目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲- ★★

2011-04-30 11:14:54 | ★★
DVDで鑑賞。



(あらすじ)
ゼブラーマンこと市川新市が地球の平和を守り、その姿を突如消してから15年後の2025年。東京はゼブラシティへとその名を変えていた。そのゼブラシティではゼブラタイムという特別な時間を設けていた。それは朝と夕方の5時から5分間だけ、警察官(ゼブラポリス)や議員などの権力者はあらゆる犯罪行為を許されるという恐ろしいものだった。

様変わりしたゼブラシティの道端で市川は突然目を覚ます。しかし、彼は記憶を失っており、力も白の部分しか存在しなかった。ゼブラタイムによって迫害された人々が身を寄せるコミューン「白馬の家」に匿われた市川は、あるきっかけで自分がゼブラーマンだったことを思い出し、平和を取り戻すべくリハビリに励むのだが……。
(wikipediaより)

なぜ、今更鑑賞したのかは何とも言えないところですが、1作目でもそれほど高い評価をしていなかったようですね。

http://blog.goo.ne.jp/kikidiary/e/72578434078694bc21637ffa555ae637

というか、まあ、ぶっちゃけると仲里依紗を観るために借りたようなものだったのですが、オープニングでほぼその願望は達成されたため、後は惰性で鑑賞するような形になってしまいました。この仲里依紗は2曲もこの映画のために歌ってまして、でも、CDが欲しくなるほどのものでもなかったので、まあ、これはこれで、イイのかな、と。
それにしても仲里依紗作品はなんだかんだ言いながら「純喫茶磯辺」「時をかける少女」などあまり間を置かずに観た印象がありますが、私はこういうはっちゃけた彼女は苦手かなあ・・苦笑。「あーーはっはっはっは」という笑い方は溜飲が下がるものではありましたが・・。彼女のこの役のための映画といっても過言ではない映画でした。うーん、哀川翔はこれでよかったのかな。

ゼブラーマンの善の部分と悪の部分が分かれて~というくだりはドラゴンボールのピッコロあたりを思い出させる展開ですが、それにしてもゼブラーマンという題材でここまであれこれややこしい話をやるニーズってあるのかいな、と首をかしげてしまいます。1作目はそれでもゼブラーマンになりたいというヒーロー願望を持った冴えない先生がこっそり地球を守るために戦っていくうちに本当に地球を救ってしまう、というような「キック・アス」にも少し通ずる面白さがあったのですが、今作ではそういう面白さもなく、有名になってしまったゼブラーマンがひたすら、デストピアな未来で葛藤し、本来の自分を取り戻す話になっています。が、彼の葛藤などそこまで見たいものでもないし、なんともはや・・。

というわけでお話としては少々、退屈、見所といえば仲嬢のゼブラクイーン姿のみ、というなんともはや困ったお話になっていますね。

それにしてもマニアックな題材だよなあ・・。

さんかく ★★★

2011-04-30 10:09:15 | ★★★
DVDで鑑賞。



(あらすじ)
ちょっぴりダメ男・30歳の百瀬(高岡蒼甫)と、ちょっぴりイタイ29歳の佳代(田畑智子)は、同棲して2年が経ってる。つきあいたてのラブラブ感はなく、特に百瀬は、佳代との関係にマンネリを感じ、態度や言葉の節々が無愛想になっていた。夏のある日、そんな二人の元に、佳代の妹で中学3年生(15歳)の桃(小野恵令奈)が、学校の夏休みを利用して転がり込んできた。

天真爛漫な桃のペースに振り回される百瀬と佳代。百瀬は、桃がもたらすいつもと違う気配にドギマギ。夜中の桃のトイレの音が妙に気になったり、下着同然の部屋着姿でうろついたり、かわいく耳打ちしてきたりと、桃がやって着てから落ち着かない日々を送る百瀬。さらに桃は、百瀬自慢のカスタムカーを「個性的でかわいいじゃん!」と褒めたり、百瀬のケンカ自慢話に目を見つめながら「桃は強い人、好きだよ」とつぶやいたり、百瀬の心を何かとくすぐる。そんな桃の態度に、百瀬は次第に惹かれてしまう。

15歳のコドモに熱を上げている百瀬、押し付けの愛情を抱える佳代、オトナを翻弄しっぱなしの桃。それぞれ一方通行の思いを抱えた三人の、奇妙な“さんかく”関係の行方は・・・?

