新緑の季節になり、暑いくらいの日が続いています。沖縄や奄美地方は梅雨入りしたそうですね。ついこの間まで春が来た!!と喜んでいたのにあと少しで夏がやってきます。時が経つのは本当に早いですね。
さて、今回は食べ物に関する小説2作品についてを紹介します。
まずは
<「ランチのアッコちゃん」 柚木麻子著 双葉文庫発行 >
「ランチのアッコちゃん」は5月からNHKのBSプレミアムでドラマが放送されているそうです。
先日NHKそのドラマの番宣番組を見て興味を持ち、ドラマは見ていないのですが小説を読んでみました。
ざっくりしたあらすじは、失恋したばかりで心身ともにしょげている派遣社員の三智子が、勤めているオフィスの女性上司とひょんなことから1週間ランチの取り替えっこをすることになります。
上司が1週間社外で摂っているランチを体験し、今までにない世界を見ることによって、三智子は元気を取り戻しさらに成長していくというストーリーです。
食べ物がこんなにも人を幸せにすることが出来るのだな・・・としみじみ思える小説でした。
自分も読んでいて段々と明るく、元気が湧いてくるような・・・そんな気分にさせてくれる小説です。
昨年の本屋大賞にノミネートされた作品です。
とても読みやすいので、ドラマを見た方でも是非、原作の小説も読んでみてください。
そして、同じく食べ物を取り扱った小説
<「給食のおにいさん」遠藤彩見著 幻冬舎文庫発行>
半年くらい前に書店で手にして購入した本だったのですが、何故か読まずにずっと置いてありました(汗;)
今回、ふと「そうだ、あの本読んでみよう!!」と思い立ち読んだのですが、何故今まで置きっぱなしにしていたの??と自分を責めたくなるほど面白かったです。
給食を作るのはこんなにも大変なことなのだ!!ということが良くわかりました。
毎日決められた栄養素やカロリーなどに基づいて献立を決めていること、時間内に300食以上の給食を作らなければならないので、時間との戦いであるということ。大人受けするメニューを出しても子ども受けはしないということ。
残飯率が高いメニューは改善しなければならないこと。などなど非常にたくさんあります。
主人公の給食のおにいさんこと佐々目宗(ささめそう)は、元料理人で自分のレストランを作ることを夢見る青年です。
初めて、小学校の給食の調理員という仕事に就いて、先ほどあげたような給食の定義のようなものを学びながら、子どもたちと実際に関わり合いながら、成長していく・・・というストーリーでした。
毎回、給食に関する事件(?)のようなものが起きて、佐々目さんと管理栄養士の毛利さん、養護教師の由比先生、調理員仲間の三人の女性たちと試行錯誤しながら乗り越えていきます。
そして、食べ物によってさまざまな問題を抱えていた子どもたちも変わっていきます。
こんなに心のこもった給食を食べられる子どもたちは幸せだな・・・と思います。
そして、2作品に共通することといえば、食べ物の力で人を幸せにすることが出来る!ということです。
そしてそんな物語を読む読者の心も幸せにしてくれる不思議な力を持っています。
「給食のおにいさん」は続編も発行されているようなので、また読みたいと思っています。