Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

早々と出ているWindows 8の噂・・・真偽は闇の中

2010-06-30 23:26:34 | PC

 Windows 7は実に好調のようです。何でも1秒に7本のペースで売れているらしく、企業でのXPからの置き換えも順調に推移しているとか。・・・じゃあ、うちオフィスの環境もWindows 7+IE6以外のブラウザに早くならないものでしょうかね?

 Windows 7はVistaのネガティブキャンペーンを経て、満を持して発売されたWindowsの最新バージョン。速い起動にそこまでうるさくなくなったユーザーアカウントコントロール、完成度の増したエアロピークに大幅にバージョンアップしたタスクバーと、Vistaの教訓をよく取り入れたユーザビリティをひっさげて登場しました。これがマスコミ各社やユーザーから好意的に受け取られ、すでに時代遅れになっているXP(+動いているハードウェア)からの移行に漸く踏ん切りの付いたユーザーが需要を押し上げていると考えられています。

 そのマイクロソフトから、よりによってWindows 8の資料が流出したとか。

「Windows 8」の“社外秘資料”がネットに流布 @IT

同社としては、この順調な売れ行きに水を差すような出来事は起きてほしくないことだろう――同社が「Windows 8」に向けた準備を進めているといううわさなどは、もってのほかに違いない。

 嘘か誠か分からないけれど、マイクロソフトの内部ではすでにWindows 8の開発がスタートしており、Windows 8に搭載されるとされる様々な機能が「流出」と称して報じられているという、パターンとしてはいつものものです。

 最初に断っておくならば、搭載されるべき機能の流出は手札をばらす、つまり他社が対抗しやすくなるという点であんまりよろしくないものです。しかしながら、Windows 8(仮)の開発が始まっていると言う話は至極当然の話で、流出とか騒ぐべきものでも何でもありません。
 コンシューマーゲーム機、CPU、車に小説、お菓子に至るまで、移り変わりの激しい市場において、一つの製品を世に出した直後から、すでに新しい製品の開発は始まっているんです。ですから、Windows 7が出て一年が経った今、その次の製品の開発がスタートしていないなんてあり得ません。

 ですので、今回の焦点としては、「搭載される機能が本当か否か」という点になるでしょう。超高速起動とか気になるものもありましたが、やはり一番気になったのはこれ。

「Windowsアカウントがクラウドに連携する可能性がある」という記載があり、そのすぐ下の箇条書きの部分には「ローミング設定と環境設定はPCと各種端末との間でユーザーに関連付けられる」と記されている。これは、ユーザーが自宅や会社で端末を切り替えるのを容易にするのが狙いで、マイクロソフトが盛んに宣伝している「3スクリーン+クラウド」戦略に合致するものだ。

 要するに、PCに接続する端末が同期するデータ等が、ユーザーアカウントごとに設定できると言うこと。家のPCでは写真やムービーをダウンロードして、会社ではプレゼン資料などを同期するという設定を手軽に行えると言うことだと思うのですが・・・今でもたいがいそうですが、ますますネットとつながらなければ不完全な製品になっていく訳ですね。確かにネットとつながっていないPCなんて今ではちょっと考えられないですけれど、そのうちネットにつながっていなければローカルのデータも扱えなくなるなんて事にならなければいいですけどね。

 先にも述べましたが、Windows 8の開発が始まっていないなんてことはあり得ません。ただ、今後どのような製品になっていくかは全く分かりません。今回の噂の真偽と同じように闇の中で、例え噂が本当に流出したものだったとしても、実際の製品は全く違うものが出てくる可能性も当然ありえます。
 発売まで年単位で間のある中、しかもマイクロソフトの正式発表も前の段階で外野が侃侃諤諤するのはフライングも甚だしいですけれど、それ故に自由な発想で次期バージョンに思いを馳せることが出来る訳ですから、ある意味今が一番楽しいかも知れないですね。例えば、「次期Windowsはタスクバーに続き、今度はデスクトップが革命的に便利になる。例えばデスクトップに置かれたファイルの自動仕分け」とかですかね。


「デジタルでアナログなメモ帳」がキングジムから

2010-06-29 21:43:10 | Digital Devices

 仕事用のデスクに常にあるものと言えば、まずPCが挙げられます。間違いなく彼らがなければ、私の仕事は成り立ちません。書類のほとんどはPCで作ってあるし、文書を考えるのだって画面上でやった方が早いし綺麗です。書ける文字数も手書きより遙かに多いですしね。

