二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

最近活躍しているのが、これ!

2023-06-22 16:11:06 | ■工房便り 総合 

ほぉさんが名付けた、松富士駒。
普通の駒の倍の18ミリくらい横幅のあるものです。
5月の神戸での調整会でも一台の二胡に使いました。
これは蛇皮がとても柔らかくなって、皮のどこを指先で押してもへこんでしまうという状態の時に使います。
経年変化で蛇皮が柔らかくなった時には、真ん中を押すと全体がへこみます。
綺麗なお皿状にへこむのですが、時々あるのが、普通はへこみにくい皮の端でもへこむのです。
どうも元々の張りからしてこのような張り方があるみたいです。
また、15年18年と20年近く弾いてきた蛇皮にもこの駒はとても良い働きをします。
見た目で嫌う人もいるようですが、純粋に良い音を求める人には、是非お勧めします。市販していませんので、光舜堂にお問い合わせください。
不思議なことに、この松富士このところ続けて依頼が来ています。
駒と言えば、
最近作っているのが、この右から2番目、シャム柿の駒です。
硬い繊維質の木ですから、とても良く響きます。特に中音から高音。
そして何となくエコーが掛かったような感じがあり、これは演奏会などでも活躍するかもしれません。
市販品の中に無い駒と言えるでしょう。これも楽しいです。
高音が響くと言えば、真ん中の真黒黒檀、これは昔から定番ですね。
細かいクラックの入った真黒黒檀ですから高音が響くのでしょう。
このセットは、浜松のアオイ楽器さんの担当のKさんに頼まれていくつか作ってお店に置いてあります。
お近くの方は試しに弾かせてもらったらいかがでしょうか。
また、演奏家の方からも駒の制作の依頼が来ていて、もう少し高さのある彪駒、あるいは12年も弾いている楽器ですので、巾も高さも増やした松節作れますか?
速弾きのためにもう少し弦溝の幅を狭めたいのだけれど。などなど、かなり音質にこだわる演奏家の方からも駒の制作依頼が増えています。
本来は駒は、楽器に合わせるべきなのでしょう。
松節だと、柔らかい冬目が使っているうちに少しつぶれて、次第に楽器に合うようになるので、私としては既成に販売するのは現在は松節だけにしています。
ただ先日広島の方からいらしていただいたお客様は、先生がどなたかのお持ちの彪駒が気にいられて、代わりにご注文いただいた事などもあります。
既成で販売した時には楽器によっては合わないこともあります。
現状二胡の業界ではこのように皆さん色々購入してその中で会うものを使うというのが普通ですから仕方がないのかもしれません。でも、私としてはお試しいただくか、あるいははっきりご自身の楽器が分かってご注文で作るというのが、良いのかなとは思っています。
なにしろ蛇皮は弾きこめば弾きこむほど緩くなり、それに従って駒の高さも変えていくのが望ましいのです。
ですから皆さんが、駒を購入するときには、種類の違いよりも高さ違いの物を選ぶ方が、ご自身の楽器に合わせやすいと思います。
やってみてください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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