けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2013年12月号  お題;「 馬 」,「 人 」  出題:俊明さん

2014年01月06日 | 川柳

「 馬 」

青二才オレのことかと馬が訊き  蚤助
★  悪筆の絵馬を朱書きで直す神  小心居士
天翔ける馬になりたい駄馬の夢  満太
言い訳が馬鹿丁寧でウソばれる  小心居士
古(いにしえ)の馬食も今やポニー食  斜録
★★★  一馬力じっと支えた妻がいる  弧衾若衆
一馬力残し余生に賭けてみる  満太
馬あわてみんなあわてる動物園  風優海
馬が合う幼なじみは時を超え  流美ん
馬肥やせ妻肥やせとは言わぬのに  猫じゃ猫じゃ
馬じゃない白い自転車見せに行く  良弘
馬とロバ未だわからぬその違い  霜降
馬の付く名前を背負い3コーナー  篤子
馬の瞳に隣の芝生青々と  篤子
馬見たいせがまれ孫と府中まで  小心居士
売れ残りカボチャが馬車になる聖夜  蝉坊
絵馬書いて安心している受験生  久美子
絵馬の中願背負いて寒立馬  篤子
額の中疾走してる駿馬速っ  篤子
★  勝ち馬の手綱はみんな持ちたがる  蚤助
神様を脅迫してるような絵馬  蚤助
偽装とは本家本元馬の骨  芳男
血統書付きを射止めた馬の骨  蚤助
極楽を生きて何処へ寒立馬  蝉坊
最近の牝馬の強さ人並みね  篤子
最後尾でもがんばった馬を褒め  蝉坊
昨今は馬謖に押し付け斬るばかり  斜録
ジジババは孫来る日には馬力増し  小心居士
時代劇サラブレットが走ってる  弧衾若衆
じゃじゃ馬が彼の手綱で戯れ猫に  流美ん
じゃじゃ馬も角を隠して嫁に行き  久美子
襲名の舞台のソデに馬の脚  蚤助
順序よくウマとサクラはハナがサキ  蚤助
上質を馬乗りさせてさくら肉  芳男
焼酎と馬刺しで治す風邪もある  ちどり
すすめられ馬に乗ったが降りられず  猫じゃ猫じゃ
種馬とコンビーフとが競馬場  良弘
駄馬の仔は駄馬の仔なりの荷を背負う  蚤助
団塊が轍にあげた砂ぼこり  蝉坊
チャグチャグの鞍に揺られて騎手になり  蝉坊
妻や子が俺の馬券をはずし買う  小心居士
手を合わす絵馬でこの夢走るよう  流美ん
湯治湯はサラブレッドもまったりす  猫じゃ猫じゃ
同病を患い友と馬があい  満太
年の暮アタリ馬券も宙を舞う  猫じゃ猫じゃ
年の暮ハズレ馬券が宙を舞う  猫じゃ猫じゃ
年の瀬は有馬頼りのキャッシュフロー  良弘
二馬力を目指したけれどクリぼっち  駄作
年賀状午が牛にも見えてくる  ちどり
蚤虱馬で句を成す芭蕉翁  蚤助
廃止線駅の木額に馬残り  弧衾若衆
白馬見て殿様捜すおばあちゃん  弧衾若衆
馬券買う生活保護に余力あり  芳男
馬券ほど選べぬ仕事選ばれず  良弘
馬車馬の如く働き蚤の給  斜録
パドックで馬との会話できたらな  小心居士
鼻の差で勝って鼻息荒い騎手  蝉坊
鼻の差で大金稼ぐ一馬力  蚤助
馬糞ウニせめておはぎか饅頭と  蝉坊
馬力でも口でも負けて妻の勝ち  久美子
ばんえいの馬の涙を買う馬券  蝉坊
左馬書いても描いても暴れ馬  ちどり
ヒヒヒンと笑う馬にはない罵声  蝉坊
秘密保護馬脚露す与党かな  小心居士
凡馬ゆえ人参なしには進めない  霜降
待ちぼうけきっと王子はペガサスで  蝉坊
纏振り馬簾の花に女目(ひとめ)燃え  流美ん
みんなでは竹馬とならず仲違い  芳男
目立つ絵馬祈願をみれば世間並み  小心居士
やじ馬になって見に来る放火犯  満太
流鏑馬の矢に憧れが射抜かれる  流美ん
雪になり厩舎に戻る寒立馬  弧衾若衆
夢にでも馬主になって名付けたい  猫じゃ猫じゃ
夢見る娘(こ)カボチャの馬車に乗りたがる  蚤助
落馬して命なくして名を残す  芳男