(以上 wikipedeaより、ってかあらすじほとんど書いているやん!と思ったので一部割愛)

この手の映画はあまり観ないのですが、各方面で褒められているのを聞いてちょっと観てみることにしました。よくある三角関係モノのどろどろしたお話かと思いきやどちらかというと、3人の男女のダメな部分をよく描いていてどのキャラにもどうしようもない部分があって、因果応報なところがあって、「あ、そういう映画なのね」と思わされるのに少し時間がかかりました。終盤の展開は確かに予想がつかず、少し余韻を持たせるような終わり方になっていますね。

それにしても百瀬は本当にダメ男で見ていてため息ばっかり出てきました。ちょっとは救いがあればいいのですけど、本当にイケていない。彼の美点というと「マルチ商法に誘ってくるやつが友達なんかなわけねえだろ」というセリフくらいで。あとは、車のセンスも金銭感覚もダメだし、なんで、佳代が一緒に暮らしているんだろう、と思わされるシーンの連続。終盤の背負い投げのシーンでケンカもたいしたことがないこともわかり、なんともはや。。。ちょっと桃が可愛いからってあそこまで熱を入れあげてしまうのかー、30代で、ねえ。。。佳代は別れて正解じゃん、と思うくらいでした。他のいい男いるよ、という桃のセリフもわかる気がしました。

佳代は佳代で献身的なところもあるのですが、行き過ぎて勝手に合鍵作って~のくだりばかなり笑えました。(いや、実際にはほとんどストーカー・・・)ビデオカメラを設置する百瀬も百瀬ではありますけど・・・。百瀬との組み合わせはまさに「共依存」を思わせるような関係なのだなあ、と思うに至るわけですが、佳代が過度に百瀬に入れ込む理由が描かれていない(まあ、映画の主題はそこではないので、それでなんら問題ないわけですが)ので、「こんな軽薄な男、さっさと別れろよー」と思うわけですが・・。

桃については、かなり早い段階で、百瀬に興味をなくすことは予想がついていましたが。。。それにしても確かに可愛くは見えるかも知れんけど、佳代(田畑智子)と別れてまで付き合いたいと思うかというと微妙ですよねー。正直、彼女にとってみたらひと夏のちょっとしたイベントでしかなかったキスがここまで尾を引くことになるとは、って感じでしょうか。まあ、彼女が一番現実的かつまだまだやり直しのきく年齢ということもあって、自由奔放なキャラとして描かれていますよね。

この映画の面白かったところとしては、3人とも誰かに対してストーキングじみた行動を採ってしまう、ということ。そして、3人ともその行為に無自覚で、百瀬と佳代は人から言われて初めて自覚する、というところ。
しかも、百瀬と桃については自分もその行為の被害者だったりするところ。ここの連環構造が中々に観ていて面白かったですね。自分がされて嫌なことは人にしてはいけない、とはよく親に教わったものですが、まあ、自分の行動に無自覚な人というのは世の中にたくさんいますよねえ。そういうところを痛烈に皮肉った作品でもありましたね。


塔の上のラプンツェル ★★★★

2011-04-30 09:35:14 | ★★★★
TOHOシネマズ上大岡で鑑賞。吹替版。3Dでした。3D料金400円って何なの。便乗値上げでしかないよなあ。。ただでさえ、日本の映画鑑賞料金は1,800円とかなり高額な部類に入るのに!


(あらすじ)
ある王国の森の奥深くにそびえる高い塔に、ラプンツェルという少女が暮らしていた。ラプンツェルは18年間、育ての親であるマザー・ゴーテルから、塔の外に出ることを禁じられていた。しかし外の世界に憧れる彼女は、自分の誕生日が来ると遠くの空に現れる、無数の灯りの正体を知りたがっていた。
ある日、城からティアラを盗み出した大泥棒フリン・ライダーが、衛兵に追われて森へと逃げ込んだ。追っ手を振り切った先で塔を見つけたフリンは壁をよじ登って侵入するが、すぐにラプンツェルに捕らえられてしまう。ラプンツェルはティアラを隠し、それを返す条件としてフリンに「灯り」が現れる場所まで案内させることにする。
ゴーテルの言いつけに背いて塔の外に出たラプンツェルは、初めて見る世界に胸を躍らせる。一方、塔に帰ってきたゴーテルは、ラプンツェルがいなくなったことに気づき、彼女を捜し始めるのだった。
(以上 wikipedeaより)