 そんな中でも「紙とペン」というのは実に優秀なツールです。プリントアウトした書類にボールペンやマーカーで書き込みながら仕事をチェックしたり考えをまとめたり出来ますし、やふせんは書類や本、PC周りなど、どこにでも付けられる手軽な思考のしおりです。そして、常に傍らに置いてある紙束・・・電話の内容を書き込んだり、とっさの依頼や思いつきを書き留めたり・・・画も文字も自由に混在できるメモ帳は、なんだかんだ言って無くてはならないオフィスツールになっています。

 そのメモ帳を、あのポメラを作ったキングジムが、そのままデジタル文具にしてしまったようです。

キングジム、液晶画面にタッチ操作で手書きメモ「マメモ」 ケータイWatch

 「マメモ」は、紙の卓上メモを電子化した製品。タッチパネルの液晶画面上にタッチペンで手書きのメモを残すことができ、手書きの内容はデータとして機器内に99枚分まで保存できる。タッチペンで液晶画面をタッチすればすぐに起動し使うことができ、不要なメモは削除できる。不揮発性メモリを採用しており、電池交換の際にも保存したメモデータは保持される。

 ポメラが文章を打つことに特化されていたのに対して、マメモは正にアナログのメモ帳としての機能に特化されています。入力インターフェイスはペンのみ。スクリーンは当然モノクロ。出来ることも非常に限られていますが・・・もともとメモ帳の用途は「書き捨てる」こと。言わば、一時的に使われる外部記憶、思考のテンポラリファイルみたいなものです。ですから、ペンで書いてちょっとの間残しておけることしか必要ないんです。ですから、「どうせ捨ててしまう情報を記録する」ための紙をムダにしないと言う意味でも、このマメモのコンセプトはとても面白いし有用じゃないでしょうか。

 ポメラの時も思いましたが、キングジムは事務用品屋だけあって、こういう単機能の製品を作るのは実にうまいなあと思うのです。システム屋や情報家電やだと決してこうはいかないでしょう。少なくとも私なら、PCへメモを転送し、データベース化するソフトをセットでプレゼンするはずです。
 でも、事務用品って考えてみれば単機能の製品ばかりです。それしか使い道が無いから、めいっぱい使い易くする事が出来る。ポメラも今回のマメモもそういう延長線上で生まれたんでしょうね。

 マメモの価格は約6000円。ポメラと比べて値段もこなれています(出来ればもうちょっと安い方が良いけれど)し、使い方、使い道も単純明快。個人的には一度オフィスに導入してみたいですねえ・・・


接点を気にせず充電 村田製作所のワイヤレス電力伝送システム

2010-06-28 23:59:59 | Technology

 私の愛用しているロジクールのMX™ Revolution。操作感やホールド感はとても満足していて、ここ3年くらいは使い続けていますが・・・一度不具合で交換しています。クレードルに置いてもまったく充電しなくなってしまったのです。端子部分を鉛筆で黒く塗る等の対策も空しく、症状は悪化の一途。仕方なくサポートに連絡したところ、交換してくれるとのことでした。

 iPhoneに機種変更する前の携帯電話も、ことごとくクレードルにセットしても充電しなくなり、最終的には端子に充電ケーブルを差してしか充電が出来なくなったものです。

 これらの問題は、端子の劣化や変形による不具合だと思われます。実際、端子部が徐々に参加してくるのは常ですし、コネクタのように面ではなく、点で接続するクレードルでは劣化の影響を受けやすいのは確かです。
 ただ、使い勝手という面で言えば、わざわざ端子カバーを外してコネクタをはめ込むよりは、そのままクレードルにセットするだけの方が良いのは間違いありません。

 村田製作所はこの問題を解決しつつ、より使い勝手を高めた「ワイヤレス電力伝送システム」を開発しました。

村田製作所、電界結合型ワイヤレス電力伝送システムを開発 マイコミジャーナル

村田製作所はワイヤレスで電力を供給できる電界結合方式の電力伝送システム「LXWSシリーズ」を開発したことを発表した。同システムを用いると、電源コードなどを介さずとも、充電台に機器を置くだけで充電することが可能となる。

