人生ひとり旅気まま旅

ぶらり海外旅行に行った記憶、思い出を中心に楽しく伝えたい。

ミャンマーの民主化も中国次第?

2010-05-07 09:28:54 | 日記
北朝鮮が、ブッシュ前アメリカ大統領に悪の枢軸と呼ばれて久しいが、アジアにはもうひとつ悪の枢軸が存在するんだよね。

そう、ご承知の通りミャンマーです。まあここは北朝鮮とは違い、観光として訪れることも可能だし、観光地の規制も特には存在しない。国民も穏やかで親切だし、食べ物も意外とおいしい。

そんなお国柄なんだが、実はもう一つの顔を持っている。そう軍事独裁というやつだ。北朝鮮ほど外国との交流を規制している訳ではないが、ここの軍事政権というものはまさにあの「ランボー4」の映画に出てくるミャンマー軍そのもので、逆らえば死ぬまで独房入りということも可能にしてしまうほどの権限を持っている。

そんな中、1988年にミャンマー建国の父アウンサン将軍の娘で民主化運動家のアウンサンスーチー女史が中心となって創設された「国民民主連盟(NLD)」が、今回20年ぶりに行われる総選挙を前にして、解党さえることになったというんだな。

一体なぜなんだ。20年前の総選挙ではNLDが全議席の8割以上を獲得する地滑り的大圧勝だったんだが、軍事政権はこの総選挙の結果を無視して今に至っているんだね。民主化運動の中心であるアウンサンスーチー女史を事あるごとに難癖をつけた上で自宅軟禁にして弾圧をしてきた経緯がある。

こうした軍事政権に対して世界中から人権無視だという非難が起こり、さすがに無視できなくなったために20年ぶりの総選挙を行うことになったんだが、ここでまたウルトラCを用意していたんだね。

それはなにかというと、この3月に軍事政権側が、政党登録法など選挙関連法を制定したんだね。この内容というものが、総選挙に参加する政党は、5月6日までに選挙管理委員会に登録をしなければならないということなんだね。

それじゃ登録すればいいんじゃないと思うんだが、過去に有罪判決を受けたものは党員にはなれないという項目を作ったんだね。要は、アウンサンスーチーさんを露骨に外すための法律を作ったということなんだな。こういう下準備をしたうえで選挙を行い、公正な選挙だったという言い訳を事前に準備したということなんだね。

そこでNLDは、アウンサンスーチーさんを外して選挙をするか、それとも党を解党するかの2者択一になってしまったということだ。結局政党としてではなく民主化運動を続けるという形を取ることにし、選挙には出ないという決断を下したようだ。

これで国民としては選択肢が無くなってしまったわけで、ますます民主化から遠のく形になりそうだね。世界中も逆にNLDが参加しない総選挙は正当ではないということで、ますます非難が高まりそうな気配だね。

しかし、このミャンマーという国は、以前から人権問題で世界中から様々な制裁を受けているんだが、豊富な地下資源や農産物などがあるために、結構耐えてきているんだね。しかも、豊富な地下資源目当てで中国が裏で軍事政権を支えているということもあり、この辺りが世界中から非難されても平気でいられるところなんだね。

北朝鮮もそうだが、中国が国連の舞台で動いてくれれば、ミャンマーの民主化もありうるんだろうけれど、中国にはそんなことよりも自分の国に有益な資源の供給源を確保しておきたいという思惑の方が上なんだな。

世界経済もそうだし、こうした人権問題を抱えた国に対しても大きな影響を与える中国というのは、ほんとある意味アメリカなどよりもよっぽど大きく恐ろしい存在になってしまっているんだね。

交戦好きなアメリカの横暴も困るが、世界一の人口を誇り世界中に蔓延る中国人に乗っ取られるのはもっと恐ろしいね。