けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2019年4月 お題;「 道 」,「 つなぐ 」 出題・篤子さん

2019年05月03日 | 川柳

「 道 」

「入口」と「出口」は分かる書道展  蚤助
遠足の調子揃わぬ帰り道  蚤助
往来に想いのカケラ落ちている  孤衾若衆
親と娘に金という字でつなぐ道  芳男
階段を国道と呼ぶ竜飛崎  孤衾若衆
象潟で奥の細道折り返し  猫じゃ猫じゃ
交差点黄色い帽子でみぎひだり  孤衾若衆
高齢者事故報道にひきこもる  純一
この国の来た道思う日本橋  蝉坊
この道を歩いた人がいとおしい  霜降
坂道を笑い上戸の膝と下り  蚤助
さまよったあげくの道を子は知らず  蝉坊
尻尾上げ道を横断してる犬  蚤助
終活を就活に変え道半ば  芳男
趣味挫折年齢だけは道極め  芳男
傷心に色褪せてくる花街道  蝉坊
信号は赤でも進む恋の道  蚤助
「相撲道」などとはいわぬ執行部  蝉坊
擂鉢も算盤もある雪の道  蚤助
洗面でセンサー探しグーチョキパー  純一
ただ続けた人の趣味に涙する  良弘
違う道願う二人が暮らす部屋  篤子
珍虫にぶれることない庭師の眼  蝉坊
丁寧に教えてやった違う道  蚤助
鉄道に傘を寄付する雨上がり  蚤助
東海の小島に馴染む放射線  蝉坊
遠吠えの十五の春の回り道  ちどり
はやる胸あの娘見たさの回り道  純一
ひどすぎた大臣の秘書ご苦労さん!  蝉坊
振り返る無数に道はあったのに  純一
振り向くと道はジグザグ我が人生  孤衾若衆
ふるさとに続く道だと散歩する  良弘
古街を過ぎる帰京へ道の駅  蝉坊
芳名簿尻込みしちゃう書道展  蚤助
まっすぐな道に利権が埋まってる  孤衾若衆
みちくさの言い訳探す暗い道  霜降
道ならぬハーゲンダッツ三つ買う  霜降
道端の石で居たいと願った日  篤子
導かれ多くの墓が道標に  芳男
山辺の道に未来を重ねてた  孤衾若衆
Uターン銅鑼の音もなく道(どう)の空  蝉坊
寄り道が過ぎて帰れば待つビンタ  篤子
路地裏の噂聞いてる植木鉢  ちどり
脇道にそれて定年趣味豊か  純一
ワッセ!ワッセ!夫婦の道を手洗いへ  蝉坊


「 つなぐ 」

アポ電話もつなぐよ子にで荒稼ぎ  猫じゃ猫じゃ
有り金で縁の切れ目をつなぎとめ  猫じゃ猫じゃ
Eメール青春時代繋ぎとめ  霜降
遺伝子を無視して叱る通信簿  蚤助
入歯よりつなぐブリッジ銀の色  孤衾若衆
親の好き何故か子供の好きになる  篤子
親元へ十円玉を握りしめ  孤衾若衆
カタクリが知らん顔する片栗粉  蝉坊
義理息子無家名墓にして墓守る  純一
五七五パソコンつなぐケヤグの輪  篤子
50年つなぐ僕と君らにある想い  篤子
子育ては手をつながずに風呂に浸け  孤衾若衆
ご退位を大正帝は露知らず  蝉坊
三代目核もてあそぶ村芝居  蝉坊
JRフルムーンならば全国へ  霜降
シナプスがちょっとサボって物忘れ  ちどり
廃れ行く流しがつなぐ昭和歌  純一
政治家は信条を捨て結束す  芳男
整理して地方ばかりの住所録  蝉坊
先頭はパトカー後は数珠つなぎ  蚤助
祖母と孫内緒話は糸電話  篤子
調整に本社から来て水臭い  蝉坊
丁番の会社を継いだ離婚劇  蝉坊
つなぐ手がぬるぬるしてるグローバル  孤衾若衆
つなぐより解き放されて座る犬  芳男
DNA次の次まで渡し終え  蚤助
泥酔のダンナ置き配並んでる  純一
手をつなぎ歩いた子らは大人顔  霜降
手をつなぐ子が暖める母と春  良弘
手を繋ぐ昔もあった手切れ金  蚤助
仲良しが今も続いて半世紀  蚤助
夏目指し意地の一振りベスト4  篤子
婆の手に若さが戻るつるし雛  純一
腹痛はマイムマイム後洗わぬ手  純一
奮発のカツ丼玉子買い忘れ  蝉坊
兵役の父の写真を語り継ぐ  ちどり
ホールドをしたのに記者は来てくれず  蝉坊
毎日の出会いは減って残る友  良弘
婿殿は秘伝を知らぬラーメン屋  蝉坊
もう少しこうしていたい傘の中  蚤助
役人になれと匠の笑い泣き  蝉坊
勇気出し心をつなぐ「愛してる」  芳男
ユニセフはつなぐよ子にで泣きおとし  猫じゃ猫じゃ
若者が公衆電話に夜八時  孤衾若衆


5月のお題/毎月25日締切り
1.「 嫉妬 」 2.「 脱ぐ 」
出題・霜降さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連 gooブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110