 ワイヤレスと言ってもごく近くにしか電力を送れませんので、正に端子の無いクレードルというイメージで使っていけるようです。露出端子を使わないため劣化に強く、割とラフに置いてもきちんと充電してくれるようで、発売されたら便利に使えそう・・・ではありますが、これで充電するためには機器側もこの方式に対応しなくてはいけませんので、すぐに便利に使えるというものでもないようです。

 給電や充電のために引っ張られるコード。一番最後まで残るのはこの電源ケーブルだと思うのですが、村田製作所の電力伝送システムは、少なくとも携帯電話を初めとするモバイル機器から、充電用のケーブルを不要に出来るだけのポテンシャルがあると思います。携帯電話をより手軽に使うためにも、同様の仕組みの普及が望まれますが・・・ハードウェア的な追加が必要になる以上、しばらくはいくら便利でも、そのままかもしれませんね。


テレビ電話なんて要らない

2010-06-27 23:59:59 | Thinkings

 テレビ電話って使ったことありますか?私は携帯電話では使ったことはありませんが、MSNメッセンジャーで何度か利用したことがあります。しかしながら、今ではさっぱり使ってません。用意したウェブカムも、道具箱の中で眠ってます。

 ところで、iPhoneに搭載される新OSであるiOS 4ではテレビ電話であるFaceTimeが使えるようですが・・・あのアップル製品をことごとくヨイショすることで有名なGIZMODOで、元も子もない記事がアップされていました。

FaceTime、使ってみたけれど GIZMODO

何を見て話せばいいんでしょう?何を相手に見せればいいんでしょう?普通の電話なら、うろうろ歩きまわったり、メールチェックしたり、何か別のことをしながら話すのに慣れています。でも、テレビ電話だと、それはできません。ずっと自分の前にぎこちなく電話を持ったまま、同様にぎこちない視線をこちらに送る通話相手を見つめるしかありません。そして思うのです。

なんでこんなことやってるんだっけ?

 そう、電話で相手の顔を見て話したって、そこまで良い事なんて起きないんです。そりゃあ、なかなか会えない友人の顔を久しぶりに見て話したいなんて時には役に立つでしょうが・・・今の世の中にはメールという便利な物がありますので、最悪それで写真を送れば済むことです。リアルタイムではありませんが。
 テレビ電話で話すとなると、普通の電話では気にもとめる必要の無かった「表情」であるとか服装を含めた「格好」、そして映り込む「背景」にも気を配らなくてはいけません。なんて面倒な!そして、ひとしきりおもしろがった後、その面倒くささに唐突に気付き、結局使わなくなるのです。GIZMODOに投稿されたコメントを借りるなら、

日本人が五年前に通った道

と言う事になるでしょうねえ。いや、ウェブカムは結構出回っていますから、体験した人は世界中にそれなりの数、いるはずなんですけどね。

 正直、テレビ電話で呼び出されても、とっさに出られない状況ってありますしね。私は、テレビ電話って携帯電話に付いていなくても良いかなあって、正直思いますよ。それこそ、PCの固定回線でメッセンジャーやSkypeでたまーにやりとりするくらいで十分じゃないでしょうか?


Google ChromeがFlash内蔵で提供・・・差別化のタネとなるか

2010-06-26 23:59:59 | PC

 iPhone、iPadの台頭で、このところやり玉に挙げられることの多くなったFlash。Appleが自社のiOSにFlashが対応する事をかたくなに拒否している事で、主にそれらのユーザーおよび開発者の間で「Flash不要論」が取りだたされているのは周知の通りです。

 しかしながら、主に広告が多いとは言え、ウェブの至る所で使われているFlashを不要としてしまうのは、いささか時期が早すぎます。Flashを置き換えるとされているHTML 5にしても、細部においては各社で足並みが揃っておらず、結果的に相互運用性という観点で見れば、現時点で、そして今後1年~数年の間Flashの優位性は変わらないと思われるからです。

 その問題に対して、Adobe以外で最も積極的な姿勢を見せているのはGoogleです。というのは、GoogleのリリースしているChromeブラウザにFlashプラグインを同梱した形で配布する姿勢を見せている事からも伺えます。

Google ChromeがいよいよFlash内蔵で提供されることに TechCrunch

木曜日の夜(米国時間6/24)GoogleがLinux、Mac、およびWindowsのStableチャネルにリリースしたChrome 5.0.375.86には、セキュリティ関連の修正がいくつかある。しかしもっと重要なのは、最初から組み込まれているFlash Playerがデフォルトでイネーブルになることだ。