この映画はかなり面白い映画だと思います。大本のグリム童話では、もっと色々と露骨なお話のようですが、この映画ではディズニーのプリンセスモノとして非常に王道かつ、冒険譚としても真っ当な作りとなっており、GWの間に子どもにせがまれたらぜひとも見せたい映画として真っ先にこの映画をオススメしたいところです。大人だけでも楽しめます。

それにしてもディズニーはレベルの高い作品を生み出していますよね。世界に名だたるアニメーションの雄として、非常にクオリティが高い名作を毎度毎度お届けしてくれるのが嬉しいではありませんか。ストーリーにも大きな破綻もなく、安定感抜群、主人公にも感情移入できるお話になっています。

私は吹替版3Dで鑑賞しましたが、3Dは別に必要性を感じませんでしたが、吹替版は結構楽しめました。中川翔子の吹替はほぼ文句無く、非常に質の高い本職のそれに近いものを感じました。残念ながら歌は別の方が入れられているようでしたが話す声と歌う声のギャップはほとんどなく、最初は中川翔子が歌っているのかと思うくらいでした。字幕版もぜひ観たいと思わせるに十分な内容でした。DVDが出たらチェックしたいと思います。

音楽やミュージカルシーンも素晴らしく観ていて非常に愉快な気持ちになりました。音楽は特に絶品でしたね。西洋を舞台とした、王国の街並みや構造には非常にワクワクさせられるものがありました。この映画の舞台芸術というか背景美術には非常に魅せられたように思います。塔にしても、城にしても、湖にしても。非常に色鮮やかで見ごたえのあるそれでいて気品の高い格調ある背景だったと思います。あのダムっぽいところのシーンもとかったですね。水路を滑り降りるライダーのシークエンスなんかは非常にカッコイイものがありました。

あと、各キャラクターのCG。ラプンツェルの髪の描写は結構難しかったのでは?と思わされました。更にマキシマスという馬がサブキャラで出てくるのですが、この馬の描写はすごいですね。まあ、かなりデフォルメされている部分もありますが、疾走しているシーンなどはかなり本物の馬の動きをトレースするのに苦労しただろうなあ、と思わされるほどしっかりした馬の動きになっていたように思います。

さて、粗筋は最初に書いたとおりですが、これは原作である「ラプンツェル」よりもかなり改変されており、きちんとディズニーの「プリンセス」モノにもしつつ、それでいて、子どもにもその親にも鑑賞されうる、非常にレベルの高い改変になっています。ここまでやれれば誰も文句はないだろう、というほどです。
なんせ、ラプンツェルという童話原作との共通事項は
 ・髪の非常に長い女性、ラプンツェルが塔に住んでいる
 ・魔女らしき女がラプンツェルを幽閉している
 ・ある日、男が塔にやってくる
の3点くらいでしょう。
それ以外はこの映画オリジナルの改変だというのだから、その高い構成力や脚本力には驚かされます。

こういうレベルの高い改変を見ると、何も原作というものを最重要視する必要はなく、その映画のエッセンスを抽出しつつ、面白い映画を作ることは出来るのだなあ、ということを思い知らされます。日本にも数多くの素晴らしい漫画作品がありますが、原作に囚われることなく、映画化などしていってほしいものだなあと思うわけです。

塔の上のラプンツェル、GWの一押しです。

エンジェルウォーズ ★★

2011-04-30 09:11:57 | ★★
ちまたで話題になっているエンジェルウォーズを鑑賞。TOHOシネマズ上大岡にて。吹き替え版しかやっていなかったのでしぶしぶ吹き替え版を鑑賞。なんだか、映画館で洋画を吹き替え版で見るのは苦手。ピクサーやディズニーは我慢できるけど実写だとちょっと。金曜ロードショー感が出すぎてしまって、せっかくの高い鑑賞料金と素晴らしい鑑賞環境が台無しになってしまうのが嫌なのです。




