ。ブイ~ン、山を越えたら湖が見える。あの湖まで行ったら帰ろう。
『管制塔、管制塔、今からかえります。』
『こちらは管制塔、帰るのですね、了解しました。』
飛行機は無事川原に着陸した。
僕は操縦席から降りて、自転車で家に帰った。

夕飯の時にお母さんに、僕の飛行機で湖まで行ったよと言うと、お母さんは『すごいじゃない。』と言ったが、お父さんは、『もっと大きな飛行機で外国へ行ってごらん。』と言った。
僕は、明日はもっと大きいジェット旅客機を作ろうと考えた。そして、ワクワクしながら寝た。