最近ちょっと不満なのが、圧縮音源前提で音作りをしているCD。この間もちょっとがっかりしたところですが、要するに、それくらいPCでの音楽利用が増えていると言うことですね。より正確に言えば、PCで曲を管理して、携帯音楽プレイヤーで聴くという使い方がスタンダードになってきていると言う事でしょう。
携帯音楽プレイヤーとひとくくりにしてしまいましたが、日本においては携帯電話で利用できる「着うた」も一大勢力となっていますけど、それらに共通する問題として、いわゆる「iPod難聴」という問題があります。
通常の使い方では、ヘッドフォンもしくはイヤフォンを使って音楽を聴くことになりますが、例えば電車の中などではついつい音量を上げがちになったりします。また、迫力を求めて大音量で使ってしまう場合もあるでしょう。
しかしながら、これらの行為は耳に長時間、大きな負担を掛けることになりますから、これが原因で恒久的、つまり直らない難聴になってしまうことがあるのです。iPodがポータブルプレイヤーのスタンダードであり、音量出力も比較的大きかったことから、「iPod難聴」という名前が通称としてまかり通っているわけですね。
これらの問題は、それこそiPodが出てくる前からあったものですが、使用人口が増えたことで問題が表面化してきたようです。それに対応するため、EUでは毎度おなじみ欧州委員会が安全基準を策定する事になりました。
携帯音楽プレーヤーの安全な音量、EUが標準策定へ INTERNET Watch
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、携帯音楽プレーヤーの音量について安全基準を策定する方針を発表した。
長時間にわたる大音量での使用によって聴力障害を引き起こさないよう、安全な音量のデフォルト設定をとり決める。音量と使用時間の関係により、音量が80デジベルならば1週間に40時間、89デジベルならば同じく5時間を超えてはならないことを明確化する。
一度なってしまうと一生不便を抱えて生きて行かなくてはならない、というのは何とも重いですから、このような基準を制定するのは十分な意味があります。と言うか、日本でも基準を明確にして欲しいものです。個人差がありますから、基準を守っていたところで、なるときはなる・・・という話もありますけれど。
ただ、一つはっきりしていることは、これは自衛が出来る問題であると言うこと。安易にボリュームを上げすぎない、物足りなくても耳が慣れるまで我慢する、というような努力をすれば、簡単に難聴を回避できます。音漏れの心配もありますし、心当たりのある人は、一度ボリュームの目盛りを確認してみたらいかがでしょうか。