目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

るろうに剣心 ★★

2012-11-18 19:04:30 | ★★
上大岡のTOHOシネマズで結構前に鑑賞、、、してたのに感想を書いていませんでした。

(あらすじ)
今からおよそ140年前、幕末の動乱に揺れる京都に名を轟かせる一人の暗殺者がいた。
名は緋村抜刀斎。その神速の剣技と驚異の暗殺成功率から『人斬り抜刀斎』の通り名を持ち、幕府要人や佐幕派の武士達を震撼させていた。
それから10年の月日が流れ―。時は明治11年。抜刀斎は剣心と名を変え、以前とは打って変わって人の命を奪うを良しとせぬ『不殺(ころさず)の誓い』を掲げ、日本各地を旅しながら、か弱き人々を剣の力で守り助ける流浪人(るろうに)として、穏やかな日々を送っていた。
(以上Wikipediaより)

観て来た当時の感想としては、やはり、るろうに剣心の実写映画化自体が相当難しいなあと感じたことです。
大友監督は龍馬伝全話観たくらいに私は好きな作り手ではあるので丁寧な人だとは思っていましたが、ここまで丁寧な人だとは少し予想外でした。漫画やアニメがうまーく省いてたところをかなり詳細にやってる印象を受けました。
劇中での汚しの技術は龍馬伝での香川照之の汚しからもわかるように流石の一言でした。ちょっと弥彦とか汚しすぎじゃない?と焦るほどでした。剣心も最初かなり汚しが入ってるし。いつものスタイルに着替えるまでの間はあまりの汚れっぷりに焦りました。
漫画を読んでる原作ファンにもかなり気を遣った内容にはなってはいます。それは間違いないところです。だからこそ、気になるところもあります。最初の実写化としてはかなり頑張ったようにも思うので、多少は甘くみてあげたくはなりました。ただ、言えるのは原作に気を遣ったせいで、かなりエピソードが色々詰め込まれてる点です。色んなキャラを出すためなので仕方のないことなんでしょうけど…。もう少しスリムにした方が良かったかと重いますね。二時間を超える大作になってしまっているのだから、もう少し見せ方にはこだわってほしかったです。というよりは、もう少し省くべきところを省くべきだったと思います。
こうして映画観て思うのはやはり、るろうに剣心って実写化するのかなりめんどくさいということ。特に京都編入るまでって、かなりディテール凝ってて原作者もしっかり取材して幕末から明治の時代背景をしっかり描き込んであるわけでして単なる時代劇ではないのですよね。一人一人のキャラのバックボーンがしっかりしてるわけで。。。
たとえば、本作品では弥彦関連のエピソードはごっそり抜け落ちているわけですよ。東京士族の誇りを持つ、明神弥彦の男気溢れるエピソードはなく、単なる神谷活心流の道場の弟子になっている。正直、今回だけの映画化なのだったら、弥彦そのものの描写を省いてもよかったのでは、と思う。
斉藤一も出す必要あったのかなあ、とも感じるわけです。通常、時間は限られているわけだからもっとシャープなお話にして、キャラクター一人一人を掘り下げることこそ、「るろうに剣心」という作品の本来の良さだったんじゃないかなあ、と思うわけです。そういう意味ではきわめて実写映画には向かないタイプのお話なのかもしれないですけど。

全体として、とてもバランスのよろしくない作品だったことは間違いがありません。そういう意味では非常に「惜しい」作品だったと思います。佐藤健の剣心も吉川晃司の刃衛も江口洋介の斉藤一もかなりよいキャスティングだったし、香川照之は相変わらずの怪演っぷりで、素晴らしかったのですが。。。。脚本が非常に残念だったと言わざるを得ないかなあ、と。


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