 なんで元記事の訳者がイネーブルなんて言葉をそのまま残したのか分かりませんが、要するに、最初からFlashプラグインが使える状態でユーザーに提供されると言うこと。さらに言えば、Chrome向けのFlashプラグインのアップデートは、ChromeのアップデートとしてGoogleから提供されることになります。これによって、本来個別でされるはずのFlashのアップデートを確実に行えるようになり、セキュリティ上の穴をより確実にふさぐことが出来るとしています。確かに、マイクロソフトのSilverlightはWindows Updateでアップデートできますが、Flashプラグインのアップデートは自分で行わないと反映されないことが多いですので、このやり方は実に合理的だと言えます。

 このように、Googleが積極的にFlashを取り込もうとしている点は、明確にAppleとの差別化の意図が見て取れます。今後、Androidにおけるスマートフォンだけでなく、Chrome OSおいてiPadとも戦って行かなくてはならない手前、Flash対応というのは少なくとも武器の一つにはなります。ハードウェアも含めてのプラットフォームを提供しているAppleに比べ、Googleはソフトウェアのみの提供ですから、その分野での強みを一つでも(例え他社のソリューションであっても)増やしておきたいと考えるのは実に自然ではないでしょうか。

 MSが(ネットブック的な)タブレットに対してどのような姿勢を見せるのかまだ不明ですが、各社のタブレットが出そろうと思われる今年の4Qから来年の2Q当たりまで、ハードウェアメーカーを巻き込んだダイナミックな動きが見られるのではないでしょうか。

 ・・・たまにはjoojooのことも思い出してあげてください。


Chrome OSは案外普通になるかも

2010-06-25 23:59:59 | PC

 以前、私がjoojooを手に入れたという記事を書きました。このjoojooの最大の特徴は、ローカルアプリケーションを一切動かせない、Web閲覧専門のデバイスであること。起動すると真っ先にブラウザが立ち上がって、その中だけで操作を行います。

 そのようなコンセプトのOSと言えばGoogleのChrome OSが一番有名ですが、どうやらjoojooよりももうちょっと普通のOSに近づく模様。

Zip 機能、ゲームの実装などを検討―Chrome OSの開発着々進行中(スクリーショットあり) TechCrunch

  • Zipファイルの解凍機能を内蔵すべきかどうかについて活発な議論が行われているようだ。現在まだこの機能はChromium OSに実装されていないが、Google内外で「必要だ」とする声が上がっている。

-中略-

  • Googleが長い間検討しているのは、Chrome OSでプレイできる中毒性の高いオフラインゲームの搭載だ。当初ソリテア、ポーカー、タワーディフェンス、カラーフラッド、マインスイーパー、スドク、 ビジューエルド風のスロットマシン、などが候補に上がった。「退屈したり、頭が疲れて空っぽになったときには何をする? ゲームだ!」とChromiumプロジェクトの協力者の一人が昨年8月ブログに書いていた。ゲームについても開発は進んでいるらしい。

 と言う事で、Zipファイルの解凍が出来ると言うことは、そのままローカルで中身を扱えることを意味しますし、オフラインゲームを用意すると言うことから、ウェブアプリだけでなく、ネイティブアプリの充実も可能性としてあるということ。これらを考えるに、Chrome OSは、最終的にはOSとして今まで見慣れた物に近くなるような感触があります。

 ネットブック用の普通のOSとしてはそちらの方向性が正しいとは思うんですけど、あれもこれもと機能を追加していって、最終的に「シンプルさ」がスポイルされてしまうのはちょっとイヤかも知れません。秋には正式版がリリース予定ですので、結局、どういう方向性で行くか楽しみです。


WDLCで妙に納得してしまったマイクロソフトの主張

2010-06-24 23:59:59 | Thinkings

 「パソコンも地デジカ」というキャッチフレーズに乗って、とあるイベントが開催されました。

WDLC、民放キー局のガジェットを地デジPCに搭載 PC Watch

 マイクロソフトをはじめ、PCメーカーや周辺機器メーカー、ソフトメーカー、量販店など100社が加盟するウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC、堂山昌司会長=マイクロソフト副社長)は、4月27日から実施している「パソコンも地デジカ」キャンペーンにおける新たな取り組みとして、NHKおよび民放キー局から提供される「テレビNaviガジェット」が主要PCメーカーの夏モデルで搭載されることを発表。さらに、キャンペーンにあわせたTwitterによるTVコンテンツコミュニティ「パソコンも地デジカ×ピーチク」を開始すると発表した。

