ケータイやめます
ケータイの通話やメールの相手はその70%以上が
「今」「ここ」にいない「ほぼ毎日会える人」
である。その通話や通信の中味は
「今なにしてる?」「今ヒマ?」
程度のことである。
こういうと大体の高校生はうなずくんです。で、月に平均値で7000円から8000円、多い人で2万円から3万円のカネを落としているのです。で、その支払いは、親がしているわけです。
で、僕は、受講生の人にこういう風にいうんです。
「みなさんは、かけ算ってできますか(笑)?7000円×12っていくら?・・・
そうです。84,000円ですね。どうせ、くだらねえことで通話やメールしているんです。
「今ヒマ?」「今何してる?」って。
だったらね、こういう提案は成立しないのだろうか?家にかえっておっかさんに言うんだよ。
『僕、ケータイやめます。その代わり70000円ください。(お母さんにとって年間14000円お得なな話だね!)で、その金で語学学校へ行って英語が話せるようになります。大体、ワンレッスン1200円程度なんで、50時間やれます。夏休み毎日7時間、1週間通いっぱなしにいってきます。』
っていうんです。語学漬けになるんです。きっかけが大事なんです。もう、一日中英語英語で漬け込むんです。本当はそれを1ヶ月やれるといいね。朝から晩まで英語だけ。僕は保証する、絶対しゃべれるようになるって。
英語力はカネになる
つづきをいいますね。
「でね、いまバイトいくらです?時給700円とか800円でしょ?英語しゃべれてご覧なさい。大体、移動空間が広がるよ。アジアだけでもインドまでいけるね。気がついたらシンガポールってことはありえるわけじゃないですか。
絶対時給5000円の仕事が見つかるぜ!で、英語が読めて、書けてごらんよ。まちがいなく、時給10000円があるって。」
総合学習というコンセプト
私は元文部官僚の寺脇研の総合学習に関する見解を聞いたとき、けっこう納得したものでした。いま上に書いた文章を読んで、マンガチックを感じた方はいらっしゃるだろうと思うのです。しかしね、この程度のメッセージがけっこう高校生には新鮮であったりする現実があるのです。そのくらい、英語を学ぶ意味もプラグマティックな現実感もないわけなのです。それはね、英語を学ぶということが現実に持つ意味、つまり、社会がまったく学校には脱落してしまっているということなのです。すくなくとも、そういうメッセージを送るだけの情報も、ネットワークも学校にはないのです。私は長いスパンにおいてはこの努力は学校社会の〈ニッチ(隙間)〉だと確信しています。この英語のネットワークを学校へと巻き込むこと、英語を学んだら時給がホントに2000円になる、いやもっと現実的に1500円がくる、という現実をどうやったら学校に到来させられるのか、私たちは考えなければいけないと思っていますね。そういうことを必死でやっているのが、実はインドです。
私たちの前回と今回で私は学校には社会が、社会関係が英語という授業の中からすっぽり脱落している。単に定期テストだの、成績だの、入試だのという刺激が脱落したときにはすっぱだかで無意味が露出する、こういうストリームを変える運動が必要だと私は考えています。そのためには、今の閉じた規制だらけの学校の雇用システムではだめでしょうね。英語こそ私は塾や、英語会話学校を入れるべきだと考えています。今、学校の教師はこういう問題をシニカルにしか語れないのです。生徒を侮蔑し、生徒にあきれるというパフォーマンスはあります。しかし、それを超えてゆこうという努力は殆ど皆無といっていいのです。
英語なんざあたかだか、ことばじゃねえか!!というメッセージを送れ!
英語ができるだけで、こういうメシの食い方が可能だよ!!というメッセージを送れ!
おそらく、現場の英語教員はこういう努力を促すメッセージをもっとも恐れ、毛嫌いし、避けています。その上でシニカルなのです。
そして、こういうメッセージをおくるのです。
「授業中ケータイをやっていたら取りあげる!!たたく!!正座させる!!」
NOVAをいれてみようじゃないか。彼らが頭髪検査をやるだろうか?ジオスをいれてみようじゃないか?ECCをいれてみようじゃないか?
彼らはウソでもそういうメッセージをひねり出そうとするだろう。
私ははじめに「ケータイをやめます」というメッセージを書いた。現実問題としては、学校からはこのメッセージが生徒に伝わっていないのです。そして、ケータイの林が林立しているのです。この構造を変えることが教育改革です。理屈じゃない、そういう事ができる人間が学校で給料が取れる社会にすること、ここに教員の評価の原点もあるし、構造改革の原点もあるのです。
【参考】
・英語力 1 問題の所在
・英語力 2 英語がむずかしいってのがおかしいのだ
・英語力 4 ルサンチマンを超えて
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