けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2015年 12月号  お題;「 線 」 ,「 お風呂 」 出題・篤子さん

2016年01月23日 | 川柳

■「 線 」

★★ あなたとは線路だったと諦める  久美子
雨あがり滴(しずく)煌めく蜘蛛の糸  流美ん
雨上がり空に七つの光る帯  伊閣蝶
★★★ 居酒屋へ引込み線のあるような  蝉坊
一線を越えたあと待つ蟻地獄  伊閣蝶
一線を越えたい想い胸焦がす  伊閣蝶
犬吠えて電線の上猿(ましら)飛ぶ  篤子
★ 運不運境目見える眼鏡くれ  霜降
蝦夷地まで新幹線は足のばす  猫じゃ猫じゃ
落葉掃くお隣さんとの境界線  篤子
親不孝線香手向け詫びる過去  純一
俺の家なのに妻娘が線を引く  純一
海峡を抜けて凛々しい津軽線  蝉坊
家庭内別居で見えぬ線ができ  小心居士
華奢だけどなかなか線の太いヒト  蚤助
境界線キレイに積まれた雪我家の?  篤子
行商のざわめき残る廃止線  弧衾若衆
★★ 靴脱ぐとドア閉める音子供部屋  良弘
腰と胸境界線がわからない  蚤助
★ 五線譜にのらない音符味を出す  ちどり
こんなとこ赤線引いた若いボク  蚤助
歳末も年明けもまた線の上  伊閣蝶
撓らせるコツにホネおる籐細工  流美ん
芝も毛も激闘の跡ライン際  芳男
三味線を弾けぬ隠居が言う豪語  小心居士
就活へ横一線の自己主張  蚤助
線香はあの世この世の糸電話  霜降
線引きでいつももめてる支那の海  猫じゃ猫じゃ
線引きも知らぬしあわせ認知症  猫じゃ猫じゃ
空を裁つ飛行機雲の後に雨  伊閣蝶
体形が父に似てくる反抗期  蝉坊
茶をこぼし直ぐに張られる非常線  純一
中間線決して越えぬ嫁姑  弧衾若衆
手が震え前より眉毛太くなる  久美子
電線が垂れ下がるほど雀達  篤子
電線に雀停まらずカラスなり  芳男
電線の地中化進み泣く雀  純一
点つなぎ陣地広げて大地主  篤子
突然の息子帰郷に予防線  小心居士
寝たふりで視線合わせぬ優先席  小心居士
野山越えノーベルの里一直線  芳男
墓参り線香忘れてタバコに火  小心居士
腹の皺昔三本今一本  伊閣蝶
人と人線を引いてはけなし合う  弧衾若衆
ひんぱんに車線を変える彼がイヤ  蚤助
★ 無礼講言われて一線越え左遷  小心居士
★★★ ベルトした妻とよく似た笹団子  蚤助
放射線風呂の鏡を凝視させ  蝉坊
ほうれい線そっと伸ばして美容液  ちどり
マーカーを引いても言葉忘れてる  久美子
孫が言う線がいっぱいババの顔  久美子
見えぬ線引かれておとなり隣組 篤子
見たかった超えてはならぬ一線を 純一
嫁姑停戦ラインを書き換える  弧衾若衆
LINEとは線じゃないのか若い衆  伊閣蝶
若者がおらず老兵前線に  駄作


■「 お風呂 」

アイゼンとピッケルがいる山の風呂  伊閣蝶
アソコから洗えと言えぬお年頃  弧衾若衆
泡風呂で匂い混ぜ込む腹具合  芳男
梅干しに渋茶長湯で酔い覚まし  伊閣蝶
おっとりと育ち長風呂長電話  蚤助
お風呂場の音響効果爺長湯  ちどり
お湯溢れ水平線が揺れ動  篤子
女湯の会話の響き世間知る  弧衾若衆
小遣いで孫を釣り上げ湯に入る  小心居士
子等巣立ち広げたお風呂孫を待つ  篤子
ゴルフ場風呂場でばれる紳士ぶり  純一
自動だと信じたままに栓忘れ  弧衾若衆
十八番曲風呂ならプロと自画自賛  純一
銭湯は石けん踏んで転んでた  弧衾若衆
銭湯は昔小銭で今お札  小心居士
★★ 定年後新たな辞令風呂掃除  霜降
泣きじゃくる子を誘い出し風呂に行く  良弘
訛ってる富士を見上げるオラホ(津軽)の湯  流美ん
二段腹浅いバスタブ島になる  純一
初酸ヶ湯老婆出るまで長湯する  純一
★★ 鼻歌が湯上がり告げる「神田川」  流美ん
★ 浜茹での毛蟹が宿をシンとさせ  蝉坊
半身浴効果も後のビールまで  伊閣蝶
番台で買った石鹸取り逃がし  蝉坊
風呂上り鏡の腹を凹ませる  小心居士
風呂上がり秤にそっと足を乗せ  猫じゃ猫じゃ
風呂上がりビールの泡に憂さ忘れ  霜降
風呂上りヘルスメーター明日にしよ  駄作
風呂どうぞ残り湯わずか妻のあと  久美子
風呂どうぞ優しく言われ掃除付き  小心居士
風呂はいりすべて流れよ年の暮れ  猫じゃ猫じゃ
風呂入る息子の手にはスマホあり  久美子
風呂場から鼻唄今日の上機嫌  蚤助
風呂場から廊下濡らしてとる受話器  蚤助
孫入ったお風呂ほのかにミルク臭  篤子
間違えたふりしてあける女風呂  伊閣蝶
★ 眉のない顔にも慣れた風呂上がり  蚤助
水音でやっと目覚めた酔い醒め湯  伊閣蝶
見ちゃならぬ番台の前目が泳ぐ  純一
もの心祖母のへちまの揺れる風呂  蝉坊
山奥の露天に映る冬の月  伊閣蝶
湯あたりが冷めるころには風邪を引き  芳男
湯上りのばばの顔見て孫が泣く  小心居士
湯上りの娘の眉毛消えている  小心居士
湯加減はいかがくしゃみで返事する  蚤助
★★ 湯の花を換えて旅する冬の夜  ちどり
漁終えて浸かるお風呂は極楽湯  篤子
露天風呂毛深い奴が二三匹  猫じゃ猫じゃ
露天風呂猿を仕事が待つじゃなし  蝉坊
露天風呂さざ波聞こえトドになる  ちどり
露天風呂飛ばされた傘追う裸婦  芳男


■「自由題」

二拍手に諍いさるを祈念して  芳男


1月のお題/毎月25日締切り
1.「 えにし 」  2.「 するり 」
出題・流美んさん



五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



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● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

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