「 人 」

★  愛人と間違えられてはしゃぐ妻  流美ん
天邪鬼会う人ごとに意見変え  小心居士
あれそれと指示語で会話老二人  ちどり
粋がって一番野暮な人になり  蚤助
イケメンで優しいけれどケチがイヤ  蚤助
一年めみじめみかじめ首を絞め  蝉坊
今思う人は褒められ伸びるもの  篤子
お腹の子男(アダム)か女(イブ)か夢に揺れ  流美ん
★  オレオレに礼まで言ったお人好し  満太
飼い主が人の付き合い教えられ  芳男
顔を見ず人柄ほめるお付き合い  弧衾若衆
数の子も人工で出来見抜けない  久美子
神の如く80にしてエベレスト  篤子
考える人が背伸びするの見た  蚤助
帰省して一晩待って人になる  良弘
気の弱い人匿名で吠えている  蚤助
境内に忍ぶ影にもある人目  流美ん
けなしあい支えあって還暦か  篤子
ここだけはのびのびできる牽引台  蝉坊
混雑の人波恋し退職後  小心居士
★★  除臭剤そっと置かれる亭主の座  蝉坊
★  試着室開けたら妻と別な人  蚤助
質実な会社トップは派手な人  蚤助
修身でヒューマノイドは造れない  蝉坊
人事権言葉巧みに左遷させ  芳男
人生の角角の標見落として  小心居士
人力で直せるメカのありがたさ  弧衾若衆
先人の知恵に兜をしまい込む  流美ん
先生に縄をなわせる保護者会  蝉坊
先生も宿題忘れおっちょこちょい  風優海
粗大ゴミ丁寧に置く義理人情  芳男
建前と本音ある人友に居る  篤子
定員は何億人か地球号  霜降
定年に直立歩行試される  蝉坊
統廃合限界集落猛吹雪  弧衾若衆
取り違え俺のおやじは医学生  弧衾若衆
泣き笑い時に怒って哀しんで  篤子
ナマハゲに人が原寸大で見え  蝉坊
二極化が「人並み」変える脱デフレ  駄作
★★  人相で料金決める占い師  芳男
猫薬飲ませる方の口が開き  蝉坊
人形(ひとがた)で頭痛腰痛呆け祓う  ちどり
人柄が人相に出る福笑い  久美子
人柄が飲んだら急に豹柄に  小心居士
人柄の滲むメールが保存され  流美ん
人混みで手を離さないバカップル  小心居士
人様の後に続いて特売品  篤子
人知れず空いたファスナーそっと閉め  芳男
人だもんひとりになれば泣けていい  良弘
ひとと聞き目泳ぎ回る百人一首(ひゃくにんし)  斜録
人として生きる技持ち残る日々  篤子
人の言聞かない稲穂垂れもせず  斜録
人の道説く人先に踏みはずし  猫じゃ猫じゃ
人は皆人に目守(まも)られ生きている  猫じゃ猫じゃ
人文字は完璧なのにヘボ野球  蝉坊
一人居はボケ突っ込みも独り言  ちどり
一人ではできぬ公約選挙戦  芳男
一人でも肩書き社長名刺持つ  小心居士
人を見る目はないのねと妻が言う  良弘
平等は誕生死亡だけのヒト  斜録
太りたい人に冷たい健康誌  蚤助
冬の夜は猫があんかに嫉妬する  良弘
別の君見せてマイクが離れない  流美ん
変人の心変わりに一理あり  猫じゃ猫じゃ
返品はいいが付き添う加齢臭  蝉坊
孫去ってじじばば二人静かな夜  満太
水虫も譲ってくれた好きな人  満太
道草を食って大人の顔になる  蚤助
身の程を知ってた偉人などおらず  蚤助
★  宿までは他人のような二人連れ  満太
★★★  寄せ書きの隅に大事な人がいる  蚤助
若人よいつかジジイにきっとなる  霜降
ワレワレハ一人じゃ来れぬ宇宙人  弧衾若衆

「自由題」

コルセットベルサイユでもあるまいに  蝉坊


1月のお題
■「 わび 」 ■「 さび 」 ■「 もえ 」
出題;斜録さん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表




▲ ぶ厚く掛けられた「縁切り榎/えんきりえのき」の絵馬
10月某日、
久しぶりに通りがかった板橋の名所「縁切り榎」。
縁起がよくないと、
中山道を下る皇女和宮降嫁の行列には、
町内に新たに普請した迂回路を通らせたということです。
願掛けの内容を拝観すると、
なんと全国諸処方々からの来訪者。
なかには際どい男女の情念を書き込んだものも。
「縁切り」は新たな「出会い」への願いを前提にしたものとか。
一服していると、
旗を押し立てたご高齢者の団体が訪れ、
溶け込んでしまいそうな危機感を覚えたので、
「どーぞどーぞ」とお譲りして退散しました。  蝉坊

東京・板橋区本町/旧中山道・東側



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110





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