(あらすじ)
原題「サッカーパンチ」。1950年代。精神病院に入れられ、5日後にロボトミーを受けることになったベイビードール(エミリー・ブラウニング)が、同じ精神病患者の仲間とともにファンタジーの世界へと飛び込み、人格破壊の危機を回避するための5つのアイテムを集める。
(以上 wikipediaより)

このあらすじを見たときにちょっと映画館に行くのをためらってしまったのですが、前評判も賛否両論とのことで、どういう映画かは気になっていました。監督のザック・スナイダーは「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「300」は結構面白かったし、(「ガフールの伝説」はいまだに借りる気が起きないけど・・・)期待してもいいのかなあ、と思いながら映画館に足を運びました。

結論から言ってしまうとこの映画の妄想の部分だけなら100点あげてもいいけど、全体の構造がイマイチ乗り切れず、20点くらいなので平均してしまうと結局40点くらいになってしまうような映画、というか。数字で表現するのも何ですが、この映画はやや複雑な構造になっています。

A(現実世界)と
B(妄想の世界)と
C(妄想の中での妄想の世界)に分かれた映画となっており、
(当記事でわかりやすく説明するための仮称です)

A世界で起きる出来事の暗喩もしくは直喩としてBおよびC世界が存在しているとかんがえてよいでしょう。A世界での描写は序盤と終盤のみで、後はほとんどB世界とC世界を行ったり来たりするような話なのでいまいち飲み込みづらい構造になっています。

この構造ってインセプションが流行ったからこういう構造を取り入れたのかもしれないけど、インセプションは映画の前半のほとんどをこのややこしい構造を理解させることに割いているからこそ、わかりづらくてもヒットしたのであって、この辺りの映画の構造って、きちんと説明臭くない描写である程度は描写するなり、喋ってもらわないと本当にわかりづらい。

それでもBとCのつながりは理解できるのだけど、Aとのつながりや関連性は本当にわかりづらくなっている。わかりづらいことを責めているわけではなくて、物語上の必然性も薄いのか濃いのかもわからない描写が幾重にも折り重なるので、どうしても意図が見えづらい話になってしまっているわけです。なので、ノレない。

いや、それでも情けない話、このC世界の妄想世界でのバトルはそれだけでガンガンご飯食べられるくらいの映像ではあります。ザック・スナイダーが「300」のときにも使いまくったスロー多用のアクション映像で女子高生姿のエミリー・ブラウニングが日本刀と拳銃片手に自分の身の丈以上の鎧武者やオーク、ドラゴン、ゾンビ兵などと渡り合う姿、やパワードスーツが出てくるところ、ロボット兵との死闘、など見ているだけでニヤニヤしてくるような映像のオンパレードなのには間違いないのですが・・・。

このC世界シークエンスの映像を撮りたいがために無理くり入れ子構造にして複雑な映画にしたのだとするならば、それは失敗だったと思います。もっと単純かつ燃える展開にすればよかったのに、妙に精神病院描写やロボトミー描写などの非常に説明の必要な現代ではよしとされていない医療描写なども取り込んだり、娼婦の格好させたりと男性諸氏が乗り切れない要素を満載にしたがために誰に訴えかけている映画なのかも非常に曖昧になってしまいました。
どこまでいったって、C世界の描写はB級映画でしかないんだから振り切ってB級アクションの傑作を作るつもりでやってくれたらよかったのになあ、と非常に悔やまれます。

まあ、でもこの監督はもう少しお話の組み立て方とか脚本を直せばアクションは素晴らしいし、「わかっている」監督なので、もう少し今後の作品を観ていきたいと思わされました。

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー ★★

2011-04-06 23:22:09 | ★★
今回はネタバレします!気をつけて!!


