二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

わび さびのわかる二胡

2010-10-30 12:30:12 | ■工房便り 総合 
これからしばらく、光舜堂の二胡の、材料のことを書こうと思います。

まずはじめに、紅木(コウキ)です。


紅木(こうき)は英名でRedsander Woodと言うインド南東部原産の中高木です。

製材したては紅色で、空気に触れて暗褐色となります。

日本では、古くから、三味線の棹などに使用される木です。

現在ワシントン条約(CITES)付属書2類に指定されています。

インド国内法等でも、取引が規制されています。

ですから、今は殆ど日本には入ってきません。

たまたま、規制前の材料が、手に入りました。

この木で、3台分の二胡作っています。

三味線の棹に作ると、他の黒檀や花梨などに比べて、

華やかに四方に広がる音を作りだします。

いわゆる中国で言う紫檀の二胡の音に近いのですが、

紫檀の明る音だけでなく、ずっしりとした、響きを持っています。

悲劇のバックに使えそうなその音色は、日本人にはたまらないと思います。

多分、二泉弦を張れば、雑踏の中でも染み透っていく響きと鳴りです。

いわゆる遠鳴りのすると言われる二胡になります。

アービンに持っていってやったら、とても喜びそうな楽器になると思います。

中国にも、この木は、古い家具を解体する以外には無いと言います。

もちろん、大きな国ですから、日本よりはあるとは思いますが、

実際に作られた二胡があるのかどうかわかりません。

また、今後私の手に入るのかどうか、

それも解りません。

ですから値段のつけようがないというのが、今の心境です。

また、今準備している、西野二胡の試奏の楽器の中にも、

1台だけ入ります。

名前をつけました。「伏姫」です。

どなたの手に渡るのかは、解りません。

わびさびのわかる二胡、楽しんで下さい。

西野和宏


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1 Comments

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コウキって (Jimmy)
2010-11-01 20:53:37
津軽三味線のお師匠さんに聞いたところによると、コウキの三味線のお値段は300~400万という高級乗用車が購入できるお値段とか。
当然ながらプロ用でございますね。

それを二胡にとはなんという贅沢極まりないことか。

間違って池に二胡を沈めてしまって泣いているときに、神様が『あなたの二胡はこのコウキの二胡ですか?』と思わず訊いてくるようなものですね。

神棚に飾っておkたいくらいのもです。

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