 民放各社がWindows 7向けに専用のガジェットを用意し、PCで快適に「リアルタイム視聴」を行えるというサービスと、Twitterを利用したニコニコ動画的なサービスの記者会見でした。

 考えてみれば、これまでPCの立ち位置を模索する中で、テレビというのはそれなりに重要なコンテンツでした。現在大きな流れである「テレビで録画」をずっと以前からやってきました。つまり、「PCはセカンドテレビになる」をセールスポイントにして、リビングPCを売り込んできた経緯があるのです。

 この方向性は現在も変わらず、このイベントもその流れをくむ物です。しかしながら、PCのセットトップボックスのような使い方を勧めるこのやり方については、PC本来の使い方からするとちょっとした違和感がつきまとっていたのですが・・・同時に出ていたこの記事に、思わず納得してしまいました。

地デジカはいじめっ子なのか PC Watch

 マイクロソフトが主張するように、時代は3スクリーンだ。これは正しい。TV、PC、携帯電話という3つのデバイスの画面がそれで、どれか1つが世の中を主導する時代ではない。個人的にはながら見ということができないタイプなのだが、多くの人々は、その3スクリーンのうち同時に2つは当たり前、場合によっては3つを同時に楽しむことができるだろう。そういう環境の中でPCに何ができるか。そして人々はPCに何を求めるのか。やっぱりPCなんていらないねというようにさせないために、やるべきことは、まだまだたくさんあるはずだ。

 つまりは、無理に相手の土俵に入り込もうとするから無理が生まれると言うことです。テレビがあって、傍らにPCが置いてあっても良いじゃないか、という話です。考えてみれば、PCでテレビを見ている間は、PC本来の使い方は全然出来ない訳ですから、それはもったいないです。むしろ、PCとテレビを同時に使ってもらえるようなキャンペーンを張った方が良いんじゃないでしょうか。

 ・・・ただこの論調で行くと、PCはより基本機能に絞ったシンプルな物でよくなってしまって、日本のPCベンダーが作っている、いわゆる「大艦巨砲主義」のPCとは相容れなくなってしまうのですね・・・。特に差別化の難しいデスクトップPCは、今後も迷走を続けるような気がします。


むしろフォトフレームはオマケじゃないか? Androidフォトフレーム「ServersMan Cast@net」

2010-06-23 20:39:53 | Digital Devices

 PCショップや家電店の一角を占めるまでに成長してきたデジタルフォトフレーム。確かに、撮った写真を「有効活用」するための機械として、ここまで手軽な専用機はなかなかありません。携帯電話のカメラ機能がどんどん高機能になり、デジカメが普及しきった今、デジタルフォトフレームもまた、その市場を広げつつあります。

 しかしながら、デジタルフォトフレームは、「デジカメで撮った写真を表示する」という単純な機能故に、製品の間の差別化が非常に難しくなってしまっています。そこで、各社は高画質化やデザイン面といったフォトフレームとしてまっとうな部分の他に、WiFiに対応したり、動画や音楽が再生できるという高付加価値的な部分で差別化を図ってきました。

 このブログでは「そのうちネットブックを”フォトフレーム”だと言い張る時が来るかもしれない」と、高機能フォトフレームを取り上げる度にのたまってきましたが、とうとうそれが本当になってしまったようです。

Android OS搭載、クラウドになるフォトフレーム「ServersMan Cast@net」 INTERNET Watch

 これにOSとしてAndroid 1.5を組み合わせ、ウェブブラウザー「Google Chrome」やPOP3/IMAP4対応メーラーをプリインストール。動画共有サイトなどを含むウェブ閲覧や、メールの送受信が可能だ。Word、 Excel、PowerPoint、PDFに対応したドキュメントビューワーにより、これらの形式のメール添付ファイルもフォトフレームで表示できる。アドレス帳やメディアプレーヤーアプリもあるため、デジタルフォトフレームとはいえ、ネットブック相当の機能を持つと説明している。

 いちばん”らしい”部分を引用したとは言え、これをフォトフレームと言い張るか?という内容です。むしろ、フォトフレーム機能の付いたAndroidタブレットが正解でしょう。とは言え、性能的には初期のiPhone程度と言うことで、ネットブック的な使用についてはかなり限定的でしょうけど。

