けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2015年 3月号  お題;「 嘘 」,「 はじめる 」  出題:良弘さん

2015年04月11日 | 川柳

■「 嘘 」

明日から本気でやるぞダイエット  駄作
★  怪しいな妙に饒舌今日の夫(つま)  猫じゃ猫じゃ
嘘おっしゃいつれない素振りだけど目が  流美ん
嘘固め抱負語るは厚化粧  篤子
嘘だよと言った心の声震え  芳男
嘘ついたことなどないとご臨終  蝉坊
嘘ついた日からおサルがヒトになり  蝉坊
嘘つきと夢語る人紙一重  模索
★★  嘘つきは嫌いと言った厚化粧  蚤助
嘘でいい華奢なからだと言われたい  猫じゃ猫じゃ
嘘でしょう信じたくない裏表  流美ん
嘘はダメとはいうもののそれは無理  霜降
うそピォーンと笑って逃げた子お父さん  篤子
嘘見抜くコツは小鼻の動く癖  篤子
うっかりと嘘が言えないメモる奴  蚤助
ウッソー!へ児らが振り向く参観日  蝉坊
美味いねと嘘でもうれしい誉め言葉  ちどり
閻魔様抜き取った舌五万枚  霜降
★  同い年?何故か話が噛み合わぬ  久美子
思いやる嘘を抱えて祈る日々  裕雅
解釈でどうにでもなる平和主義  弧衾若衆
買う気なし勧誘電話で暇つぶし  芳男
カンニングしたいと泣いた受験の子  良弘
嫌いとも好きとも言わす妻がいる  良弘
禁煙に嘘の尻尾が掴めない  蝉坊
口紅の色に負けない嘘をつく  蚤助
恋心嘘を見抜けず貢ぐ金  猫じゃ猫じゃ
この日だけ善男善女華燭の宴  裕雅
児の耳へ国会ライブはばかられ  蝉坊
仕方ない嘘つく親を見て育つ  良弘
したり顔じゅん子のたまう八紘一宇  霜降
上司の命背かぬ程度で茶を濁す  裕雅
★  白い歯で真っ赤な嘘がつけるとは  蚤助
吸い殻でなくても嘘はわかるのよ  猫じゃ猫じゃ
そっと乗り体重計に嘘はない  芳男
騙されてみせる器量のでかい人  蚤助
ダム造れきっと豊かな村になる  弧衾若衆
ちっぽけな嘘を土産に里帰り  蚤助
妻ですとつい宿帳についた嘘  蚤助
天秤の嘘とショックの振れ具合  蝉坊
投票後出口調査でついた嘘  蚤助
★  取り敢えず愛していると言っておく  篤子
認知症日々新鮮な夫婦仲  蝉坊
ばれぬ嘘まことに変わる世のならい  猫じゃ猫じゃ
ばればれの孫の手招きついて行く  弧衾若衆
一重の子誰に似たのと義母が言う  久美子
一つずつ互いの嘘が見えてくる  裕雅
ぼけた父のべつ幕無し語るうそ  模索
★  誉め上手小さな嘘を散りばめる  ちどり
本当の話は過去に隠れてる  弧衾若衆
マンネリの二人に嘘は良く似合う  良弘
目の前の鏡は嘘よ試着室  久美子
目をみればすべてがわかるあの人の  霜降
許しなさい流しなさいと神父さま  蝉坊
許せない言い訳並ぶ医者の嘘  流美ん
別れ際未練断ち切る捨て台詞  流美ん


■「 はじめる 」

IHソウルフードを引き寄せる  蝉坊
明日からね食い納めからダイエット  篤子
あれこれと始めて悔いる過ぎし時  裕雅
★  言い訳はスタート前に用意する  裕雅
諍いの始まり探し黙り込む  芳男
入口と出口重なる春の門  模索
おはようで恋が始まる校門前  霜降
開店日裏で借金疼いてる  蚤助
ガラケーに戸惑う親が子にスマホ  良弘
着ぐるみの猫が居並ぶ入社式  蚤助
★  ケータイが一度もならず新年度  弧衾若衆
五七五四季か人かで追い詰める  蝉坊
混沌へ余計なことをしなければ  蝉坊
残業と言って始める趣味作り  裕雅
式辞読みおのれ励ます退職者  弧衾若衆
新学期気持ちだけでも引き締める  久美子
新幹線来たが廃線間に合わず  蝉坊
人生の達人目指す曲がり角  蝉坊
スランプのトンネル抜けてリスタート  蚤助
背くらべ終え減量に向きあえる  蝉坊
ちょっとした不安吹き消す発車ベル  蚤助
遂に来た!くしゃみ鼻水目の痒み  久美子
通学のバスがはじまりだったよね  駄作
2thstで揃え始める新生活   篤子
次の人見つかった後打ち明ける  良弘
手習いをはじめましたがやめました  蚤助
★★  天気雨恋の予感の雨宿り  久美子
同棲が揃いのグラス探させる  蝉坊
農園の夢へ害虫腕まくり  蝉坊
はじまった経に呼応の児の鼾  流美ん
始まった酔いの証の武勇伝  流美ん
はじまりは天然色のワンシーン  流美ん
はじまりはトイレを探す夢の中  芳男
始まりはホンの些細な行き違い  裕雅
始まりも忘れてしまう腐れ縁  模索
始めよう言葉だけでも胸弾む  猫じゃ猫じゃ
始めるが続かないのがダイエット  猫じゃ猫じゃ
初画面猫にかざしてするスマホ  蝉坊
初年金生活すべてダイエット  ちどり
★  派手な色着る年頃がやってきた  流美ん
花めぐりまず手始めにガイド本  霜降
春なのに買った冬物着はじめる  芳男
ビートルズ過ぎボサノバに招かれて  蝉坊
引き出しにレコード針のシンフォニー  蝉坊
膝・腰が整形通いの第一歩  篤子
フィットネス説明聞いて疲れ果て  弧衾若衆
ふた呼吸させて始める蘇生術  蝉坊
古いもの入れ替えてまた春の駅  良弘
勃発といって因縁ボヤケさせ  蝉坊
孫噺初代の猫へ反れてゆき  蝉坊
孫呼んでスマホ参戦定年後  篤子
また春がいつか来ないと母は言う  弧衾若衆
目標が低すぎとうに越えていた  蚤助
勇退と言われてみたい公務員  弧衾若衆
夜明け前誰か働く朝の音  蚤助
酔うとまた一人で世界負うた気に  蚤助


●自由題

お花見の場所取り先に酔いつぶれ  ちどり


4月のお題/毎月25日締切り

1.「 背 」 2.「 運ぶ 」
出題・裕雅さん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 /
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110