目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

バベル ★★★★

2007-08-20 00:50:10 | ★★★★
とても話題になっていましたが、予告のときから
感じていましたがあんまり人にオススメできる
映画ではありません。

いや、映画の出来が悪いとかではなく、
好き嫌いがはっきり別れそうな映画だったので
そういう感想を持ったんですけどね。

見たらすっきりする映画とか観たら幸せな
気分になれる映画とはまったく違う次元に
映画の面白さを持ってきた映画だったなあ。

役者の演技を見る映画、監督の芸術性が
如実に現れた映画という表現がしっくりくる。

私がこの映画をみて感じたのは
「コミュニケーション」の難しさをうまく
表現しているなあ、ということ。
私たちの日々の生活でもやはりコミュニケーションてとても大事でこれがうまくいくのと
うまくいかないのとでは生活のしやすさに雲泥の差が生まれると思うわけです。

この映画はコミュニケーションがうまくいかないことの不幸を的確にこれでもか、と描いています。
そしてそれとは別に人間の背負った業の重さを
随所で見せてくれます。
姉の着替えを覗く弟や、パンツ脱いで
誘う女子高生とか。
「ああ、なんて人間ってこんな業が深い生き物」
って感じてしまいました。

同じ地球に生まれた同じ人間のはずが
住む場所でまったく違う境遇に置かれて
まったく違う文化に生きて、
同じ空の下に生きている同じ人間とは
お互い思えない。

日本とアメリカとメキシコとモロッコ。
同じ地球の違う生き物の生活を
時系列を前後させながら、
断片的に羅列してエンディングへと向かう
この見せ方はもはや確信犯的です。

それにしても日本の若い世代の微妙な
心の動きを日本人以外の監督がここまで
見事に描いたというのは本当に驚き。
そして、日本人にこそ見てほしい映画だなあ、
とつくづく感じてしまいました。

ラストにしっくりこなければ、それはそれで
いいんじゃないかなあ、と久々に思った。
そういう映画です。

スパイダーマン3 ★★★

2007-08-20 00:49:03 | ★★★
なんとも凡作に成り下がってしまった感じ。
1作目も2作目もよかっただけにちょっと
「あれ?」って感じ。
本当に描きたかったのは何なんだろう。
とりあえず、色んなことに決着もつくし、
割合大団円的なラスト。
続編がなさそうな感じがとてもさびしい。
今回の敵役は3人いるのですが、そのどれもが
スパイダーマンに密接にかかわった3人なのに
ドク・オックよりも物語が盛り上がらないって
どういうこと!?
見せ方の問題なのでしょうか。
今回は黒スパイダーマンも登場し、途中に
ダークな部分が描かれるからか、話に
爽快感があまりない。

いや、それでも他のアメコミ作品に比べれば
十分面白いんだけど前2作がとてもよかった
(アメコミ原作を知らなくても知っていても
楽しめる)だけにややマニアックかつ
アメコミな方向へ傾倒してしまったのは
ややもすると普通の映画ファンからすると
残念。
もちろんベノムやサンドマンをここまで
実写で描いてくれた!という原作ファンの
喜びもありましょうが、それ以上に
映画ファンが求めるものとサム・ライミが
描きたかったものに乖離が生じているような
気がしてなりません。
これでは4作目は期待できないかもしれませんね。

うーん、超人気シリーズだけに残念な3作目。


主人公は僕だった ★

2007-08-20 00:47:53 | 
うおー、久しぶりに地雷。
正直予告が一番面白い映画の典型。
予告で既に結末が読めている上に
結末までの演出も平凡。正直
キャラクターの造形に愛が感じられない。
ダスティン・ホフマンだけがいい味を
出していた、という感じ。

正直がっかり。プロットはよいが
映画でやる必要はなかったね。

パプリカ ★★★★

2007-08-20 00:46:37 | ★★★★
時をかける少女、ほどではないにしろ
個人的にはヒット。

夢か現か、ということがテーマだと思うんだけど
映画の見せ方が最初からとてもうまい、
引き込まれました。

最後まで一気に見せちゃう手腕はさすがの一言。

パプリカのキャラクターが大変魅力的。

こういうキャラクターがところ狭しと
暴れまわる映画、ナイスです。

アニメですがぜひオススメです。

デジャヴ ★★★

2007-08-20 00:43:15 | ★★★
DVDで鑑賞しました。

劇場で見たかったのですが
いつの間にか公開終了していたので
DVDで鑑賞。

っていうか、いや、これ
結構面白いですよ。

ただ、ね。

SFが苦手な人が見るとイマイチかも。

結構最初から伏線が張り巡らされているので
その辺りを意識しながらちゃんと見ると
かなり面白いですよ。

「あ、なるほどー」って自分の中で
線が繋がるとすごい面白いタイプ。

ラストのオチには賛否両論あるでしょうが
これはこれでそういうエンディングも
ありなのかな、なんて。

ベクシル -2077 日本鎖国- ★★★★

2007-08-20 00:40:46 | ★★★★
いやあ、結構面白い。
このCGアニメ手法は「アップルシード」で
確立された感があるけど、
やはり技術の進歩はたいしたもので
「アップルシード」のときより格段に
実写に近づいてますね。

