けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2014年07月号  お題;「 西瓜 」,「 あせる 」  出題:修さん

2014年08月07日 | 川柳


■「 西瓜 」

赤ん坊いないか西瓜切ってみる  蚤助
味同じいびつな西瓜の独り言  小心居士
絵日記でこまったときは西瓜出す  良弘
絵日記の西瓜は種もおいしそう  ちどり
笑み誘う訛りが味の「シイカ~♪」売り  流美ん
縁側で孫は西瓜で俺酔歌  小心居士
お手伝い持った西瓜をみな落とす  蚤助
★ 母さんは西瓜の端が好きらしい  蚤助
核家族増えてメロンのように売り  駄作
敢闘賞方向音痴西瓜割  蚤助
缶ビール西瓜冷やして余される  芳男
切り売りの西瓜ちょっぴり淋しそう  蚤助
切り口が鋭いものから食べ始め  弧衾若衆
ぐちゃぐちゃで食べるとこない西瓜割り  弧衾若衆
声が減り近所にスイカ旅立たす  流美ん
子ができず種なし西瓜も癪の種  芳男
子だくさんスイカ切る手が武者震い  霜降
児のいない村にスイカの当たり年  蝉坊
コント真似縁側でした種飛ばし  流美ん
持参した西瓜勝手に食べるやつ  小心居士
志村けん真似て西瓜を食べる孫  小心居士
賞品のスイカを周る盆踊り  蝉坊
人生の三月ばかりやスイカップ  わすれ草
西瓜売り訛り確かめ財布持つ  篤子
スイカ売り山の向こうの砂丘から  蝉坊
スイカ食む子の笑顔みて甘さ増し  霜降
西瓜美味僕らもみんな今が旬  蚤助
西瓜みて俺の腹見る罪な妻  小心居士
西瓜よりポンといい音するお腹  小心居士
西瓜より水着気になる浜の蟹  裕雅
西瓜割り砂につまずきヘッディング  小心居士
スイカ割り誰も割れずに日が暮れる  小心居士
西瓜割りもったいないがばらまかれ  良弘
たたいたら中身が分かるドヤおやじ  弧衾若衆
叩いてはみたけどどれが旨いのか  久美子
★ 叩かれた末に売れずにいる西瓜  蚤助
叩かれてじっと我慢のスイカかな  猫じゃ猫じゃ
建て売りでスイカ畑が覆われる  蝉坊
種出しに夢中になって味忘れ  芳男
種なしに種はないかと食べ続け  芳男
種なしの西瓜タネある育て方  蚤助
種を取る手間ひまの中幸見つけ  弧衾若衆
ついリズムつけてたたいて買うスイカ  わすれ草
吊されて熟すスイカにほだされて  蝉坊
手加減をしろよ食えんぞ西瓜割り  蚤助
デカ西瓜カットで欲しいお中元  流美ん
テニスコートにスイカ芽を出し夏終わる  わすれ草
夏座敷スイカの匂い昼寝の子  猫じゃ猫じゃ
囃子方西瓜叩いてみる調子  篤子
冷えてない西瓜食ってる倦怠期  蚤助
一つ眼を描いて仕上げるスイカ小屋  蝉坊
ひまわりとスイカのような嫁の夏  蝉坊
日を浴びたスイカ頬張る児の黒さ  流美ん
平成の子等はフォークでスイカ食う  ちどり
木刀は西瓜割るため生き延びる  芳男
ポンポンとスイカとともに選果され  猫じゃ猫じゃ
真っ黒な種がなければ描きにくい  弧衾若衆
まん丸で綺麗なヤツが味が良い  篤子
麦わらと西瓜がめくる若き日々  裕雅
野菜室空っぽにしてさあ西瓜  蚤助
冷蔵庫棚整理して西瓜売り  篤子
輪切りしてスイカ食べ口見当たらず  わすれ草