 Androidを初めとする、ミニマムなシステムで動くOSが普及してきた時点で、そのシステムをフォトフレームに使用し、よりインテリジェンスな写真管理を行うという考え方が出てくるのは、むしろ必然だったんでしょう。しかしながら、この製品から透けて見えるフォトフレームの未来は、「邪魔にならないホームサーバー」じゃないでしょうか。フォトフレームとしても機能することで、インテリアに溶け込めるホームサーバーです。WiFiに対応する事で、リビングにおいても配線が気になりにくく、ちょっとした調べ物はフォトフレームのブラウザを利用してすぐに調べられるという。テレビに繋いでメディアセンターとして機能しても・・・テレビに繋ぐ云々は置いておいて、ソニーのボードPCがそんな感じだったような気がしてきました。

 余分な話をしてしまいましたが、Cast@netはフォトフレームとしてだけでなく、現時点で最も安価なネットブックの一つです。高機能なフォトフレームが欲しい、低機能で良いからちょっとした調べ物が出来るAndroidタブレットが欲しいという場合には、とりあえずチェックしておいても良いんじゃないでしょうか。

 ・・・とこんな事を書いておいて、本末転倒ながら。
 デジタルフォトフレームの正しい未来は、より高解像度で、低消費電力、写真の管理が楽といった、フォトフレームとしての基本機能が進化した「まっとうなフォトフレーム」こそふさわしいのではないか・・・と、今回の記事を書いて改めて思った次第です。


ダイソンの扇風機に新モデル

2010-06-22 22:53:54 | Life

 ちょっと前まであんなに涼しかったのに、今ではすっかり夏になってしまいました・・・なんだか日本語がおかしいかも知れませんが、だいたいのニュアンスは伝わるでしょうか?

 こんなに暑いと言ってもまだ6月。これからの夏本番に向けて、涼を得る為の手段をなんとかして用意したいところではありますが、効き過ぎたクーラーに当てられて、体調を崩してしまうこともしばしば。私も吹き出し口の真下の椅子で仕事をしていた当時、倦怠感と頭痛に悩まされていたものです。

 そんな中で役に立つのは、昔ながらのうちわと扇風機。両者とも部屋の空気を動かして涼をとりますので、冷やしすぎることもありません。とくにうちわは導入コストも安く、風量や風向きもリアルタイムで微妙にコントロールできる優れもの。ランニングコストもかかりませんが、使用している間は作業が止まってしまうデメリットがあります。
 対して扇風機は、自分であおぐ必要はありませんし、冷やしすぎない点も一緒です。ただ、大きなファンを使って風を作るため、触ると危ないというデメリットがありました。

 そのデメリットを「ファンを無くす」という根本的原因・・・というか、扇風機のアイデンティティを取り除く方法で解決したのが、ダイソンのAir Multiplierです。それに新たなモデルが二つ加わった模様。

Dysonの“羽根のない扇風機”に縦長モデルと首が伸びるモデル ITmedia

 新モデルの1つ「Dyson Air Multiplier AM02 Tower」は風が吹き出す輪の部分が縦長の形になっている。39.65×4.33×7.48インチ(100×11×19センチ)と設置場所を取らないサイズ。

 もう1つの新モデル「AM03 Pedestal」は従来モデルの首を長くしたような形。ばねを使って、簡単に輪の部分を引き上げたり押し下げたりして高さや角度を調節できるという。サイズは46.77~55.43×4.21×17.72インチ(119~141×10×45センチ)。

 価格は両モデルとも449.99ドルで、色はシルバーのみ。発売日は発表されていない。

 画像はダイソンのオンラインストアから。今回発表されたのは真ん中と右側ですね。比較すると結構大きいなあ・・・

 ダイソン製品らしく動作音は大きいようですが、そのすっきりした見た目と、羽を無くした事による安全性の向上と手入れの簡単さは魅力です。また、インテリアとしてもステキなデザインです。 

 ・・・ただ、問題はそのお値段。ダイソンのオンラインストアによれば、初代モデルで39000円。真ん中と右側の新型がそれぞれ54000円と、普通の扇風機が1500円~10000円程度で売られていることを考えると、扇風機とは思えない強気の価格設定であることが分かります。

 私は真ん中のモデルが気になりますが、さすがにちょっと手が出しにくいです。デザイン性であるとかその機能性、何より掃除のしやすさには惹かれる物があるのですが・・・扇風機は欲しいのですが、たぶん、数千円の普通のヤツを買うでしょうねえ。


joojooが来た!