(あらすじ)
2011年。火野映司 / 仮面ライダーオーズは怪人と戦っていたが、それはヤミーではなくイマジンだった。まもなく、モールイマジンは少年の記憶を辿って過去へ逃亡してしまう。映司とアンクはモールイマジンを追って現れた時の列車「デンライナー」に乗り込み、1971年11月11日へ向かう。

まもなくたどりついた1971年の世界で、自分以外のグリードが目覚めていないことをいい事に、メダルの取り放題を企み、過去の外へ飛び出したアンクを映司とモモタロス達が追いかけている頃、野上幸太郎 / 仮面ライダーNEW電王はモールイマジンを倒すが、その爆発の衝撃によってアンクは自分を取り押さえようとした映司に押しつぶされたときにセルメダルを1枚落としてしまう。誰もそれに気づかないまま、アンクを取り押さえて一行は現代へ戻った。

ところが、現代へ戻った映司とアンクが見たものは、悪の組織「ショッカー」に支配された日本だった。1971年の世界でアンクが落としたセルメダルがショッカーに回収されたことがきっかけとなり、当時の仮面ライダーである1号と2号は敗北。そのため、V3以降の仮面ライダー達は誕生しないことになっていた。そして、ショッカーは後世に現れる多くの悪の組織と同盟を結んで世界征服に乗り出し、日本を自らの支配下へ変えてしまっていた。

生き残った仮面ライダーは、特異点ゆえに時間の影響を受けない幸太郎と、彼に同行していたために辛うじて仮面ライダーとして存在する映司のみとなった。幸太郎らデンライナー一行は歴史を修正するために再び過去へ向かい、映司とアンクは現代に留まって怪人軍団の前に立ちはだかる。しかし、そこにショッカーに敗北してその頂点に君臨する怪人の称号を持つ悪の戦士に変貌した、1号と2号が襲いかかる。

(以上 wikipediaより)

さて、先週末にライダーの最新作を見てきましたよ。この映画、仮面ライダー40周年記念作品ということで随所にそれらしい描写が多数出てくるのですが、本当に何ともはや・・・。序盤から中盤の流れは結構良かったんですよ。

「この過去に行って、その時の自分たちの行動のせいで、現在に戻ってくると暗黒の世界が広がっていた・・・」という展開はモロにハリウッド超大作で大ヒット作品、ロバート・ゼメキス監督の「バックトゥザフューチャー パート2」のお話の構造とまるっきり同じです。そのため、そもそもこの話の構造自体が非常にしっかりしている。鉄板の構造なのですよね。タイムパラドックスモノは風呂敷を広げている間は非常に面白い。

そして、中盤のデストピア描写はなかなかいい。こういうエクストリーム!な状況になってくると、普段はおちゃらけているオーズの面々ですが、特に映児のキャラクターは本来であれば献身的なヒーロー像であり、クウガの雄介と被るキャラであるため、このデストピアでも決して諦めずにみんなのために、子どもたちのために頑張る!という描写は非常に胸が熱くなる描写でありました。やっぱりヒーローはみんなのために戦わなくちゃ!

この映画、色々言いたいことはあるものの結構途中までは我慢して観られるレベルの映画だったのだが、終盤、ライダー全員集合のところから一気にお話が破綻する。

ここまでタイムパラドックスモノとしてお話を進行してきたのに一気に「みんなの想いは歴史も何も関係なく、仮面ライダーを復活させるのだ!特に理由もなく。」という展開でデンライナーが仮面ライダーを連れてくる。そこから一人一人のライダーが名乗りを上げる!と周りの観衆が知らないはずのライダーたちの名前を声をあげて応援するのだが、ここらあたりから本当にひどい。

このショッカーが支配する2011年の世界には「存在していなかったはずの2号より後のライダーたちが現れると彼らの名前を呼びまくるわけだが、そんなご都合主義はあんまりなんじゃないかな、と思う。ディケイドは最初から破綻していたからそれはそれでつらいものがあったんだけど、ここまで普通に映画として進行してきていきなり全てのお話を投げ出してしまうのはあんまりだと思う。あんまり観客をバカにしないほうがいいと思う。子どもはそりゃあ、喜ぶだろうし、この映画は大人向けじゃないって言ってもやはりこういうお話の展開はひどいと思うのです。

