手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

母指でのフック‐その1 ~フックの技法~

2008-02-04 23:06:12 | ASTRについて
母指は指圧やマッサージなど、いわゆる体を「ほぐす」テクニックではたいへんよく使われるところです


それだけにムリをかけやすいところで、マッサージ師でも腱鞘炎をおこして傷めてしまう人もいるくらいなので注意が必要です。


私がずいぶん前にアルバイトをしていたマッサージ店には、腱鞘炎になった母指をテーピングでぐるぐる巻きに固定して仕事をしている人がいて、何やら悲壮感がただよっていました


指でのフックには、伸ばしてフックする、または曲げてフックするという2通りの方法があります。


まずは、母指を伸ばしてフックする場合ですが、これは指の骨から前腕の骨(指節骨・中手骨から橈骨)にかけてできるだけ一直線に保ってその状態でフックし、残りの四指は、母指を安定させやすいように支えます。



イメージとしては、母指の指先と肘が一直線になるような感じでしょうか。


こうすることで手の骨格でフックすることになるので、体重をかけていっても筋肉への負担は最小限になります。


反対に、母指が外に開いたり内側に閉じたりした状態でフックすると、母指球の筋がふんばりだします。

これはいかにも「がんばって仕事してます」という感じにはなるのですが、筋肉や腱に必要以上のムリがかかるのでホドホドにしておいたほうが無難です。


とはいうものの、フックする部位や角度、患者さんとの体格差のために指を曲げざるをえないときもありますが、クセにならなければ大丈夫でしょうから、そのあたりは臨機応変にいきましょう。


母指を伸ばしてフックする方法は、全身のあらゆる部位で用いることができてとても便利です


そうそう、親指を傷めないようにという話のついでですけど、マッサージには強擦法やDTM(Deep Transverse Massage)という、組織を圧迫した状態でグリグリと動かして癒着をはがしたりする方法があります。


これをするときに、親指をこねるように動かしてする人がいます



危ないでっせー いっぱつで指ヤラレまっせー


強擦法やDTMを母指で行うときは、前腕(関節としては肘)から動かすようにしましょう。

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