■「 あせる 」

悪態を拾うマイクの切り忘れ  蚤助
紫陽花の青ざめコウベ垂れ切られ  わすれ草
焦りなど知ったことかと時計針  蚤助
焦るなとなだめるあんたうざいのよ  猫じゃ猫じゃ
焦るほど妻の前では墓穴掘り  芳男
アンタ今元カノの名で呼んだわね  蚤助
勢いといってごまかされる焦り  蝉坊
居眠りし車窓に見知らぬ街がある  ちどり
今もなお色褪せぬ君胸に住む  霜降
色褪せた写真の向こうに淡い恋  猫じゃ猫じゃ
色褪せた写真にキラリ純な君  流美ん
引率者弁当出ると思ってた  弧衾若衆
内と外小言に叱責脂汗  裕雅
えんま様お金を忘れ戻ります  弧衾若衆
お気に入り染め色立たぬ盆浴衣  流美ん
思い出は鮮やかに色褪せていく写真たち  篤子
お若いといわれ美白が口ごもる  蝉坊
開演を前に客席人まばら  蚤助
軽く言う妻のおねだり高すぎる  小心居士
★★★ 旧姓は私ひとりのクラス会  久美子
嫌ってた来賓一人急に増え  弧衾若衆
ギリギリでファスナー噛んで下がらない  久美子
警報に焦って避難的はずれ  篤子
決勝戦手に汗握る同点弾  篤子
月末へ伸びていかない棒グラフ  蚤助
このカード支払いとして使えません  弧衾若衆
★ 最終の一駅前で降りたとき  芳男
試着室チャック下ろせず亭主呼ぶ  小心居士
実は今3次大戦中なのか?  蝉坊
住職がお経度忘れ焦る鐘  小心居士
終電に乗って我が家で目が覚める  小心居士
心身のパッドを棄てて嫁に行き  蝉坊
捨てられぬ思い出隠すあせた服  良弘
セパレーツ1年たつと超ビキニ  小心居士
チャィム鳴り焦ってかぶるアッパッパー  流美ん
徴兵に触れずまんまと開ける穴  蝉坊
出て行けと言ったらほんとに出て行かれ  小心居士
天気だけ埋めずに終える夏休み  良弘
答弁は善処善処と言い逃れ  芳男
何故汗が不思議な私更年期  篤子
何気ない親の言葉にあせる朝  裕雅
女房の見舞いに元カノ赤い花  弧衾若衆
★ 認知症母はセピアの中に住む  ちどり
寝過ごして右往左往の夫の家  流美ん
ノンストップ焦れても無駄な乗り違え  流美ん
泌尿器科出てきた医師が同級生  小心居士
平場でも転ける姿を笑われて  芳男
頻尿はトイレ探して目を覚ます  芳男
フェイントで時刻通りのバスが行く  蚤助
振り向いた目線に誤解感じ取る  裕雅
風呂上り梳かす数だけ毛が抜ける  小心居士
へそくりを隠した本が妻の手に  蚤助
弁解を涙流して様子見る  芳男
ホームレスに「いい女だ」といわれたの  わすれ草
★ ポスターが西陽に色を盗まれる  わすれ草
ままごとのパパが突然浮気する  蚤助
元カレの藁人形が並ぶ部屋  蚤助
湯あがりが賞味期限と向かいあい  蝉坊
ランジェリー売場で亭主縮こまる  蚤助
蓮子蓮子蓮子蓮子と連呼する  蝉坊
わが友の半数すでに認知症  駄作
わけもなく焦りがよぎる六十路越え  霜降


8月のお題
■「 処分 」  ■「 乗り切る 」
出題;詠得笑さん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表





▲ ツユムシ/露虫/Phaneroptera falcata/
バッタ(直翅)目/キリギリス科/の幼虫。
岩手・宮古市・千徳/07/31/2014

涼しい三陸の早朝、軒下の朝顔の花での出会い。
50年以上前、虫かごに入ってもらったことがあります。
滞在中結構な広い庭を何度も歩いたのに、
一度も蚊に刺されたことがなく、
事前の虫除け・虫さされ薬は全くの取越し苦労。
聴くと最近下水道が通ったとのこと。
東京の公園の酷暑と虫さされとは別世界でした。  蝉坊



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110