責めてどうして彼らがこの時代にやってこれたか、くらいは種明かしもしくは設定的なこじつけをしてもいいんじゃないだろうか。5分くらいで。そして40年間、雌伏のときを経てようやく、1号2号がショッカーグリードを倒すべく裏切る、って言うんだけど、40年も待つって相当じゃないか。それもなんだかなあ、って思うし、テディの犠牲って何だったんだろ、モモタロスの涙もやっすい涙になっちゃったなあ、だなんて思うわけですよ。興ざめ。
1号2号は40年もチャンスを待ってたってことならば素面の本郷猛を出してもよかったんじゃないの?声も藤岡弘、御大だったわけだし。そこは観てみたかった気がする。Wの2人をチョイ役で素面出演するくらいならこっちを実現させて欲しかった。ライダーはゴーカイジャーと違って原作へのリスペクトが無さ過ぎる!
単におもちゃとかカードが売れたらいいのかもしれないけど、それでもやっぱり原作に携わった人たちがもっと活躍する話でもいいやんか、と思う。せっかく1号と2号がここまで活躍する話なんだしさ。

あと、友情出演でズバットやキカイダーも出てくるんだけど、ズバットまで出すならここもちょっと伏線張るとかさーⅤ3もいるんだからさー、ただ「出す」だけがファンサービスじゃないですよ、と言いたい。いや、それでも出てくるとファンは喜んでしまうんだけど、こんな出方ではつらい。

みんなが見たいのは異世界の1号でもなければ、並行世界の1号でもなければ、新約1号でもなくて、あの本郷猛の仮面ライダー1号が見たかったんだよ。
もう、そろそろ藤岡さんも年齢的にもやれる最後のチャンスなんじゃなかったのかなあ、と思うわけですよ。宮内さんも見たかった。

これってファンのわがままなのかねえ。。戦隊モノではゴーカイジャーで素面の役者さんをあれだけ大切にしているのになあ。。。ライダーってやっぱり役者側からの抵抗とかもあるのかなあ。。。

ままま、色々といいたいことはあるのだけど、ディケイドのときよりかはなんぼかマシですし、見終わった後の気分の悪さみたいなものもなかったし、正統派ヒーローモノとしてはまあ、そこそこなのかな、と。ただ、こういうコンテンツばかりを子どもに見せるのはちょっと違うんじゃないかな、と思う。いくら子どもが見る映画とはいえ、もっと丁寧に話を作って欲しいぞ、私は。

愛のむきだし ★★★★★

2011-04-01 01:36:52 | ★★★★★
(あらすじ)
幼い頃に母を亡くし、神父の父テツと二人暮しのユウ。理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。しかしテツが妖艶な女サオリに溺れてから生活は一変。やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没入していくユウ。そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコと巡り合うが……。(goo 映画より)


DVDで鑑賞しました。「冷たい熱帯魚」「自殺サークル」の園子温監督の映画ということで。。。DVDは前後編で2巻編成になっておりまして、映画そのものの時間も4時間程度ある、ということで休日にまとまった時間を確保して相方と腰をすえて鑑賞しました。

いや、本当に既に関係各所では言われまくった後なので、今更私が言うことも特にないのですが、この映画、めちゃめちゃ面白いよ!まだ観てない人はぜひ観て欲しい映画です。

私が冒頭に書いた「あらすじ」だけ見ると変わった映画だなあ、と思うだろうし、このあらすじだってこの映画の全てを全く説明できていないんだけど、この映画は本当に色んな映画の要素がつまりに詰まっているし、エンターテインメントとしてここまで徹している日本の映画って最近はなかったのではないだろうか、と思うわけです。それにしてもタイトルが出てくるところであんなに笑うとは思わなかった。なんせ、タイトルが出てくるまでに45分くらいかかっているんだよ。そこまでの延々とした前振りですら、前振りですらなかったりするわけで。4時間、とさっき書いたけど、正直4時間なんてあっという間に過ぎてしまうような非常な傑作になっていると思います。

それにしてもこの映画は役者が素晴らしい。そして脚本が濃密、そしてカットが素晴らしい。

役者は言わずもがな、主人公の西島くんはAAAの男の子だし、ヨーコを演じるのは満島ひかりだし、でも、この2人が本当にいい味を出しているし、彼らにしか出来ない役を熱演していると感じました。
本当に素晴らしい。西島くんの盗撮アクションは特に素晴らしい。
満島ひかりのアクションもまたかなりイケている。アクションを指導したのがVERSUSの坂口拓とクレジットを見て納得。特に西島くんのコートの感じとか、VERSUSっぽいなあ、って思ってたのよね。