音楽も結構ノリノリだし。
主人公の声だけイマイチですが
あんまりセリフの数が多くないので
まあ、許せるのかな。
他の方々が十分カバーしているので
声の演技はまあ、許せる範囲でしょう。

結構色々なメッセージを
読み取ることができてよかったですね。
日本の行く末がもしもこういう展開だとすると
心配ですが、現実にはこうはならないでしょうねえ。

いや、でも映画のプロットとしても十分
面白い!
宣伝をあんまりやってないし、ヒットはしないだろうし、観る人はあんまりいないんでしょうけど
こういうアニメが普通に上映できること自体
(製作から完成にこぎつけている時点で)
日本はやっぱりすごい国やなーって思います。

ロボット産業は発展しないかもしれんけど、
こういう2次元文化はこれからもっと
どんどん進化していくんでしょうね。

トランスフォーマー ★★★★★

2007-08-08 21:57:15 | ★★★★★
スピルバーグとマイケル・ベイのタッグで
この題材を取り上げることにまず驚きました。

っていうか、一応日本の玩具ですよね、
トランスフォーマーって。

80年代に流行りましたが、日本以上に
この玩具は海外でウケたんですね。

わからない人のために説明しておくと
トランスフォーマーというのは
意思を持つ機械生命体の話で、クルマや飛行機や
戦車が変形してロボットになるんです。

んで、正義の陣営と悪の陣営がエネルギー物質を
取り合うために戦う、というのが大体の大筋。

アニメ化されたり、劇場映画にもなったり
(日本は未公開でしたっけ?)CGアニメに
なったり、と玩具の展開以上に各種メディア、
特にアメリカなどでのヒットが顕著でした。
今でもヒットしているようですし。

日本の子供たちは80年代にはもうその玩具には
飽きて見向きもしなくなってしまったようです。

まあ、たしかにクルマからロボットに変形する機構には若干無理があってどうしてもロボット時の
立ち姿や可動部分がかっこ悪くて
レベルの高くなっていった玩具の中で取り残されてしまったのもうなずける話です。

今なら完全変形、完全可動式の玩具も作れるのですが、いまさら過ぎたのかもしれません。
ゲームとかあるしね。

さて、そんな20代、30代男性にしてみれば
懐かしいー俺コンボイ持ってた!みたいな人に
とってみればこの映画化は驚きでしょう。

なんでそんな大物2人がアニメの実写映画化を!


まあ、理由は米国での根強い人気でしょうが
それ以上にこの題材をどうやって映像化し、
ストーリーを組み立てるのかは予告編を
観た段階である程度伝わってきました。
リアル指向でいくのね、と。


さて、映画本編の話ですが。
この映画は最初のシークエンスが格段に面白い。
米軍基地に現れる正体不明の「敵」に対して
米軍陸軍が力の限り奮闘する様は圧巻の一言。
このシークエンスだけでももう
にやけが止まりませんでした。
やっぱりアクションは最高やね。

それと同時に進行する主人公の話は
ややもすると若干だるいのだが、それも
オタッキーな男性にとってはたまらないかも。
なにせオタクな男が学校のマドンナに
惚れて騒動に巻き込まれていく様はなかなか
あこがれる展開ではなかろうか。
ま、実際はありえないですけど。

オプティマスプライム登場後は若干ギャグも
交えつつも最高のCGアクションが随所で
派手に展開。
ギャグシークエンスは若干しつこいが、ほかに
そういうシーンもないのでここは大目にみよう。
やはりトランスフォーム(変形)は
見ものです。かなり見ごたえがあり、また
結構何度も変形する割にはその複雑な変形シーンは飽きないですね。驚くほど書き込みが細かく、
また、実写とCGの融合があまりに自然で
不自然さがない。ここまでキレイに溶け込むと
怖いくらい。「マトリックス」以来の
映像革命という触れ込みだけど、今のCG技術って当然ながらとうの昔に「マトリックス」は超えていて、
映像表現の奇抜さという意味で確かに
超えているように思います。うん、素晴らしい。

ストーリーの基本は前述のとおりで実写映画化するにあたってある程度リアルな方向に修正されているが、SFアクションとしては十分荒唐無稽な設定の数々。
ストーリーも割合大味でつっこみどころも満載だけど、それ以上に展開がスピーディーで見ごたえがあるため気にならない。

続編を熱烈に希望したいのですが、
続編を作れるような作れないようなラストなので
しかも、この製作陣ではちょっと2作目は無理
そうなので期待しないでおきたいところ。
あと、変形シーンはかなり細かいので
大画面で見るに限ります!
劇場に急ぎましょう!