2010-06-21 19:25:59 | Digital Devices

 待ちに待った・・・というか、待っている間にすでに色々と裏切られた感があるCrunchPad・・・じゃなかった、Fusion Garageのタブレット、joojooが私の元に届けられました。

 

  やたらと高級感のある紙箱はアップルを意識しているのでしょうか?マニュアルの薄さもアップル並み。液晶用のクロスとACアダプタ、リセットするときのピンが付属しています。

 ざっと使ってみた感想ですが・・・普通の人はiPadを買えば良いと思うよ!

 まず、致命的なのが日本語IMEが現時点(2010年6月21日)で使用できないこと。日本に第一陣が届いた時点で判明したため、チキンな私は速攻でキャンセルを申し込みましたが、時すでに遅く発送された後でした。ちなみに、キャンセル申し込みメールへのレスポンスは未だにありません。

 USBメモリに保存した音楽や動画を再生できるとプレゼンされていましたが、現時点では同じく出来ません。そもそも、USBメモリを認識してくれません。

 と言うわけで、「日本語が表示は出来るけれど入力は出来ない」、そして「本当にインターネット以外の用途には使えない」という、日本発表時点で言っていることがまるで違うと言う事は大前提として、以下にファーストインプレッション。

1.画面が大きくて綺麗
 TN液晶だと思いますけれど、画面はかなり綺麗。解像度も高いため、ウェブページの閲覧にはまったく不自由はありません。

2.操作性はそこそこ
 起動はすばらしく早いです。完全電源オフからの9秒起動は嘘じゃありません。
 また、ウェブページを見る上では不足無い速度がでています。正にPCライク。ただし、重いページを開くときには反応が悪くなったりします。リンクをクリックするとかウェブページのスクロールといった基本的な操作に関してはストレス無く行えます。

3.ソフトウェアキーボードは快適
 iPhoneより入力しやすい。また、タッチスクリーンの正確性もわるくなく、さすがにタッチタイプは厳しいけれど、指二本でぺしぺし入力出来ます。これでIMEが使えたら・・・ちなみに、コピー&ペーストも出来ませんので、Sumibi.orgを使っても入力後の再利用が出来ません。

4.YouTube視聴時に選択肢が
 YouTubeを見るときに、そのままWeb状でPCと同じように見るか、joojooの動画再生機能をつかって全画面で見るかを選べます。どちらで見ても割となめらかに表示でき、IONのパフォーマンスが感じられます。また、ニコニコ動画は視聴する動画によってはかなりカクカクする模様。
 画面が綺麗なのも合わせて、USBメモリが使えないのは非常に惜しいです。

5.ブックマークが使いづらい
 ブックマークや履歴を参照するときには、わざわざホーム画面に戻らなければいけません。もちろん見ているページはそのまま保存されてますが、テンポが悪いです。画面上のメニューバーに「ブックマーク」「履歴」のボタンを付けるだけで良かったのでは?

 とりあえず、単にウェブを閲覧するだけならば十分な性能です。心配していた日本語での検索に関しても、Google日本の検索窓にローマ字で打ち込めば、Googleが勝手に変換して候補を表示してくれますので、思っていたより不自由はありませんでした。

 今後の改善希望としては、ディフォルトの日本語フォントが怪しい明朝体(一部ゴシック表示は綺麗)ですので、フォントセットの改善及び選択が出来る用に変更してもらいたいのが第一。また、日本語IMEが搭載されればGMailもTwitterも使えるようになりますので、ここも早急に対応してもらいたいです。

 現時点では、正直未完成もいいところ。この時点で日本のマスマーケットに向けて実際に注文を取ってしまうのは、さすがに暴挙だと思います。
 と言うわけで、「Flashが使える安いタブレットならなんでもいい」という人以外にはとてもおすすめは出来ません。今後OSの完成度が上がって、日本語がスムーズに扱えるようになったなら、ようやく「ローカルアプリが使えなくても良いなら」と勧められるのでしょうけど・・・。
 とにかく、発表の時に断言した機能の実装を急いでもらい、早くOSのバージョンを1.0まで持って行けるよう、joojooのチームには頑張っていただきたいものです。・・・切実です。