それにしても、この映画はよかった。

冷たい熱帯魚が全くといっていいほど救いのない映画だったので、(自殺サークルも救いはなかったような)正直、鑑賞後、重たい気分になったらどうしようと思っていたのだけど杞憂に終わりましたね。本当に最後の最後のシークエンスは涙なしでは見られませんでした。


この映画の凄いところは本来であればそのシーン単独で見れば笑ってしまうようなばかばかしいカットがそこまでの積み重ねによって感動に昇華していくというところ。勃起するシーンで泣けるなんてこの園子温監督は映画がどうして映画なのかっていうことを本当によく理解しているすごい監督だと脱帽せざるを得ませんでしたね。


とにかく観るのに時間がかかる映画ではありますが、だまされたと思って一度鑑賞することを強く強く強くオススメします!!

SP 革命篇 ★★

2011-04-01 01:10:12 | ★★
(あらすじ)
テロリストとの死闘から二ヶ月。負傷から回復した警視庁警護課第4係のメンバーは、要人警護の通常任務に戻っていた。それぞれの警護対象者の車に乗り込んだ彼らは、麻田内閣不信任案の採決が行われる国会議事堂に集まる。国会議員たちが次々と衆議院棟・本会議場に着席していく中、来るべき事態をかすかに感知しはじめる井上。そして麻田内閣の行く末をマスコミが注視する中、いよいよ本会議がスタートする。だがその一方で、衆議院議員会館に人知れずテロリスト集団が到着していた…。(goo 映画より)

うーん、端的に言って革命篇の見所は国会議事堂占拠をいかにしてうまく行うか、そしてその占拠された国会議事堂をどうやって国会議員の犠牲なくして、取り返すか、という2点が主なポイントになります。この辺り、野望篇のときのような最初のアクションシーンと後半のアクションシーンがある程度独立したものになっているのとは違い、映画を通してずーっと国会議事堂でほぼ話が進みます。

正直退屈、な映画になってしまいました。夜の街で襲撃を受けて孤立無援の中、要人を護衛し続ける究極の状態が続く野望篇はそれこそSPであることを無理やりに活用して緊張感ある世界を作り上げていたと思います。夜中に戦えばエキストラもいらないし、ロケも楽だし。予算を低く抑えつつ、設定にもある程度無理のない状況をうまく生み出していたと思うのですが、今回のお話はそれがうまくいっているようには思えなかった。


ちょっとネタバレします。



国会議事堂を占拠できるのはSPだけ、っていうのはそりゃあ確かにそうかもしれんけど、あまりにもSPで洗脳?されてない人が少なすぎ。堤慎一演じる尾形の人間性や政府への恨みつらみなどもしくは尾形が連れてきた、などによって集結したSPおよびその他侵入者の数がかなりの数になっていて、こりゃあ、ほんとにいくらなんでも・・・って感じにはなってしまっているし、国会で尾形さんが内閣の大臣を一人一人政治生命を断って行く展開というのも中々に溜飲が下がるかといえば、うーん、という感じ。遠くで観戦している閣僚の卵たちが、「なんか退屈っすね」とか言っていたけどほんと、途中でダレてしまっているように感じました。


井上たちの部隊が奪回に向けて動き出してからもやはり中々心躍る展開とは言いがたく、唯一、紙とかテープ、画鋲で敵を倒していくシークエンスくらいでしたね、そこそこ面白いと思ったのは。


あとはちょっとどうにも入り込めない話だったなあと。
国会議事堂占拠→奪回の構図がどうしてもマッチポンプに感じるからなんだろうなあ。
正直、国会議事堂の構造や警備体制なんて一般人は知らないわけだし、そこまでなじみがある話でもないので、そこを占拠されて取り戻す流れというのは確かによくハリウッドアクション大作でも描かれるような話ではあるのだけど、どうも、燃えない。

井上チームがほぼ無傷っていうこともあるのだろうし、ドキドキするような展開がTV版や野望篇ほどはなかった、という印象。やっぱり仲間はある程度やられてナンボだと思うのですよね。。。ちょっと不謹慎だけども。

ある程度フジの中では優良コンテンツだと思ったけど、TVの時点でかなりやり尽くしていたことからもそろそろネタ切れの感が強くなってきた、という印象です。もうそろそろ次の作品でもいいのではないですかね。踊るもSPもシリーズ続けるのは限界では。